今回はユーロリーグからプレイオフ決勝のオリンピアコスとレアル・マドリードのカードをピックアップ。
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レギュラーシーズン1位のオリンピアコスと3位で通過したレアルの対戦で2位のバルサとレアルは勝率が同じ、かつSFでレアルはバルサを破ってきたので順当なカードに落ち着いたと言える。
試合は決勝に相応しい接戦の名勝負となった。
1Q
オリンピアコスは3Pを大量に打って4割で決めるなど大きな得点源にして序盤からリードを得る。
レアルは逆にアウトサイドシュートが決まらず、FTと 2Pを得点源として追い掛けるが7点ビハインドで終える。
オリンピアコスはカナーンのトランジション3Pとコーナー3Pとパパニコラウのウイング3P、ヴェゼンコフのフローターから3点プレイとドライブ、カナーンの3P、ヴェゼンコフのブレイク、パパニコラウの3P、ヴェゼンコフのフローターで得点。
レアルはンディエイのコーナー3P、ハンガのブレイク、タバレスのプットバック、ウィリアムスゴスのミドル、タバレスの連続FT、フェルナンデスのドライブから3点プレイ、ヘゾーニャのポストプレイで得点。
2Q
オリンピアコスは速いオフェンスで2Pも3Pも満遍なく狙いに行くが、確率が上がらず数で押し切る感じに。
レアルはアテンプトの大半を3Pに充てて5割で沈めつつ2Pも8割で決めるなど効率的なオフェンスで同点に追い付いて折り返し。
オリンピアコスはスルーカスの3P、ヴェゼンコフのFT、マキシッチの3P、ボロンボーイのC&F、マキシッチのドライブ、ヴェゼンコフのティップイン、マキシッチのFT、ヴェゼンコフのC&F、マキシッチのコーナー3Pで得点。
レアルはヘゾーニャのFT、コウセルのスクープショット、ロドリゲスとヘゾーニャの3P、タバレスのC&F、ロドリゲスのミドル、コウセルの3P、ランドルフとヘゾーニャの3P、ヘゾーニャのブレイク、ムサのコーナー3Pで得点。
3Q
オリンピアコスは引き続き2Pと3Pのアテンプト配分が偏ることなくオフェンスを展開して2P中心に得点を重ねて再びリードを得る。
レアルは3Pにアテンプトを偏らせるが確率は急激に落ちて得点源を失ったことから4点ビハインドで最終Qへ。
オリンピアコスはカナーンのコーナー3P、ヴェゼンコフのドライブから3点プレイ、カナーンの3Pとブレイク、ヴェゼンコフのミドル、マキシッチのカット、スルーカスのプルアップミドルで得点。
レアルはムサの3P、タバレスのダイブ、ハンガのベースラインカット、ロドリゲスのドライブ、ウィリアムスゴスのコーナー3PとFTで得点。
4Q
オリンピアコスはTOを極力出さずに低確率でも地道に得点を伸ばして終盤までリードを維持するが、最後の最後で逆転を許す。
レアルは3P43%、2P62%と追い込まれた所から土壇場でオフェンス精度を上げて猛追を測ると、残り3秒で託したリュルのプレイで逆転して優勝を手にした。
オリンピアコスはヴェゼンコフのカットとディープ3P、マキシッチのドライブ、スルーカスのFT、ヴェゼンコフのコーナー3P、カナーンのFTとワンドリミドルで得点。
レアルはタバレスのアリウープ、コウセルの連続C&S3P、ロドリゲスのドライブから3点プレイ、タバレスのダイブ、ロドリゲスのドライブとプルアップ3P、リュルのプルアップジャンパーで得点。
チームスタッツ
チームスタッツは3Pがオリンピアコス12/36で33%、レアルは12/33で36%と成功数は同じだったが確率はレアルが上回った。
2Pはオリンピアコスが16/26で61%、レアルは17/29で59%と確率はオリンピアコスで成功数はレアルが上回った。
FG全体ではオリンピアコスが28/62で45%、レアルは29/62で47%と確率と成功数でレアルが僅かに上回った。
FTはオリンピアコスが10/15で67%、レアルは9/11で82%と成功数はオリンピアコスだが確率はレアルが圧倒した。
リバウンドはオリンピアコスがOR10本のトータル30本、レアルはOR13本のトータル37本とレアルが大きく上回った。
TOはオリンピアコスが6個でレアルは10個と両チーム少なかった。
個人スタッツ
個人ではオリンピアコスのアレクサンダー・ヴェゼンコフがシュートやオフボールでの合わせ、ドライブやFTなどでゲームハイの29点とチームトップの9リバウンドに4アシストでマルチに活躍。
アイザイア・カナーンはシュートやドライブを高確率で決めて21点と2リバウンドに2アシストで貢献。
勝ったレアルはセルヒオ・ロドリゲスがシュートやドライブからチームハイの15点と4リバウンドにチームトップの9アシストでオールラウンドに大活躍。
エディ・タバレスはオフボールでの合わせ中心にFTも貰って13点とチームトップの10リバウンドに2アシストで効率的にプレイ。
総括
本当に決勝に相応しい名勝負で最後は劇的な決着となった。
残り6分を切ってからは得点がなかなか動かず、息が詰まるような攻防が続いて面白すぎた。
レアルはゾーンを併用していたので3Pを多く打たれて被弾数も多かったが、確率的には良くなかったのでゾーンも効果的だったように見えた。
オリンピアコスは3Pの確率は良くなくても2Pは超高確率で決まっており、TOも僅か6個しか出さないなどチームのオフェンスは全然悪くなかった。
ただ、ヴェゼンコフのシュートがあれだけ外れたのは想定外だったと思われ、FTも下手でない選手が失敗してしまったのは1点差の試合では致命的だった。
それでもユーロリーグ全体でもロスター全体で見ればオリンピアコス以上のロスターのチームがレアルやバルサ以外にも多くありながらRS1位で全体でも2位というのは素晴らしかった。
この試合で見てもタバレスとマッチアップするのはファルで、ディフェンスはともかくオフェンスではスキルに欠けるファルをディフェンス要因として長く出さなければいけないのは苦しかった。
他のチームが相手であればスキルのないファルでもサイズでゴリ押しして得点も出来るが、タバレス相手では厳しい。
かといってファルが下がった代わりがブラックやボロンボーイではタバレスに好き放題されてしまうので難しかった。
だからこそ他のチームが抑えられなかったタバレスにはすぐにダブルチームやトリプルチームを仕掛けてカバーやローテーションなども素早く行うなどディフェンスでもオリンピアコスの工夫が見られたが、そうすると他のポジションもスーパープレイヤーのいるレアルは他に選手で点を取りにくるのでどうしようもなかった。
決勝プレイもオリンピアコス側はそれまで得点のなかったリュルの1対1で来るとは予想してなかったかもしれないし、それでしっかり決めてくるリュルとリュルを選んだHCは凄すぎるとしか言えない。
反対にオリンピアコス側はいつもヴェゼンコフが得点を引っ張っていたのでレアル側もヴェゼンコフで来るのは分かり切っており、当然ヴェゼンコフにはボールを持たせないわけでスルーカスでラストプレイに行くしかなかった。
そういう選択肢が多かったという意味でスーパープレイヤーを多く抱えるチームとそうでないチームの差は点差以上に大きかったかもしれない。
しかも、レアルは乱闘の影響なのかヤブセレが乱闘以降1度も試合に出ておらず、ポワリエもベンチ外が多くなるなどビッグマンの選手層の差は途轍もなく大きかった。
個人的に選ぶファイナルMVPとシーズン全体のMVPはタバレスを選びたい。
シーズン全体の1stチームは誰が選んでもバラバラになりそうで難しすぎるが、あまり順位を気にせず選んでみると
PG ニコラス・ラプロヴィットラ
SG ジャナン・ムサ
SF ウィル・クライバーン
PF アレクサンダー・ヴェゼンコフ
C エディ・タバレス
の5人としたい。
ブラウンやパンター、ヘゾーニャやモトリーなども凄かったので悩んだが上記の5人はいつ見ても活躍している印象と別格の印象が強かった。
これでハイレベルで楽しかったユーロリーグも終わってしまったが、既に来季の編成を巡って場外戦が数多く起きているので各チームがどのようなロスターを組み上げるか楽しみにしたい。
また、NBAに挑戦する選手もいればサトランスキーのようにNBAから来る選手もいると思うので誰が来るかも楽しみにしたい。