今回は現地10月1日開幕のイタリア1部リーグLBAの注目チームや優勝予想について。
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LBAはミラノがヨーロッパでもトップクラスの資金力を持っており。スペイン2強やトルコ2強と同等クラスの凄まじいロスターを作り上げているのが毎年ながらのこと。
しかし、他のリーグの絶対的王者と比べるとミラノはロスターの割にユーロリーグでも国内でも躓くことが多く、メンバーほどの圧倒的強者感はないのが近年の光景となっている。
昨季も優勝こそすれど決勝は最終戦まで縺れており、予算に見合った強さと思えない現状が続いている。
ここ数シーズンでボローニャがビッグクラブの仲間入りを果たしており、ミラノ対抗馬の一番手として急激に成績と資金力を挙げており、フランスにおけるモナコのような成長を見せている。
そんなLBAで今季注目するチームが以下。
ミラノ
昨季王者で予算とロスターはヨーロッパ全体でトップクラス。
冒頭でも述べた通りリーグ優勝こそしているが、RSはボローニャと勝率が同じで各ポジションにスーパースターがいるチームとしては内容が伴っていないようなシーズンが続いている。
今季も凄まじい補強が行われたのでオフの動きを見て行きたい。
まず、退団はイタリア代表経験のありビリガ、機動力抜群なビッグマンのデイビス、東京でもプレイしたトーマス、スコアリングガードのネイピアー、シュートの上手いキャバロットなど主力含む9人。
残留はシュート力抜群のバロン、攻撃的スイングマンのホール、ドイツ代表のヴォイトマン、オールラウンダーのシールズ、スコアリングもゲームメイクもハイレベルなパンゴス、オールラウンドビッグマンのメッリ、ベテランのハインズなど錚々たるメンバーが残った。
新加入はフィジカルとリムアタックが持ち味のポイスレス、ドイツ代表ガードのロー、ヨーロッパNo.1プレイヤーのミロティッチなど7人が加入。
退団した選手で言えばデイビスとネイピアーは残すと思っていたので意外だった。
デイビスの代わりにはミロティッチが入ったので問題ないが、ネイピアーとローではネイピアーの方が得点力に関しては上だろう。
ただ、ミラノは他のポジションにも得点力溢れる選手が大勢いるので得点力で困ることはなさそうであり、ローゲームメイクが主な役割になりそう。
新加入の目玉はなんと言ってもミロティッチで、バルサ時代はヨーロッパNo.1サラリーだったが、今回の移籍で1億〜7000万ユーロほどサラリーダウンしたとのこと。
バルサは昨季ミロティッチに与えていた額をエルナンゴメスに充てているゆなのでバルサ側からミロティッチよりもエルナンゴメスを選んだ可能性は高く、ミラノ的には本来の額より安くミロティッチと契約出来たのでラッキーかもしれない。
昨季もそうだったが、ミラノはビッグマンがレアルに次ぐくらいの層であり、今季もミロティッチ加入でビッグマンは凄まじい布陣になった。
唯一の対抗馬のボローニャの補強が上手くいかなかったので優勝が最低ラインのロスターと言える。
個人的注目選手はメッリ。
ビッグマンなのでポストプレイやダイブはもちろんのこと、シュートやドライブまでハイレベルなヨーロッパでも5本の指に入るビッグマン。
トランジションでの走力もビッグマンとは思えないものを持ち合わせており、ブレイクで先頭を走ってフィニッシュするのも日常の光景になっている。
今季はミロティッチが加入したことでミロティッチとメッリが同時に出場するような夢のツインタワーが見られると思うと非常に楽しみである。
トルトナ
昨季は大きく差が開いたとはいえ2強に次ぐRS3位の好成績を残した。
今オフは非常に気合の入った補強をしており、もしかして予算がかなり増えたのではと思わせるような豪華ロスターになっており、ユーロリーグチームを除いたヨーロッパ全体でも最も良い補強をしたチームの1つと思っている。
退団は得点力あるスイングマンのマキュラ、スコアリングとゲームメイクをこなせるクリストンなど合計11人が退団。
残留主力はオールラウンドビッグマンのドーム、ビッグマンのラドセヴィッチなど。
新加入はシュート力と身体能力抜群のウィームス、以下リンク記事で島根加入を予想したトーマス、ベルギー代表ガードのオバソハン、スコアリングガードのダウなど12人。
マキュラも残せたら良かったが、マキュラ以外のポジションは全て強化されたと言える補強ぶりで、これほどの豪華メンバーを一気に獲得したのは凄すぎる。
スタメンは特に強力になると思われ、誰がトップスコアラーになるのか想像出来ない。
昨季も好成績を残していたチームのロスターがこれだけアップグレードしたのでプレイオフでも2強を追い詰めるようなサプライズを期待したい。
個人的注目選手はドーム。
オフェンス力抜群のビッグマンで、シュート、ドライブ、オフボールでの合わせ、トランジションなど得点パターン豊富で全てが高水準。
的を絞れないであろうトルトナのオフェンスの中でスペーシングの出来るドームはスラッシングの得意なオバソハンやリムアタックの得意なトーマスと抜群の相性と思われる。
平均得点は昨季より下がるかもしれないが、タレントだらけのチームでも目立たなくなることはないはず
トレヴィーゾ
昨季勝率5割未満でRS12位と下位チームだったが、今オフはプレイオフ進出に本気を伺わせる補強を見せた。
退団はスコアリングガードのバンクス、リバウンダーのエリス、ナイジェリア代表ガードのアイロブーなど10人。
残留はシュート力抜群のザネッリなど。
新加入は圧倒的得点力を持つガードのハリソン、シュートが上手いフォワードのアレン、フィジカル抜群なスイングマンのヤング、スコアリングガードのブッカー、コンボガードのバウマンなど8人。
ハリソンはセルフィッシュな部分や精神面で諸刃の剣的要素もあるかもしれないが、他の選手も優秀な選手が多いのでバックコートは充実している。
フロントコートはアレン以外有力選手がおらず、ビッグマンに関してはかなり層が薄いのが気掛かり。
それでも昨季より成績が上がりそうなロスターで、上手くいけばプレイオフも狙えるかもしれない。
個人的注目選手は新加入のヤング。
フィジカルが非常に強く、得点力も高くてドライブは特に強烈。
ドライブからFTを貰うのも得意でFTが決めるのも上手い。
スティールも得意でトランジションに繋げて自らフィニッシュするのも得点パターン。
フィジカルを活かしてアンダーサイズながらリバウンドも取れる。
数年前から日本で見たいと思っている選手の1人で、バックコートに得点力高い選手が集まった今季のトレヴィーゾでどれだけ得点を伸ばすか注目したい。
ヴェネツィア
昨季ユーロカップではロスターの割に期待以下の結果だったが、国内ではRS5位でプレイオフに出場した。
退団は万能ガードのグレンジャー、エフェスに栄転したウィリス、イタリア代表ガードのスピッス、スコアリングビッグマンのワット、シューターのバラモス、スコアリングガードのフリーマンなど有力選手を多く含む11人。
残留はフォワードのブルックスが有力選手で唯一の残留となった。
新加入はオーストラリアで大活躍したガードのブラウン、以下リンク記事で三河加入を予想したこともあるオールラウンドフォワードのシムズ、中でも外でも得点出来るビッグマンのウィルチャー、以下リンク記事で川崎加入を予想したスイングマンのタッカー、ブラジル代表ビッグマンのカボクロなど8人。
退団した選手も有力選手だらけだが新加入選手も凄まじい選手だらけで全体で見れば新加入組の方がバランスもタレントも上と感じる。
ブラウンが下がった時間帯が心配なのでスピッスだけは残せたらもっと良かったが、フロントコートは脅威の布陣になった。
カボクロだけシーズン直前の移籍も示唆されているのは心配だが、各ポジションにユーロリーグでプレイしてもおかしくないような選手がいるのは楽しみである。
個人的注目選手は新加入のタッカー。
上記リンク記事でも述べた通り身体能力と得点力抜群のスイングマンでトランジションとドライブは特に強力。
ハイペースなオーストラリアではプレイスタイルとマッチして持ち味を最大限に発揮していたが、スローペースが多いヨーロッパでも緩急を付ける意味で活躍すると信じている。
イタリアでもオーストラリアと同じように活躍したら来季はユーロリーグに行ってしまいそうな気もするが、是非とも日本に来て欲しい。
ボローニャ
昨季の準優勝チームでRSではミラノと勝率が同じだった。
ここ数年で資金力の増加があり、チームの地位を一気に上昇させて今ではイタリア2強と言っていいビッグクラブになった。
とはいえ、ユーロリーグチームの中では資金力下位なので有力選手を多く持っていかれるオフになった。
退団はアシストマスターとも言われるテオドシッチ、ユーロカップ時代から長く主力を務めたフォワードのウィームス、ポストゲーマーのジャイテ、ロールマンのバコ、フィジカル抜群なフォワードのオジェレイ、攻守ともにハイレベルなミッキーなど7人。
残留は元イタリア代表のハケット、ジョージア代表のシェンゲリア、フランス代表のコーディニアー、NBAでも活躍したシューターのベリネリなど。
新加入はオフボールビッグマンのケイコック、ABA準優勝に貢献したスコアラーのドブリッチ、エフェスで長年センターを務めたベテランロールマンのダンストンなど。
個人的には退団選手と比べて新加入選手がどうしても劣るようにしか見えない。
テオドシッチ、ジャイテ、ミッキーに関しては穴が埋まってないように見え、この3人の退団は特に痛いように思える。
バコとダンストンでロールマンの入れ替えは出来ているが、フィジカルではダンストンが圧倒的だが年齢や機動力、ペリメーターディフェンスやサイズを考えるとバコの方に軍配が上がる気がしてならないので戦力比ではダウンと見ている。
とはいえ、スタメンはヴェネツィアやトルトナも同等程度であったとしてもベンチまで含めた層で見るならばボローニャは未だ国内レベルではミラノに次ぐ層なのでミラノとの差は開いたかもしれないが、ミラノ対抗馬1番手なのは変わりそうもない。
ただ、ここ数年で一気に戦力増強を続けて急成長を続けていたボローニャが今オフの停滞で今季も優勝を逃すようだとモナコのようなヨーロッパトップクラス入りは難しくなったかもしれない。
個人的注目選手は新加入のドブリッチ。
ツルヴェナではスコアラーとしてシュートやドライブ、オフボールでの合わせなど多彩なパターンで得点してパルチザンと最終戦まで縺れるまで引っ張った立役者の1人。
ツルヴェナではスーパースターのカンパッソやヴィルドーザに劣らない活躍ぶりだったのでもっと上位チームに移籍すると思っていたのでボローニャ加入は意外だった。
主力が一気に抜けたボローニャでドブリッチがどれだけインパクトを残すか楽しみにしたい。
以上見てきてトルトナとヴェネツィアの補強は非ユーロリーグチームと考えたらやはり素晴らしい。
それでもミラノのロスターはヨーロッパ全体でも別格なのでミラノ以外の優勝を予想をするのは少数派になってしまうだろう。
というか、あのロスターで優勝出来なければ相当にヤバいレベルなのでサプライズが起きたら面白いが、順当にミラノ優勝を予想。