今回は現地27日から始まるドイツ1部リーグBBLの注目チームや優勝予想について。


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昨季BBLはヨーロッパ主要リーグで最も驚くべき結果になったリーグと言える。


というのもユーロリーグ参戦で近年ずっと優勝を争っていた国内2強のバイエルンとベルリンが決勝に進むことはなく、RS7位だったウルムが2強とRS1位かつBCL優勝のボンを倒して優勝という快挙を成し遂げたからである。


冒頭リンク記事でウルムを個人的注目チームに挙げていたとはいえ、優勝するとは微塵も思っていなかったので本当に驚きと近年にない面白さを与えてくれた。


そんな近年最高の盛り上がりを見せたBBLであるが、準優勝のボンはスタメン全員がいなくなるなどヨーロッパでは毎年の解体は当たり前に近いとはいえ、強豪でも容赦なくチームが変わってしまうのはオフも気が抜けない部分である。


2強ですら他のユーロリーグチームからは草刈り場と化すくらいなので資金力が国内では高いとはいえ、圧倒的というほどでもないので今季は2強ですら補強が上手くいかなかったと見ている。


今年の結果によってはフランスでアスベル覇権が終了したようにBBL2強体制が崩れかねないターニングポイントになりそうなシーズンである。


そんな今季のBBLで個人的に注目するチームは以下である。



ベルリン


ドイツ2強の一角で昨季はウルムにスイープ負けを食らってまさかのプレイオフ1回戦負けという大失態を見せてしまった。


ロスターを考えたら有り得ない成績であり、怒りの大補強を期待していたが、資金力がかなり苦しいと推察される補強に留まった。


退団は抜群のIQとパスセンスを持つビッグマンのシクマ、ドイツ代表スコアリングガードのロー、攻撃的ガードのブラット、オフボールビッグマンのラマーズなど主力含む7人。


残留はニュージーランド代表ビッグマンのウェッツェル、ドイツ代表ポストゲーマーのティエマン、イタリアのプロスペクトスイングマンのプロチーダなど7人、


新加入はオールラウンドスイングマンのビーン、シューターのトーマス、スロベニア代表若手ガードのサマー、イタリア若手ホープのスパグノロ、220オーバーのクマデなど有力選手含む8人。


退団したシクマ、ロー、ラマーズの3人は長年ベルリンで主力としてプレイしていた選手で、この3人の移籍には驚かされ。


戦力的にも国内ではもちろんのこと、ユーロリーグレベルでもシクマとローはスター選手クラスの実力者なので退団は大ダメージと見ている。


そのスター選手の代わりにサマーリーグに参加した選手や若手ばかりを獲得していることからも予算も昨季から大きく増えているわけではなさそうなのが窺える。


ただ、スパグノロとサマーとプロチーダはライジングスターでこれからスーパースターになるポテンシャルを持っており、価値が高まる前に確保出来たのはラッキーだったかもしれない。


数年以内に引き抜かれる可能性が高いが、バックコートは国内で最高の布陣と言える。


一方でフロントコートはシクマとラマーズの穴埋めが出来ているとは思えず、全くタイプの違うクマデがどう機能するか楽しみである。


国内では圧倒的な選手層なのは変わらないので優勝候補なのも変わらない。


個人的注目選手は新加入のビーン。


日本で見たかった選手の1人で、新外国人選手の予想をする際に数チームで上位候補選手だったスイングマン。


ドライブもシュートも高水準で、トランジションの展開も得意とするオールラウンダー。


トップスコアラーだったスミスやローがいなくなったベルリンで上位スコアラーになると見ている。



バイエルン


ドイツ2強のもう1チームで昨季はウルムにSFで敗れた。


タレントで言えば近年ずっとベルリンすら上回っていたが、何故かプレイオフではベルリンと相性が悪かったチーム。


昨季はベルリンでなくウルムに負けてしまったので補強を期待していたが、オフェンス重視の補強となった。


退団は元ドイツ代表フォワードのジプサー、スコアリングガードのワルデン、シュート力のあるヤラマズ、途中加入でインサイドを支えたチータムなど主力含む7人。


残留はスコアリングガードのバッブ、フィジカルの強いビッグマンのギルスピー、ドイツ代表シューターのオブスト、ドイツ代表フォワードのボンガ、日本でもプレイしたハリス、セルビア代表経験のあるフォワードのルチッチなど8人。


新加入はスコアリングガードのエドワーズ、フランス代表で超攻撃的ガードのフランシスコ、ロールマンのブッカー、元NBAでスペイン代表経験もあるイバカなど有力選手含む8人。


ベルリンと比べて入れ替わった選手は新加入組の方がタレント力ある選手に感じるが、オフェンスに寄せた印象。


特にガード陣は攻撃力が高い選手が集まっていて破壊力は高そう。


オブストは国内でもユーロリーグでもユーロバスケットでも凄まじい活躍だったので他のユーロリーグチームに引き抜かれると思っていたが、意外にも残留であり、ワールドカップでの活躍を見てオファーすれば良かったと思っているチームは多いかもしれない。


ビッグマンのバランスが少し悪いように見えるのが心配だが、やはり国内では圧巻のロスターになっているので優勝候補から外れることはないはず。


個人的注目選手はイバカと迷ったがブッカー。


ヒムキ時代は凄かったが、ここ数年で衰えが見えてきた印象なのでもしかしたら日本に来る可能性もあると思っていたが、流石にまだユーロリーグチームからも需要があったようだ。


衰えたとはいえフィジカルと身体能力はまだ特徴的でオフボールでの合わせやトランジションでのフィニッシュを得意とするビッグマン。


ボンガも走力のある選手なので同時出場する時はブレイクやトランジションから多く得点する展開が見られるかもしれない。



ウルム


昨季優勝チームでRS7位から2強とBCL優勝チームを倒した大快挙チーム。


昨季はチーム全体で3PA2PAより多いという思い切った戦い方でシュートを決め続けることで優勝するなど戦術面でも目を見張るものがあった。


退団はブラジル代表ビッグマンのカボクロ、ブラジル代表ガードのヤゴ、機動力抜群なフォワードのホーリーなど主力含む9人。


残留はプレイオフで大活躍したスイングマンのヤロー、シュート力抜群のクレペイズ、など10人、


新加入はシューターのマティアス、フィジカル抜群なビッグマンのウィリアムスなど主力8人。


戦術の根幹だけでなく得点力とゲームメイクでも大貢献していたヤゴとチームのスペーシングによりインサイドを荒らしていたカボクロの優勝の立役者だったブラジルコンビがいなくなったのは痛い。


新加入選手も2人に比べたら実力で劣るが、ウルムの資金力を考えたら仕方ないかもしれない。


ただ、ヤローやクレペイズが残ったのでプレイオフ戦線には残れる気がする。


個人的注目選手はヤロー。


昨季プレイオフではドライブやシュート、トランジションなど獅子奮迅の活躍で他のチームから絶対に引き抜かれると思っていた選手。


日本でのプレイも密かに期待していたが、また今季もエナジー全開のプレイがドイツで見られることを楽しみにしたい。



ボン


昨季RS1位でリーグ準優勝、BCL王者の好成績を残したチーム。


退団はオフボールビッグマンのクラッツァー、シュートの上手いハレーラ、オールラウンダーのモーガン、リーグ屈指のスコアラーでスラッシャーのショーツ、オールラウンドフォワードのディレイニーなど主力を多数含む昨季メンバー全員が退団。


新加入は北海道の新外国人選手に予想したストレッチビッグマンのセングフェルダーなど13人。


ヨーロッパでは解体自体は珍しい光景ではないが、全員が入れ替えというのは流石に驚いた。


しかも主力がいなくなったのでサラリー的にも新しい選手にそれなりに金額を割けるはずが有力選手はセングフェルダーくらいでロスターの戦力的には大幅ダウンと感じる。


もしかしたら昨季のメンバーもサラリー的には大したものではなくコスパの良いメンバーで成績を出せたので全員引き抜かれたのかもしれない。


プレイオフも難しいのではと感じるメンバーがどうなるかという意味で楽しみなチーム。


個人的注目選手はセングフェルダー。


詳しくはこちらの記事で述べた通りでシュートが上手く、得点力も高いビッグマン。


北海道でなくても日本で見たかったが、今季のボンでならスコアリーダーになる可能性も高いと思うので得点力が発揮されることを期待したい。



以上見てきたが、やはりバイエルンとベルリンのメンバーを見ると昨季のウルムがいかに凄いことをやってのけたか分かる。


ベルリンなんか明らかにロスターがランクダウンしているように見えるが、それでも国内では圧倒的な選手層なので2度同じことが起きるとは思えない。


優勝予想はベルリン。


エース格がゴッソリ抜けたが、若い有望選手が多いのと好きな選手であるビーンが入ったことやバイエルンとの相性が良いことなどでバイエルンよりベルリンと感じた。


昨季リーグで影響力のあったシクマやロー、ヤゴやカボクロ、ショーツなどは全員いなくなってしまったので新しくリーグでインパクトを残す選手の出現にも期待したい。