アルカトリップNo.1 -5ページ目

星の明り、街の灯り、2005-2-13

ロスモチスからラパスへのフェリー(13日0時発)に乗り込む。

このフェリー、夕飯付きらしく、この日1日ほとんど食べていなかったのでこりゃ幸い!と食べようとしたのだが、この2、3日の疲れが一気に襲って来て、食欲一切なし。無理にでも食べようとしたのだが、全く喉を通らない。
しょうがないので、テキーラ飲んでさっさと寝る事に。

しかしどうにも疲れで眠れない。それでもうつらうつらと3時間程寝たら、若干体力が戻っていた。

なんとなく目が冴えていたので、甲板で散歩でもしようと外へ出てみる。

外は真っ暗。だがどこかほんのりと明るい。星が瞬いているからだろか。
空を見上げると、一面に広がる星空。
全てが星。
ぼーっと、ゆっくりと西の地平線へと視線を下げていくと、遥か彼方にはラパスの灯火が赤く輝いている。
甲板にいるのは俺一人。


軽い目眩と浮遊感。

星の明りと町の灯り。

渦を巻いて一体となる光。

今見ているのがどっちの光なのか。

今いるのはどこなのか。

もはやそんなことはどうでもよく、

確実なのはラパスに向かっているということ。

それで十分だった。


2/12 色々と不安。
はたして生きてラパスへ行けるのか

行こう、ラパスへ

2/13 フェリー
遥か西にはラパスの灯が
天を見上げると満点の星空

チケットが無い町その2、2005-2-12

(続き)……窓口にいたおっちゃんにしつこく食い下がる。

色々と昨日調べておいたスペイン語で聞いてみるが、

んなの話せても答えを聞き取れなかったら意味ねえし!

かろうじて聞き取れたのは、

?車がどうのこうの

?席がもうない

?明日なかったら明後日

‥‥さあ、どうしよう。どうしてもラパスに行かなきゃいけない。
ただ行くだけでなく14日までに着かなければ。いや、最悪15までには…

さあどうする?どうすればいい?ラパスにいかなきゃ、いや14日までに着かなきゃいけない。

もう必死。頭の中には「14日か15日までにラパスに着かなきゃいけない!」というので一杯。
それを伝えたいのに。
でもなんて言ったらいいのか解らない。
でも伝えられなかったらラパスにいく事は出来ないかもしれない。

どうする?

どうするんだ?

そんな焦燥感が頂点にまで達した時、口から自然と言葉が出てきた。

「チTengo que llegar en la Paz hasta 14 o 15!
チMi amigo esta en la Paz! De Japon!
Una cita alli! Tengo que……!」


もちろんつっかえつっかえの片言(日本語にしたら「ワ‥ワ‥ワターシハ、14カ15マデニ、ラパ-スデ 着く‥着け…着かな、着かなけれバ ナリマセーン!」みたいな)だったのだが、事前に調べたとか、会話帳をみながらとかではなく、思いもがけず勝手に出てきた感じで、一瞬自分でも何をいったのか解らなかった。

しかしどうやらそれが通じたらしい。

しかも「日本の友人とラパスで待ち合わせをしている」ということも。

なにやら同僚を呼んで話し始め(笑い声あり)、笑顔で「友達と?ラパスで?……あ~~はいはい、成る程ね、、そっかそっか……OKOK」みたいな事を言われ(実際聞き取れたのは最初の「Tu amigo? En la Paz?」と最後の「esta bien」だけだったが)、隣にあるまた別のフェリー会社にいくように言われる。
どうやらそこはマサトランからさらに北にある、ロスモチスからのチケットを扱っているらしく、そこまでのバスも一緒に手配できるらしい。そこならチケットはあるから大丈夫だ、と(相変わらずの笑顔で)言うおっちゃん。
最後は「Buen viaje!!」と皆が送ってくれた。

……まあ、「ラパスで待ち合わせ」ってだけでそんなにも必死になってる日本人がいたら、、ああ、馬鹿ですとも

さっそくそのフェリー会社に行くと、あっさりチケットは取れて(少々の問題はあったが)バス乗り場を目指す。以下その時に書いたやつ。

2/12
やっぱりチケットがない!
のできゅうきょロスモチスへ!バスで!!
そっからトポロバンポ行って
ラパスへ。
夜10時発で朝着

なんだこれは!?
楽しすぎるぞ!
なんだかすごい

ハイ!!

High!!

Hello mexico!!


かなりおかしくなってます。

チケットが無い町、2005-2-12

そして翌朝八時。
フェリーのチケット売り場にはちらほらと人が。

暫く並んでいたが、15分を過ぎても売り場が開く気配はなし。
メヒコだしこんなもんだろ、と気に止めないようするものの、空はどんよりと曇っているし、なんとも空気が重い。

半を回った頃にようやく職員がやって来た。
やれやれ。まあ30分ぐらいは遅れたうちには入らないし美人だし、とにもかくにもこれでラパスに行ける。
と少し安堵してまた暫く待つ。

10分程並んでいると、中からさっき来たお姉さんが出てくる。
お、やっと買えるのか。
と思いったのも束の間、お姉さんがスペイン語でなにやら話しはじめる。

………ちょっとざわつく周囲のメキシコ人達。
またその職員もなんとも申し訳なさそうな顔をして話している。

何喋っているのかは解らないが、この雰囲気は赤ん坊でも解る。それは
朝から並んでた所申し訳ないけどもうフェリーに乗れないの、ごめんなさいね。
というそれ。

隣にいたおっさんに、まさかそんなことはあるまい…!という願いを込めて「私達は今日ラパスへ行けますか?」と恐る恐る聞いてみる。

おっさんは首を振って一言。
「……No」

訳すとつまり

「 ム ・ リ ?」


2/12チケット売り場
朝から並ぶ。
たぶん行けるはず
さてどうなることやら

……チケットないってさ
また明日来いって
んなの明日もあるかわからない


何故か途中からピンクの蛍光ペンで書かれている(笑
しかしどうしてもラパスへ行かなければならないので、窓口へと向かい…(続く)

海が見える町その2、2005-2-11

マサトランの旧市街までひたすら海岸ぞいを歩いたが、さすがに疲れていたので適当な所で宿をとる。

この町ですべき事は、ラパスへのフェリーのチケットをとること。

シャワーをあびたり食事をしたりで一休みした後、お昼ぐらいにフェリー乗り場へと向かう。
実はシティでフェリー会社のサイトを覗いてみたのだが、いかんせん言語がスペイン語。
翻訳サイトを使ってみたものの、その仕組みをよく理解していないためまったく翻訳してくれず、めんどくさくなってきたし「なんとかなるだろ」と思い、途中で諦めてここまで来た訳なのだが。

件のフェリー会社のチケット売り場にいって「明日ラパスに行きたい」と言ったところ、別のフェリー会社に行くように言われる。
なんとはなしに不安が過るが、今すぐ行かなければいけない訳じゃなし大丈夫だろ、と指定されたすぐ隣のフェリー会社へ。
そこでチケットをとろうとしたら、なにやらスペイン語で一気に捲し立てられる。
もちろんさっぱり解らない。
え?え?と何度か聞き返し、向こうもゆっくり喋ってくれるのだが、どんなにゆっくり喋ってくれたところで解らない物は解らない。英語が通じるかも!という願いは、首を傾げ肩をすくめられてあっさり打ち砕かれる。
しかしなんとかして理解しないとどうにもならないので、必死になって知りうる限りのスペイン語を駆使。
その結果(朧げながらに)解った事は。

「フェリーが出るのは2時半」

「今日のチケットはもうない」

「明日の8時に並べばとれる」

「予約は出来ない」

以上の事から頭に導き出された答えは。

2/11
今日のフェリーのチケットないってさ
明日のはまた明日来いって
よーするに、なんとかなるってことか。


なんというか……もうちょっとこう…

焦ったりとかそういうのないのか?

と自分に尋ねたくもなくはないのだが。
のほほんとバーボン飲んでテキーラ飲んでビール飲んでご機嫌だったなあ。

うむ、馬鹿ですとも

海が見える町,2005-2-11

あれほどテンパッてたバスも特に何事もなくマサトランに到着。

2/11 マサトラン着

バスターミナルを出て、まずは一言。

「?Donde edta la playa?」

ビーチはどこ?

ビーチ ビーチ ビーチ

Hello pacific ocean



……どうやら、疲れと、海が見えたことで少々おかしな事に(笑

バスを降りて、そとにいたねーちゃんに「ビーチはどこ?」と(あらかじめ調べておいたスペイン語で)尋ね、「ビーチ?あっち」と何解りきった事を聞いてくるんだこいつはとばかりに、指差すねーちゃん。
「すぐ近くだよ」的なことを言われ(たんだと思う)指差された方へと歩いていくと、すぐに海のあの独特の香りが。

あ、と思ったら道路を挟んで一面の海。
激しい波。

大声で叫んで走りだしたいような、ただ呆然と眺めていたいような。

とりあえず日記帳に上記のように書いていた。
ミミズがのたくった様な字で(笑