国立劇場建替えへ　伝統芸能の伝承者育成を強化し国内外に発信

今年最後の演目は、徳川時代の真田兄弟の悲劇を描いた「近江源治先陣館」と

チャップリン生誕130年記念「街の灯」を歌舞伎化した「蝙蝠の安さん」

https://www.ntj.jac.go.jp/kabuki/2019/kabuki_12.html　

「日々勉強！結果に責任！」「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする参議院議員赤池まさあき(比例代表全国区)です。我が国の伝統精神である「智勇仁」の三徳に基づき、「文武経」の政策を国家国民のために全身全霊で実現します。

　国立劇場は、ユネスコ世界無形遺産に登録されている歌舞伎や文楽、また雅楽や落語等の我が国の伝統芸能の実演や伝承者育成を行っています。皇居の西側、半蔵門の前、最高裁に隣接しており、昭和41(1966)年建設以来50年以上が経ち、老朽化が目立ち、建替えの時期となっています。関係者にとっては、東京2020オリ・パラ競技大会に合わせて、建替えを行いたかったとのことですが、国立アイヌ民族博物館(ウポポイ・民族共生象徴空間)が、北海道白老町に先行整備されることになったために、後回しになってしまっていました。

　https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html　

　そこで、今回、関係省庁のプロジェクト・チーム(PT)が中間報告をまとめ、今後の国立劇場の再整備の方向性を公表しました。

　それによると、伝統芸能の実演発表と伝承者育成という従来からの機能を強化し、さらに、外国人観光客が増加する中で、新たに文化観光拠点としての機能を付加し、皇居に隣接し、都市計画上霞が関団地の地区内という高さ規制や景観への規制がある中で、民間活力を導入することを目指しています。

　歌舞伎や文楽、能楽等の伝承者、研修生の募集が苦戦する中で、国立劇場の建替えを契機に人材育成機能を強化することは大変重要だと思います。そして、文化庁の予算が毎年1千億円程度と限られている中で、国際旅客観光税(出国税)財源を追加されているとはいえ、今回の国立劇場の再整備によって、民間の知恵を活用して、収益を得て、芸術文化支援に配分できるようになれればと思っています。できれば、国立劇場創設60周年は令和7(2026)年なのですが、前年の大阪万博2025までに竣工することが理想ではないかと思います。

　引続き政治の立場から支援していきたいと思っています。

●国立劇場の再整備は

国立劇場

　12月10日(火)、関係省庁で構成された国立劇場再整備に関するプロジェクトチームは、「国立劇場の再整備の方向性について（中間報告）」をまとめ、公表しました。

　https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kondankaito/kokuritsugekijo_saiseibi/

　中間報告の概要は以下です。

1．国立劇場の現状

2．再整備にあたっての機能強化の観点

(1) 伝統芸能の伝承と創造

(2) 文化観光拠点としての機能強化

(3) 周辺地域との調和等

3．再整備の方向性

4．再整備スケジュール

国立劇場は、文化庁所管、独立行政法人文化芸術振興会が管理しており、歌舞伎、文楽、雅楽など多様な伝統芸能を公開しています。敷地は、31,269㎡（9,500坪）、主要施設は、本館（大劇場1610席・小劇場590席、26,567㎡、S41建設）、演芸場（2,516㎡、S54建設300席）、伝統芸能情報館、事務棟、分室(養成研修室)があります。開場から53年が経過した中で、我が国の誇る伝統芸能の伝承と創造を行うとともに、外国人観光客の受入を含む文化観光拠点の機能強化、安全性とサービスの向上の両面から抜本的な改善、建替えが急務となっています。

上野通子文部科学副大臣のもとで、関係省庁（文科省、文化庁、内閣官房、国土交通省、日本芸術振興会）によるプロジェクトチーム(ＰＴ)が発足し、国立劇場の機能強化にあたり、観光・まちづくりなどとの連携を深める観点から検討し、以下の3点の重要性を指摘しています。

●(1) 伝統芸能の伝承と創造

芸能の伝承に必要な舞台環境を充実するとともに、新たな演出や、公的式典との併用など多くの用途に対応するための技術を取り入れた劇場とすること。伝統芸能の伝承者等の幅広い舞台芸術人材を養成する研修機能を充実すること。

現在、歌舞伎や文楽、能楽等の研修生を募集中ですが、なかなか集まっていません。ぜひ人材育成機能の強化はまったなしです。

●(2) 文化観光拠点としての機能強化

皇居外苑、三の丸尚蔵館等の近隣の文化施設とともに、都心における外国人観光客を受入に貢献する機能を高めること。体験型展示や普及・発信機能を充実すること。

劇場見学専用動線や短時間の観劇体験ができるミニステージ等を整備し、皇居周辺見学における学校団体の需要や、外国人観光客の需要を取り込み、「敷居が高い」と思われがちな伝統芸能の世界に気軽に触れ、親しんでもらうきっかけを醸成。カフェやレストラン、ショップの整備を行い、現在、開演時に限定して運営されているので、再整備後、観劇客だけでなく展示施設等への来場者がいつ来ても利用できるようにすること。

いつでも訪問できて、伝統芸能を堪能できることは重要だと思います。

●(3) 周辺地域との調和等

　皇居に隣接しているという景観や、公的行事にも使用され、伝統芸能の拠点という劇場へのアプローチ、「東京都市計画一団地(霞が関団地)の官公庁施設」地区内に立地しているという周辺環境に配慮し、建物の高さ規制があり、緑豊かな環境と調和した施設とすること。

再整備にあたっては、高水準のユニバ―サルデザイン(障害者や高齢者、外国人等にとって優しい施設整備)を導入し、伝統文化の発信拠点に相応しいデザインの施設とすること。

以上の観点から建替えが適切。また、文化観光拠点といった新たな機能を十分に持つには、「国立」の劇場であることを前提としつつ、民間事業者からの提案やノウハウに基づく要素を取り入れることを検討すること。

休館期間は、技芸や技術等を途切れなく伝承するため可能な限り短くすること。また、竣工時期については、国立劇場でこれまでも行われてきた公的式典において新劇場がその役割を果たすことを目途とするとともに、著しい老朽化に早急に対応できるよう計画すること。

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●赤池ブログから

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