海事団体で挨拶(神戸銀行倶楽部で)

 

 新年度4月1日(月)に入り、新元号「令和」が公表され、御代替わりに向け、御祝いの声が広がっています。

 

 私は、神戸に入り、海事団体へ国政報告と地方選挙のお願いを致します。

 

●海離れから海洋教育の充実へ

 

 我が国は海洋立国にもかかわらず、海離れが顕著となってきでおり、海洋教育の推進が急務です。

 

 平成28年私は官民の関係者を集め「海洋教育推進プロジェクト」を設立しました。その年の7月「海の日」に、安倍総理から「205年までに、全ての市町村で海洋教育が実践されることを目指」すと宣言して頂きました。

 

●学習指導要領が改訂

 

 そして、一昨年3月文部科学大臣が告示する学校の教育内容を規定する学習指導要領に、海洋関係の記載が充実しました。

 小学校社会科5年生において、「海洋に囲まれ多数の島からなる国土の構成」が初めて記載され、そして「貿易や運輸は、原材料の確保や製品の販売などにおいて、工業生産を支える重要な役割を果たしていることを理解すること」となりました。

 

 文科省では同要領の解説書を作成して、教科書作成を支援しています。同要領の解説として、「輸送に着目するとは・・・貨物船やカーフェリーなどのよる海上輸送」「交通網の広がりに注目するとは・・・航路・・海運・・運輸業や倉庫など物流に関わる人々の働きや港湾・・・」「地域の実情に応じて、自動車や造船」と産業名が列挙されたのです。

 

●検定教科書が公表

 

 それを受けて、各出版会社が教科書を作成して、昨年度文科省の検定を受け、それが去る3月26日に公表されました。

 小学校社会科の5年生の教科書を発行している全3社すべてに、工業製品に関連した貿易と運輸の章立ての中に、海運が初記載されました。

 

 東京書籍では、「くらしを支える造船業」として、国内外の海運の比率グラフを掲載し、「造船所で働く人の話」を掲載。「自動車を運ぶ船」や「横浜港に入港する船」「東京港に入るコンテナ船」「フェリーによる輸送」「原油を運ぶタンカー」の写真が活用されて、説明されています。

 

 教育出版では、「自動車運搬の船長の話」が紹介されています。「原油タンクとタンカー」「コンテナ船と名古屋港」の写真、「原油タンカーの航路」地図、貿易の流れを整理する図には、船の重要性が分かるようになっています。

 

 日本文教出版では、国外輸送は「船が99.6%」、国内は「船が444.1%」とのグラフが掲載され、「神戸港」「タンカー」「コンテナ船」の写真が活用され、説明されています。

 

 この教科書は今年各地の教育委員会で採択され、来年四月から学校で使用されます。今後、教師の指導方法への支援が課題となってくると思います。

 

 引続き海洋教育の充実、海事振興に全力を尽くす所存です。