お盆を過ぎると関東地方では、原っぱなどでオレンジ色っぽいトンボが群れるようになります。

ウスバキトンボです♬
漢字で書くと『薄羽黄蜻蛉』
翅が薄くて黄褐色のトンボ。

今まで飛んでいる姿しか見たことがありませんでした。(日中はほとんど飛んでいます)
飛んでいる時、胸が白っぽく見えます。

静止している姿を、多分…初めて見ることができました😅


オス


赤とんぼ(アカネ属)のようですが、ウスバキトンボ属に分類されるトンボです。


ネットで調べてみると、全世界の熱帯・温帯域に分布しています。

分布図を見ると生息範囲はむちゃくちゃ広いです❣️


生息範囲で分かるように南のトンボなので寒いのが苦手です。



ウスバキトンボは中国大陸や南の島から飛んできます。

『渡り』をすることで知られています。


胸の部分は他のトンボのように筋肉質ではなく、何となくスカスカという感じで脆い⬇️

翅は薄く、体のわりに大きく、あまり羽ばたくことなくグライダーのように飛ぶことができます。

体を軽量化することで優れた飛行能力を持っているようです。



5月頃に日本にやって来て、北上していきます。

彼らは1年で4〜5回発生し、夏なら1ヶ月ほどで成虫に成長するそうです。

その上、産卵数が非常に多い。

蔵卵数は3万弱、成虫のメスは1日840個の成熟卵を生産するので、一夏で数を急増させることができるそうです。


世代交代を繰り返し、数を大きく増やしながらながら日本を北上していく。

8〜9月には、日本各地で大群が飛び回る姿が見られます。

お盆の頃に数多く観察されることから、『精霊トンボ』とか『盆トンボ』とも呼ばれ、先祖の使い(先祖の生まれ変わり、先祖を乗せて来るなど)として捕獲しないよう言い伝える地方もあるそうです。


数は少ないみたいですが、最後は北海道、カムチャッカまで北上。



ところが寒さに弱く、気温が下がると急に姿を消してしまう。

水温が4度以下になるとヤゴは死んでしまい、休眠して冬を越すこともできない。

南下は観察されていないので、寒くなると死滅してしまうと言われています。

(黒潮に乗ってやって来る死滅回遊魚みたい)



はるばる南から日本に渡って来て、旺盛な繁殖力で数を増やすものの、日本で生まれた子孫は冬までには死に絶えてしまう…

それなのに何故渡って来るのでしょうか?



ほんの少し耐寒性を身につけられれば、温暖化も相まって日本でも冬越しできるようになるかも知れませんね!


でも…

ヤゴはミジンコやボウフラなどを捕食、成虫は蚊などの小昆虫を捕食。成虫は1日で体重の14%のエサを捕食(小昆虫に換算すると185匹)するそうです。

(どうやって調べたのだろう😅)


日本で越冬繁殖するようになると爆発的に数が増えて生態系に影響が出てくるのでしょうか?

うーん…