恋愛小説家 -34ページ目

グバイ。

一年半ぐらい前から書きかけていた文章がありました。


捨てました。


何を書いていたのか、あらすじのようなものは覚えていますが

詳細までは、はっきり思い出しません。

とにかく要らないと思ったから、捨てました。


もう自分で読み返すことはないでしょう。

もう続きを書くこともないでしょう。

だから開かずに削除、完全に抹消。


ああ、すっきりした。


グバイ、駄文。

グバイ、夕暮れ。

グバイ、8月。


恋愛小説家

 
新しいトースターの横に、焼く時間の目安が載っています。

「トースト 2~3.5分」とあったので、

レーズン食パンを2枚並べて2分にセット。

かなりけたたましく「チン!」と鳴るのですが、

それ以前に香ばしく・・・いや、ちょっと焦げ臭いような気がしたのです。


そして2分が経過。


とっておきのレーズン食パン、すでにキツネ色とは言えない黒さでした。

3.5分焼いたら、炭になっているだろうなぁと思います。

機械の表示にはだまされないぞ。


炊飯器の水分量もしかり、

私好みの加減は、経験によって見出されるのです。


ミンミンの年

おはよう。

こちらは今日も朝から、ミンミンゼミが絶好調です。


「このところアブラゼミばっかりで、ミンミンいわないね」と

ここ数年、夏が来ると気になっていたのですが、

でもよく考えると蝉の一生は地中にいる時期が長いので

もしも今年、ミンミンゼミがやたら多いならば

7年ぐらい後も同じように、やたらミンミンいう夏が来るという訳ですね。


さらに言うなら、その数年前に

私は再び「このごろミンミンいわないなぁ」とぼやくのでしょう。


今年の7年先に、また町中が騒々しくミンミンいうのだと思うと

無意識に、掛け算7の段が口から出てきました。

一生のうちに、あと何度ミンミンの年が迎えられるのか、考えたからです。

その頃私たちは何をしているかな?とも。


ひとまず次のミンミンの年が来たら、

一人でいても、ふたりでいても、何人でいても

私は、「今の私たち」のことを思い出したいと思います。


ちっともロマンチックでなかったのに

なんとも言えない幸福に満たされていた一日や

(世間ではそれを「日常」というのでしょうか?)

ひとたび人ごみの中に入れば、「ありふれた光景」にまぎれてしまう

私たちの小さなチームのことを、思い出したいと思います。

指折り

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秋がくるけど飽きはこない。
指折り数えるカレンダー、私も秋に生まれました。

朝顔の鉢を置く場所に悩み
玄関、庭先、ベランダとさまよった結果
昼間は玄関、夜はベランダがいいと判明。

夜通し明るい場所にあった朝顔は
日が暮れたことや朝が来たことに気付けず
蕾をふくらませたまま咲けずに枯れてしまうのです。

だから、きちんと夜は夜として
闇や月光に包まれることも必要なのだと思いますし
こうして咲いた花が私たちを喜ばせるのです。

今夜も月が見えるでしょうか。
眠る前に見た、高い月。
夜の散歩に、あなたも見ましたか?

せすじ

一緒に歩いているときに、

時々あなたは私の姿勢を正す。

肩をすくめるように猫背になったカーブの鎖骨あたりを、

表と裏から、ギュッとまっすぐに戻してくれる。


ああ、また、ゴメンね。


そう言いながら私は、実はうれしくて仕方ない。

私の身体を挟んでいるその掌がとても好きで

背筋が伸びたときに入ってくる呼吸が楽で

さっきよりも高めの角度から見える世界と

あなたがとても素敵で。


そうしたほうがいいに決まってる。

そうしたほうが、すてきに決まってる。

だからまた私の背中が丸くなっていたら

何も言わず、ギュッと、まっすぐに

直してね、お願い。


くすくす

 
寝ているとき
君はときおり声を出して笑う
どんな夢を見ているの?
楽しそうでいいね

登場人物に僕もちゃんといたか
聞いてみたいけど
「嘘、笑ってないもん」と
唇をとがらせる

嘘じゃないよ
だけどまぁいいか
君のそんな一面を知っているのは
とりあえず外ならぬ
僕だけだと思うから

いろんなこと

 
着信、親友からだ。
前に会ったのはいつ?たしか寒い頃だったよね。
…なんて思いながら受ける。

「ひさしぶり~、赤ちゃん生まれたよ~」と、病院から。
ええー!?妊娠していたことすら知らなかったんですけど!

そんな具合でも、私たちは親友です。
私だって、かなりご無沙汰してるのでお互い様(笑)

何はともあれ、おめでとう。
あなたがママかぁ。


本当にいろんなことがあった。
まだ、あるのかもしれない。

琉球硝子の中に入った空気の粒みたいに
ゆらゆらと照らしだされる対になったモノゴトと
命も時間も繋がっていく不思議をぼんやり見遣る。

キャンドルとアイスコーヒーとDidoで充電。
夜に合う音楽は、運転中は不向きです。

愛おしい明日を、優しい気持ちで迎えられますように。
 
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鳩も人も

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駅に鳩がいました。
ずんぐりした置物になって、寝ているみたいに。

この駅は鳩の糞に迷惑しているらしく
至る所に刺々しい防御策をしているのですが
こうして、ただ休んでいるだけの生き物を
やさしく見守りたい気もします。

通りすがりのおばあさんが言いました。
「みんな、涼しい場所を探しているのね。
鳩は体温が高いんですってよ。」

鳩も人も、同じ夏を生きているのです。

 
たった今、短い夢をみた
白っぽい世界で
子どもたちと輪になって遊んでいる
あなたがいた

私も近寄って何か話したけれど
あなたはまたしても逆光の中で
眩しくきれいな世界を
背負っているように見えた

朝なのか夜なのか時間もわからない
ただどこまでも
霞むほど白く照らされた空間で
私はやっと気付くのです
光はあなたが放っていたのだと

充実野菜生活

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お肉もお魚も好きですが
身体が野菜を欲しております。
昨夜は生春巻とサラダとデラウェア。
素材の味、自然の味が染み渡り癒されました。

先日、野菜の無人直売所で
おまんじゅうみたいに平たい茄子が
100円で売られていたのです。
京野菜や鎌倉野菜など、作物がブランド化するなか
気になった、ぺちゃんこ茄子。

あれはもしや紫のトマトなのか、トマト型の茄子なのか。
たしか茄子とトマトは、親戚(ナス科)でしたが。

ああ、野菜が食べたい。

そんなことを思っていたら、母から南瓜を貰いました。
福島のスローライフ。スローに実った南瓜。

ステキです。

一握の砂

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歓声も囁き風音も
雨も波も涙も
無数の粒に
染み込んでいるんだろうね

足の指の間に
くっついて
ざらざらしたんだ

たからものの小さな世界は
此処から広がり続ける
そう、何処までも
ひろがると思うんだ