恋愛小説家 -25ページ目

サンタクロースがやってくる

子どもに戻ったなら、クリスマスプレゼントに何が欲しい?と問われて、二度と子どもに戻れないと知っている大人の私は真剣に悩みました。

ドレスを何枚も持っているクラスメイトが羨ましくて、何度もねがったバービー人形を、どんどん短い髪にして後悔した記憶があるけれど…。

自転車?お菓子?ぬいぐるみ?

もう私は大人だから、欲しい物が見つかりません。カメラのレンズが欲しいとか、車が欲しいとか、広い部屋が欲しいとか、それらはサンタがくれるプレゼントではなく、きっと自分自身で手に入れるべき事柄で。つまらない大人なりに、触れられる物が増えすぎたのでしょう。

ならば、子どもに戻った私のために、一つだけ願い事をしたいと思います。幼い私が生きていた時代から、何十年か先に、またあなたと出逢えるという約束をください。

サンタクロースに、届きますように。

未送信トレイ

未送信トレイに、溜まってた独り言、

書きかけのメッセージ。

一番古いのは6月だった。


「未熟」

街路樹に青い実がなっていたよ。

なんという木だろ?

“木になるもの”だけに気になるよ、

成熟するまで見てようと思います。


「無題」

私を見つめるあなたの瞳がやさしくて

それだけで涙が出てしまう。

口がどんなに悪くても、黙ってる時があっても

大事な部分はよく見えてる。

やさしいなぁ、本当に、やさしいね、

それにときどき潤んだ目をしているんだ。


「SA」

旅の途中でSAに寄るのが好きなので

トイレ休憩の必要がなくても、ぜひ寄りたいです。

「何となく楽しい」という動機だけで、目的は特になし。

でもね、空気を吸ってグーンと伸びたり、

牧場の牛乳を飲んだり、産直野菜を見たり、

うなぎパイやメロンパンや八ッ橋を買いたくなる。

我ながら、どこへ行ったんだ!?と思うけど。

「ねえ、ドライブの時に寄り道するの好き?」

母に、質問したら予想通りだったよ。

「あったりまえじゃないのー」と返事が来て、嬉しかった。

私だけ、じゃない。


「ああもう。」

-本文なし-


「無題」

忘れるまでにかかる時間を調べるために

さよならごっこをしてみたらどうか

残酷な想像をして自分で傷ついた

人の気持ちも量れたらいいのに


「メニウ」

ご飯(昆布、ごま、じゃこ、かつお)

タラ包み焼き(マイタケ、エノキ、ハム)

煮もの(ゴボウ、ニンジン、大根、じゃがいもなど?)

おつゆと付け合せはどうしよう


「好き」

だんだん

どんどん

ますます


「虫の報せ」

少し前に夢に現れたひとが

昨日と今日は続けて出た

何かあるのかもしれない

正体はわからないけど

みんなどこかでつながっている

そんな予感がする


「まっとうな私」

自分で自分のことを「まっとう」だと思っていたのに

実はそれほどまともじゃなかったのかしら


「寝息」

寝息でもいびきでも

あなたのリズムを聴いて眠るのが好き。

静かに上下するもこもこしたかたまり。

生きている、いい匂い。あったかい。至福。

いつまでも横向きになって見とれていたよ。

だから今日も睡眠不足です。

居眠りしないように頑張るっきゃない!


・・・・・

それでは、またね。

これにて未送信トレイは空っぽにします。


1997年のこと

学生気分、就職戦線、恋愛模様、

いろいろなことが中途半端だった1997年のこと。


駅前のコンビニのオーナーとは顔見知りで

(もともとは同じオーナーのビデオ屋で姉がバイトをしていた)

高校時代から社会人になるまで、足かけ何年?

レギュラーだったり掛け持ちだったり単発だったり

お正月だけだったり、レジに立たせてもらっていました。


男友達が「欲しいけど本屋に行く勇気がない」という怪しい雑誌を、

夕方の暇なシフト中にこっそり買ってあげたり

これから私の家に向かうと思われる、ちょっと苦手な親戚が

いきなり声をかけてきて冷や汗をかいたり、

お釣りを渡すときに手を握ってくる水商売のおじさんや、

ビートルズ風レトロスーツを着こなす好みなサラリーマンなど

名物客が何人もいたり・・・

このコンビニとビデオ屋という限られた場所と面子の中で

日々耳にした熱愛だったり横恋慕だったりのゴシップも

いまとなっては微笑ましく、なつかしい思い出です。


ビルの裏にある自転車置き場は、駅前の一等地で人目につかず

常にダッシュで駅に向かっていた私や当時の仲間たちにとっては

ありがたい場所でしたし、ときどき、ハンドルやカゴに

個人的な連絡物やお土産がぶら下がっていました。

特別な用事がなくても、なんとなく立ち寄るのが習慣めいていた

そんな時代、そんな青春があったのですね。

忘れていました。でも穿り返したら次々と出てくる記憶。


ある日、いつものようにコンビニを巡回していたら、

とても気になる歌がかかっていました。

それはCoccoの「強く儚い者たち」だったのですが、

寂しげで、きれい目、抒情的なのに、強烈な内容で。

その物語めいた詞の世界観がすごいと思いました。

誰のなんという曲なのかどうしても知りたくて

サビの歌詞をひかえ、帰宅してすぐ調べたのですが

そんなことをせずとも、少し待てばヒットチャートに上がってきました。


人は弱いけれど、強く、儚いもの。

私と同年代で、当時二十歳ぐらいのCoccoさんは

いったい何を悟っていたのでしょう。

久しぶりに聴いてみましたが、三十路になってもグッときます。




だけど飛魚のアーチをくぐって
宝島が見えるころ
何も失わずに
同じでいられると思う?


Cocco 「強く儚い者たち

腕時計

忘れものの腕時計を、なんとなくはめてみる。

一番小さい穴から数えて2番目ぐらいにする。

私の腕にはぶかぶかで、手首がやけに華奢に見えた。

つくづく、私は「女」だと思った。

あなたのことが恋しくなった。


買い物するときに、気づいた。

財布の中に入っているのは、預かりっぱなしのポイントカード。

裏に書かれた無造作すぎるサインを眺めた。

嬉しくて、何度も何度も眺めた。

あなたの文字にまで恋をしている。


気付けばあちこちに痕跡があるからたまらない。

そしてたぶん、ふにゃふにゃと力なく笑っている。


miso soup

恋愛小説家


クッキー、バウムクーヘン、チョコレート、

ミルフィーユ、ゴーフル、せんべい、みかん、

缶ジュース、ゴディバ、ナボナ、カステラ etc...


お歳暮の季節、出向先に連日届けられる貢物の数々。

熨斗紙をはがすワクワク感に幼少時代が偲ばれ、

絶滅しかけた日本文化を懐かしく思います。

ここにいると、おこぼれに与って着々と肥えてしまいそう。


「味噌汁にみじん切りした菜っ葉を入れるとおいしいよ」と

ダイエットに勤しむ人より助言をいただきました。

みじん切りほど細かくはありませんが、お知恵を拝借。

小松菜をざくざく刻んで少し煮てみましたよ。


粗食ですが、具だくさん。

なめこと大根、白い粒々はこうじ味噌です。


寒い日に、五臓六腑に染みわたるアツアツの汁物。

味噌汁ってこんなにおいしかったのね。

野菜っていい。ほっとする。

あこがれの団らんの味がしました。


随想 101208

一年前の今日のことを、よく覚えています。

仕事で都内のレストランの下見に行き、
その後で少し回り道をして、
外からは見えない不思議なガラスを張ったカフェで
濃いめのコーヒーとブルーチーズのケーキをいただき、
帰るころにはちょうど街のイルミネーションが見えました。

途中、フェアトレードのチョコレートを2枚買ったのは
もしも誰かに会えたなら、1枚あげたらいいと思ったから。
何の気なしに、プレーンとオレンジを選んでいました。
プレーンとオレンジならばどちらも好きだし、
誰にともなく、自分が食べてもよかったのです。

職場の窓から見上げた、夕方16時の空模様。
あの日あの時あの場所で。(小田和正ではない)
日暮れの雑踏が瞼の裏にちらついて、胸をすく。
一番星が見えました。今宵、赤いマフラーの出番です。

奇しくもジョン・レノンの30回目の命日だなんて。
忘れられない1208のことを、来年もまた、思い出してしまうのでしょう。

決意も新たに、本当の冬がやってくる。

届きました。

やればできるじゃないか、アメリカ人。


恋愛小説家


2日にオーダーしたCDが、4日に発送されたと思ったら

奇跡的に本日(7日)ポストに入っていました。

35ドルを節約して普通郵便にしたのに、史上最速。

アメリカから荷物を送ったら、早くても5、6日はかかるので

丁度日本へ発つ飛行機にスムーズに乗れたのですね。
想像以上に使えて嬉しい、Amazon.com☆


中途半端に覚醒している時の音楽には幸福感があります。

眠る前、まったりめのジャズをかけてみました。

二度寝の友に、オペラをかけてみました。

今晩はアカペラにしようかな?と思ってみたり。


とはいえ本日届いたCDの収録曲はどれも短く、

歌そのものはかなり聴き応えがあるものの

一枚を全部かけても40分足らずで終わってしまいます。

ヴィヴァルディの「四季」と、だいたい同じぐらいかもしれません。


今晩のお茶に、ちょうどよさそうです。

アカペラでキャンドルナイトを楽しみましょうかね。

たまには違う目線から

恋愛小説家


少なくとも誰であれ子ども時代があったよね

あのころ見ていた高さからは道も建物も公園も

校庭も教室もみんな広々としていたのにね

大人になった今となっては縮んで見えるから不思議


いま私の見ている世界は、ほぼ地上158センチ

それより10数センチ高いところからは何が見える?

世界はどう違うのか違わないのか

そこから見えることを教えてくれたら嬉しい


私の時間を奪っているだなんてそんなことないよ

むしろ私の方こそ引き留めちゃってごめん

だけど昨日は話がしたくてしたくて

もう少しだけ、そういう気分だったんだ


遠足の次の日

遠足が始まる前から終りを考えて寂しくなっても
遠足が楽しかったなら、同じ思いの誰かといたなら
次の日もまた楽しいと知った

竹やぶで竹の子泥棒のことを想像したり
日向のベンチで寝転がって枝に掛かるボールを見つけたり
アナログなババ抜きで真剣に手に汗握ったり

あー、楽しかった。

私はあなたのことを憶えているから
あなたは私のことを憶えていてね

時々あなたは物忘れするから
私はみんな忘れないようにするね

付き合いはじめから別れる痛みを嘆く恋より
止められない一秒ごとにもどかしさを感じるほど
生身でぶつかり合って愛していたいと思った

遠くへ行きたい

恋愛小説家


嵐が通り過ぎた、公園。


「Your order has shipped!」というメール。

Amazonは意外と仕事が早く、CDは日本に向かって動き出したようです。


それにしても、いい天気。

曇天、雨降りの地上から離陸した飛行機が

灰色の空を突き抜けて青空の下に出たときの爽快さ。


弟がいるからでしょうか、それとも旅のわくわくからなのか

私は昔から、のりものが好きです。

特に飛行機は離陸する直前、直線の滑走路に入ったあと

ジェットが噴射されて、一気に加速するときの

「ごおっ」と引っ張られる感じがたまらない。


とうもろこしの粒のように、日々日々を一粒ずつこなし

私たちが生きている日常の小ささ。

配列されているようで、入り乱れた個体を

ざっくり大きく取りまとめた、風呂敷みたいな世界にいる。


淡い水色に、きらりと光る飛行機に、

「乗りたいなぁ。」と独り言。

どこか遠くへ、行きたい。



知らない街を歩いてみたい
どこか遠くへ行きたい


知らない海をながめていたい
どこか遠くへ行きたい


遠い街 遠い海
夢はるか 一人旅


愛する人とめぐり逢いたい
どこか遠くへ行きたい


愛し合い 信じ合い

いつの日か 幸せを


愛する人とめぐり逢いたい
どこか遠くへ行きたい


「遠くへ行きたい」