恋愛小説家 -24ページ目

随想 101227

一足早く仕事納め気分で昼休みに新聞を読んでいたら

一面に福島県の通行止めが出ていました。

雪がいっぱい降って、国道に立ち往生になる車たち。

想像以上に厳しい真っ白の世界。

母が住んでいるところの近くだ、大丈夫かな?と思う。


午後になって、本年中の50ページのレポートを総ざらい。

もう、もう、こういう時は自分がメカじゃないかと思います。

どうしても定時であがれず、時計と追いかけっこ。

ラーメン1杯分ぐらいの残業ですみました。


中途半端なものは上げられません。

こんなもの、誰でも書ける、ではいけないのです。

歳を取った分だけ、出来て当たり前なのです。


今年、いろいろいろ、なことがあったなぁ。

一女性、こんな平々凡々な我が人生だって

色を付けたら小説になりそうだなぁと、むくむくむく、思うこともある。


雪国出身の友達にメールをしました。

実は、けっこう近くまで行くかもしれないのよ。

冬休みなんだ、たまには休みましょう。

このホリデーは、たくさん食べる覚悟なので

体重計を買うのは、一月ほど先にしようと思います。

ゆびきりげんまん

恋愛小説家


プロペラのついた飛行機を一緒に作るなんて

黙々と共同作業に勤しむ週末もいいね

少年みたいなあなたと

意外と器用なわたしは似合ってるよ


1時間で出来ると息巻いていたくせに

完成したらすっかり日が暮れていたけど

もうあきらめるかと思いきや全然へっちゃらで

テスト飛行すると部屋を出た


真っ暗になった公園で

ゴムを巻いてプロペラから手を離したら

ぶーんと音を立てて星空に飛び出したから

すごいすごい!と跳ねて喜んだよ

きっと最高にいい顔していたんだろうな


何回目かの墜落で壊れた羽は

次に会うまでに直しておくから

今度は青空の下でまた笑顔を見せて

ゆびきりげんまん、約束だよ

しずかだなぁと思うとき

恋愛小説家


もうすぐクリスマスなのに、

メールの返事が来ない。電話もかけてくれない。

そんな風に彼女は不安げにしているけれど

何となく、それは勘違いだと思った。

彼はたぶん、彼女の知らない部分で

想像以上に彼女のことを思っている。


休憩中にコーヒーを淹れながら、湯気の向こうの笑顔を思い出したり

訪れたことのない駅の名前を聞いたら、次のデートプランを考えたり

彼女の住んでいる町の天気はどうなのかを、何となく気にしたり

コンビニで新発売のお菓子を、一緒に食べるために買っていたりとか

ごく自然に考えて、発想の一部に組み込まれているのに。


しばらく沈黙が続くといったって

ただ、今は、そういう時じゃないってだけのことで

何日も何日も続くって訳じゃないでしょう。

しずかだなぁと思うときほど

私が、私が、と、なりそうな気持ちをグッとこらえて

彼が今、懸命にしていることを想像したり

そんな姿を思いやってみたらどうだろう。

むしろ素敵に思えるのではないかしら。


寂しがるぐらい、焦るぐらい、

好きだって気持ちは案外かわいいけど

本当は、寂しがらなくても焦らなくたって大丈夫なもの。

不安を抱える余地もないほど、愛おしい。

そういうのが、本当はいいんだと思うよ。

一年で一番長い夜

一年で一番長い夜、いかがお過ごしでしたか?

私は料理上手の友人宅で、一足早く

「無宗教の宴(もとい、クリスマスパーティー)」に参加しておりました。

のんべえな仲間に「酔っ払っちゃいなさいよ!」と叱咤激励され

運転しないのをいいことに、ワインを少々いただいたのですが

時間差で頭痛に襲われ、冷えピタを貼って寝ました。情けなや。


冬至が過ぎ、23日はとてもいい天気でした。

頭痛が過ぎ去ったのをいいことに

健康的休日を送るべく、自転車で出かけました。


サイクリングなんぞしている場合か、私!?

事実、かなり忙しい頃合い・・・そうかもしれませんが

何をしていたって時間は平等に過ぎていくんだと思いながら

ペダルを踏み込むのはいい気持ちでした。


両手が空くように新調したリュックと、真っ赤な上着。

人が変わったようにアクティブ風(※あくまでも風)ではありませんか。

久しぶりに誰かに会ったら、「元気そうだね」と言われそうで

それが何だか、嬉しくもあり。

 

恋愛小説家

 

池に、渡り鳥が来ていました。

オナガガモ一族です。

 
恋愛小説家


飛行中に相方が撃たれたならば、

残された方は編隊の群れから外れ、落とされた片割れを探しに行く。

そんなグースの話を読んだときに、泣きそうになったのです。


寒さから逃れるために、南を目指している最中

群れから外れるということが、どんなに危険なことか。

二羽で旅するということが、どれだけ苦労を伴うことか。

ましてや、片割れはもう飛べないかもしれないのに。


渡り鳥の素敵さは一言では語れませんが

強いて言うならば・・・

つがいで生きるところが、同じ体温のある生き物として魅力に思います。

solstice

満月は雨で見えないけれども、

昨夜のうちに見た月はほとんど完全な円でした。


小さなソファに寄りかかり、脚を折り、床に座って

今週中に終わらせたい仕事、あれこれ見つめています。

思案のしどころなのは、いつまでの間にどこまでやるか。

イベント続き、年末総ざらいの今週は、

身動きの取れない日もありそうです。

今夜のうちにあと一つぐらい、

やっておいた方がいいかな・・・途中まででも。


一週間後の今頃を想えば、もう少しがんばれる。


お茶とボサノバ、大粒の雨音までも快適。

予想外に活躍している、バーゲン価格のスピーカー。

眠るまでに読書もしたい、なんだか素敵な夜なのです。

雨音が好き、でも、朝までに止んでくださいな。


1年前の今頃も、夜はセーターだけではとても寒くて、

指先まで冷えてしまうから、

手をつなぐ口実になると思ったものです。

寒さが苦手なのに冬が好きな人は

きっと恋でもしているのでしょう。


明日は冬至。

solsticeは、何か大切な分岐点。

徐々に日が長くなるまで、もう少しの辛抱です。



Saudade

誰のせいでもなく、何が悪いでもないけれど

ただ泣きたい気分のとき

涙がぽろぽろ落ちて仰向けの耳に溜まっていった。


隣りに横たわったまま、あなたは

泣いている私を適当にかまい、適当に放っていてくれる。

たまに滴を掬い、目が合えば静かに微笑むばかりで

何も言わずに見守ってくれる。

そこに言葉は必要なく、優しさだけしかない。

頷くだけで通じ合えると知っているんだね。


そう。

一緒にいると、時々錯覚するのは

あたかも、昔から近くにいるかのような感覚。

初めて訪れたのに、見覚えがある場所だとか

初めて食べたのに、知っている味がする物とかと似て、

次に何を言おうとしているのか、思った通りになって

どんなことが起こるのか、行きつく先も分からないのに、

大丈夫と、まるで平気に思えてしまう。


不思議なぐらいしっくりとくる、懐かしさに

子どもに還った私は

お気に入りのブランケットの端を噛むように

居てくれてありがとうと、心から思うんだ。


随想 101220

フリーランスの魅力や、メリット、デメリットを鑑みた結果、ひとところに留まり、書き手を選ばない文字を書いている。時間の拘束や通勤の手間、クリエイティブな発想の冬眠はあれど、生活の安定や先の見通しは、ある程度把握できるようになった。

でも

継続している、本来なら好きだったはずの仕事を億劫に感じ、夜遅く、のろくさい回転で仕上げる。鈍い頭でも「いいもの」を…と、倍の時間をかけるし、かかる。

窓が白むころ、新聞配達の音はタイムリミットの焦りと諦めを運んでくる。覚悟を決めて、また駅まで走る。乗り換えは1分、ダッシュで空席を狙ってしまう根性なし。

もっと書きたいことがある気がする。読みたい本もある。ならば時間をコントロールしなさいと、駄目出しが身に染みた。言い訳がましく、出来ないことを正当化する弱さに逆に落ち込む。ルーチンだの、義務や責任だの、倒れられないだの、前より無理が利かないお年頃だのとゴタクが並ぶ。

腐らずがんばれ。
心に正直であれ。
窮鼠猫を噛め。
もがけもがく三十路女。

今年も終わるよ、気合いの朝です。

もう月が見える

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遠回りしてよかった。
ぱりぱり、さくさく踏む落ち葉。

見上げれば白い月。
今夜はきれいに見られそうです。

用事が済んだら、
手をつないで買い物に出よう。

Last but not least.

恋愛小説家


毎月15日はリトルマーメイドの日。

お買い上げ630円ごとに食器またはジャムをプレゼント。


という訳で、ミーティングで大量にパンを注文した副産物として

マグカップがたくさんもらえたようです。

「最後の1個、早い者勝ち!」と書かれたメモを見て

遠慮なくいただくことにしました。

見た瞬間、触れた瞬間に思ったのです。

「あ、あのマグカップと同じ大きさだ」という風に。

私には最近、愛用しているマグカップがあるのですが

それと一緒に、このシンプルな新顔も使えるような気がしました。

いつの間にか、食器棚にはカップがたくさん。

お茶を選ぶように、カップも気分で選べるぐらいあるかもしれない。


思うに、私には軽い収集癖でもあるのでしょうか。

チケットの半券や切符、パンフレットやかわいい包み紙などは

捨てるに忍びない気がして、たまる一方。

心の中に思い出、文字としての日記、と、その証拠品。


久しぶりに着た上着のポケットに博物館のチケットが入っていました。

これはまるで、時計仕掛けの鍵のようなもので、

たちまち記憶のドアが開き、わぁっとシーンが溢れだす。

まぶしかったこと、愛おしい景色、笑ったことなど。

日々は、たった一度きりの出来事が連続しているもので

巻き戻せないものだから、一つひとつを、大切に。

ふと、我に返る瞬間があります。


新顔でダージリンティを啜りつつ

Last but not least.(残り物には福がある)と一息。


hue circle

ぴんぴんの色鉛筆と、教科書のカラフルな色相環。

対面にある、正反対に見える色合いにも

隣り合わせのパネルを並べていくと

だんだん近づいて、いつしか一致する不思議。


色には、無限に種類があるような気がする。

こんな色だ、と定義された名前通りに

白だ黒だと言い切れない色なんだ。

グラスに入った水を描きたいのに

そんな絵具はなかったし

海の色は青だと先生が言っても

パレットに出す絵具は別の色ばかりだった。

少しでも目に見えるまま、

どうにか描きとりたいと模索しては、破っての繰り返し。

子どもの描いた絵が美しいのは

その無遠慮な線と色遣いが、「本物」だから。


お土産にもらった大きなリンゴの

甘くておいしそうな赤と黄色の斑模様。

その、匂いや歯応えまで、伝えられるように

自由時間に描いてみようか。

絵葉書にして送ってみようか。


宵闇、三日月の夜空、穏やかな凪、未踏の森に

群青だと、私が思う深い色を

紫、紺、藍、黒と表現する人だっているように

それを決めるのは受け手の両眼でしかない。

ただ、それを自由に、見えるまま伝えることを

躊躇しないで生きて行けばいいんだ。