hue circle | 恋愛小説家

hue circle

ぴんぴんの色鉛筆と、教科書のカラフルな色相環。

対面にある、正反対に見える色合いにも

隣り合わせのパネルを並べていくと

だんだん近づいて、いつしか一致する不思議。


色には、無限に種類があるような気がする。

こんな色だ、と定義された名前通りに

白だ黒だと言い切れない色なんだ。

グラスに入った水を描きたいのに

そんな絵具はなかったし

海の色は青だと先生が言っても

パレットに出す絵具は別の色ばかりだった。

少しでも目に見えるまま、

どうにか描きとりたいと模索しては、破っての繰り返し。

子どもの描いた絵が美しいのは

その無遠慮な線と色遣いが、「本物」だから。


お土産にもらった大きなリンゴの

甘くておいしそうな赤と黄色の斑模様。

その、匂いや歯応えまで、伝えられるように

自由時間に描いてみようか。

絵葉書にして送ってみようか。


宵闇、三日月の夜空、穏やかな凪、未踏の森に

群青だと、私が思う深い色を

紫、紺、藍、黒と表現する人だっているように

それを決めるのは受け手の両眼でしかない。

ただ、それを自由に、見えるまま伝えることを

躊躇しないで生きて行けばいいんだ。