夢日記 110128
小説のような夢を見ました。
昔付き合っていた男女が再会する話。
★
それぞれに、パートナーと子どもを連れていた。
周囲のハラハラをよそに、別れたふたりが友達のようで
年賀状ありがとう、なんて言っている。
途中まで第三者的に、その光景を眺めていたはずなのに
私は一瞬、その女とシンクロして
とても得意気に、人々に自分のパートナーを紹介する。
得意気といっても虚勢や嫌味な態度ではなく
愛していること、愛されていることに
自然と胸を張っていられることに、上気していた。
景色と空気が、二子玉川に似ていた。
春のように、あたたかい気持ちだった。
★
結露と底冷えに耐え兼ね雨戸を閉めて眠ると
夜はしずかで朝が暗く、眠りが深くなります。
太陽が昇っていることに気付かないので
二度寝注意報発令。危険です。
文学少女さま
「先生は、背が高くて、遠くからでもよく見える。白衣がとても大きいね。
でっかい白い壁に、小さい黒いかたまり(頭)がのっかっているみたい。
いつもニコニコしているから怒っている顔がわからない。
でもたまに、いまおこっているのかな?と思うときがある。
細菌を愛する先生。私は、かびも好きです。
毛がもこもこしていて、怖いけど触ってみたい。
一体どんな感触なのかしら?おしえて!」
赤点ギリギリのレポートの隅っこに、
怖いもの知らずな(何せカビも触りたいらしい)学生は言いました。
食品衛生と微生物を担当していた仏のような教授に
大昔のMacで描いた幼児級の自作カビイラストを進呈。
すると教授から、わざわざ郵送にて長い返事が届いたのです。
おふざけの落書きに、真面目にお返事をくださった先生。
もう退官なさっていることでしょうし、時効かと思いますので少し。
TO:文学少女さま
メッセージをありがとうございます。単調な採点の間にこのようなおもしろいものがあるとホッとして気分爽快になります。こころから感謝します。このようなおちゃめな発想、気質は、研究者向きですね。文科系向きで、理科系向き、多彩な才能の持ち主ですね。どの面で素質を生かしますか?就職内定はとりつけたのでしょうか?
遠くからでも良く見えるんですね、私は、キット。背の低いワイフも一緒に買い物にいくと良くそう言います。買い物では、ワイフは私がわかるが、私はワイフの居所が分からず、ウロウロ。わが家では、私と息子がノッポで、ワイフと娘がチビで対称的です。
<中略>
カビをさわってみたいなんて、私もうれしい。カビとともに喜んでいます。是非さわってみて下さい。ご存知のように熱帯、亜熱帯のカビには有毒物質をつくるものがありますが、日本では現在知られていないので安心していじり回すことができます。カビの中にはきれいな色を持ち、肉厚になり、高級なビロードのような密毛が生え、毛先にキラキラ輝く水晶のような水滴を密生させるものもあります。実にきれいです。人のつくれない芸術作品で、十分鑑賞価値があります。そんな菌をさわっていただきたいですね。カビをさわるとふわふわして気分最高です。超特大シャーレに肉厚カビを培養し、その真ん中に座って座布団代わりにしたらどんな気分になるかと、ときどき考えます。さぞ気持ちいいことでしょう。
なぜ「文学少女」なのかというと
私がレポートの中に、いくつか小説や詩の引用をしていたためなのですが
久しぶりにこの素晴らしい手紙を発掘して、胸が熱くなりました。
カビを語る一文に溢れる愛と、上品なユーモアに満ちた言葉たちに脱帽。
講義の最中、どれだけ微生物好きなんだろう!?と感じたものです。
ヤクルトから菌を採取して培養する授業の日が偶然にも誕生日で、
余ったヤクルトを先着1名、いただいた御恩を忘れません。
手紙の締めくくりに書かれていた、退職後の夢は叶っているでしょうか。
※ご近所のご婦人を対象とした無料カルチャーセンター、
「カビ、酵母、細菌と共にくらす会」の発足だそうです(笑)
文学になりきれていない元・文学少女は、返事を書きたいと思いました。
オレンジ
埃が落ちた空にオレンジのタワーを見つけたとき
あ、東京タワー!と、思いました。
まるっきりお上りさんの反応ですが
もしも毎日、毎晩、この風景を当たり前に眺めていたならば
私は何も思わなくなるのでしょうか。
煌々と夜に刺さるタワーが、胸にちくり。
大好きな人といることに馴れ合い
化粧もしないで、わがままになるばかり。
溢れそうな想いに、見つめ合うだけで
食事も喉を通らなかった、気持ちを
いまさら、思い出しています。
大奥トレイン
目黒線が遅れていたので、自由が丘から大井町線に乗り換えることにしました。タイミングよく、途中の駅で向かい側にいた東横線に乗り換えようと駆け込んだのです。よく確かめず、ただ急いでいました。
すると異様な雰囲気に、しばらくして気付きました。
なるほど、そこは女性専用車両。
右も左も、どこもかしこも見知らぬ女だらけというのは、少々奇妙なものです。二日酔いやヘビースモーカーのおじさんや痴漢こそいなくても、他人に過敏な視線が行き交う過密な女の園にそわそわしました。
精神衛生上、男女の均衡というものは、ある程度必要だと思います。うっかりした男性が、私のようにろくに表示を見ずに駆け込んでしまったとしたら、さぞかし居心地悪いことでしょう。
大奥トレインより脱出し、自由が丘で降りて、散歩したいと思いました。
始業時間など気にせず、ひたすら、歩いていけたらいいのになぁ。
一生のお願い
それはちょっとしたお使いだったり、
格闘技のチャンネル権だったり、
あなたの一生のお願いはお安い御用ばかりなのだけど、
「一生のお願い。」と切り出されると、私はにわかに緊張する。
「そんなに簡単に使ったら、何回生きても足りないよ。」と笑う。
そして、もう何回目かの一生のお願いに快く応じる。
なんだかんだ、それが幸せであると知っている。
私なら一生のお願いを何に使おうかな?
しばらく真剣に考えてみても特になく
みんな元気に仲良しでいられたらよいという結論に達した。
これは、そんなにお安い御用ではない。
いつどこで、誰と何をしていても、仲良しだという確信。
あるいは味方が居てくれるという心強さ。
風まかせに枝葉を揺らし、自由気ままに放浪し、
歯の一本くらい欠けていたって健康であればよい。
掘り返せば同じ地に根っこを張った生き物同士、
つながっているから、また、逢える。
約束しなくてもわかる、切なる願い。
「一生一緒」なんて幻想は、馬鹿げているけど悪くない。
魂だったら、文庫本より軽いし荷物にもならないし。
そういえばあなたはトランプをしても、切り札を出すのが早い。
私はジョーカーを出さないまま
土壇場でにんまりと場をひっくり返す。
いつかは一生のお願いをするかもしれないよ。
聞いてくれるかな?
大丈夫、別に、困らせたりしない。
ふたこと
ありがとうと
ごめんなさいの
ふたことしかない
ありがとうと
ごめんなさいを
一日に何回も繰り返したら
ありがとうでその日を終える
まぶたをとじてから
泣き虫さんはまた泣いた
少し熱があるみたい
脈のはやいぼんやり頭で
しましまの背中の
あなたを抱きしめた
「ありがとう。」
適齢期
昔から、もう数えきれないほど耳にしてきたはずの音楽を
何度も何度も繰り返して聴いた、その何回目かに
ふっと、気付くことがあります。
この歌、こんなことを言っていたのかと。
このフレーズ、こんな意味だったのかと。
それまで無意識に聞き流し、感じていなかった部分が
ある拍子に、すぅっと染み入ってくるのです。
それはまるで、長いこと自分流に思い込んでいた空耳が
とんだ間違いだったと発覚したときのような衝撃。
音楽のみならず、小説にしても映画にしても
「適齢期」というものはあると思います。
刺激的な映像に年齢制限が付けられるのとは別に
十分な大人にも、物事が響くタイミングというのはあります。
もしかしたら人との出会いだって同じで
知り合うのに最適な時期が、きっとあるのでしょう。
「時期尚早だった」とか「もっと前に知り合いたかった」とか
後になるほど、身勝手なことを思うもので。
小説や映画ならば、やり直しがききます。
途中で気に入らなくても、一時停止しておいて
「適齢期になったらもう一度」ということも可能ですが
人づきあいとなると繰り返せないことの方が多いものですから
立ち止まり、振り返り、脱線したり、突っ走ったり、
計算通りにならないと胸をかきむしったり。
けれど確かに、少しずつ、日々を重ねている。
久しぶりにあったクラスメイトと
「昔と全然変わらない」と言いあうのは当然で
みんな同じだけ、歳を重ねているために
一人ひとりの変化を不自然に感じないのでしょう。
円熟というにはまだまだ足りないけれど
生きている限り、老いも若きも平等だからこそまぶしい。
かつての私が、とても大人だと思っていた年齢は
とうの昔に追い越していましたが、
演歌が前よりいいと思える。
苦手だったはずの食べ物がおいしい。
お酒のペースがわかってくる。
ほらね、年齢を重ねるのは、なかなか愉しいものみたいです。
冬眠
ちょっと疲れた気持ち
ややしんどい夕暮れに
電車の中で泣きそうになって
大あくびする振りをしたら
涙はしっかり2粒でていた
さっき見た光景のことも
何も考えたくなかったし
胸につまった嫌な気持ちも
飲み下すには重すぎた
今はただ毛布にくるまって
眠りたいと思った
何も言わないでいいから
とても逢いたいと願った
一人じゃない
そのことを感じられるだけ
人より遥かにしあわせであると悟り
私はようやく少し泣いた
月はこっちに出ている
大理石模様になった雲をひっからめた満月が
いつしか西の空に沈もうとしてる
半日前には東の空を見上げて祈るように宵の挨拶をした
憶えているかな、また会えたね
前の私はいったいあの人たちの
どんなところに恋していたのか思い出せない
それなのに顔を覆いたくなるような
恥ずかしい挙動ばかり思い出されるなんて
ひどいもんだと思うわ
全部終わった時に
私は今度こそいいことしか思い出さないと決めた
けれどもそれはまた難題で
終わる時なんてないかもしれないなんて
ふふんと笑っていられる恋もある
自分から逢いたいひとに連絡しなくちゃ
明日には世界が変わっているかもしれない
だからじゃないけど週末に久しぶりの友達に会える
昼間っからお酒を飲んでいい気持ちになったら
赤い顔のまま、逢いにいってもいいかな
食パンに粒々のピーナツバターを塗って
これでもかってほどたくさん塗って
夜中なのに頬張るんだから私も人のこと言えない
まだ耳に残っているあなたの笑い声が
また聞きたいから楽しいことを探して生きてるようなものよ
だって面白いことがあったんだもの
伝えたいことがたくさんあるんだもの


