素のままに
「こんな俺のどこがいいのよ」と訊かれても
少なくとも“こんな俺がいい”と思っている私に
あなたのどこがいいのかを説明するのは難しい
どこがいい、じゃなくて
どこかが欠けても悲しいぐらい
素のままがいいと思っている。でもね
素のままがいいというのは
今のままがいいのとは違うから
どうか誤解しないでくださいな
どこかが欠けても
何かが足されても
私はあなたが変化していくさまや
往く先々で踏む足跡の一つひとつを
「こんな俺」の一部として
素のままに愛してしまうだけなのだから
Salsa!
蛍光灯の白い光に吸い寄せられた虫は
網戸の隙間から入ってきたくせに出口を探して飛び回り
次の日、部屋の隅っこで裏返っている。
だからじゃないけど、夜に窓を開けるなら電気を消す。
自然な風とキャンドル、心地よい音楽。
サルサをかけると踊れないくせに踊りたくなるわ。
乾いた身体にビールが染み込む。
テラスがあったら最高だろうね。
この頃、あっという間に朝が来る。
昨夜やろうと思っていたことがあったのに…とぼやきつつ
息切れしている気がしてね。
どうしたらいいかなぁと頭をかきつつ
ノルマをこなしにまた家を出る感じよ。
でも、ふと思うこともある。
そもそも、やろうと思っていたことは何だったのよって。
もしかしたら今日は休めって
かみさまが言っているんじゃないの。
車と一緒で、たまにはオイルを変えないと
燃費も悪くなるし環境も汚してしまう、そういう悪循環より
「今はそういうとき」って決まってるなら
おとなしく楽しむが勝ち。
そういうことも、あるんじゃないかな。
冷静<温静
コーヒーの樽、紅茶の木箱、缶かんetc...
食べ物の箱や缶を捨てられない癖、だって気に入ってしまった。
本当に気に入ったものだけに囲まれて暮らせるといい。
センスある友人らの暮らしぶりを見るにつけ「こういう風」に憧れる。
華美ではないのに美しい。華美でないからこそ、なのかもしれないけど。
不用意に、付け焼刃的に、やたらとモノを増やさないことは
物質で飽和された世界にいると、強い意志がいる。
色や形に統一感があるのは同じ眼がちゃんと選んでいるから。
自分の尺度というものがきちんとあるから、ぶれない。
冷静なんだろう。いや、むしろ温かくて静かだから「温静」。
かたや、ハムスターのほっぺ状に溜まっている
我が部屋のノンポリシーの物質たち。
在りたい姿に少しでも近づけるように、無駄なものを捨てよう。
目標は、45Lのポリ袋一つ分。だけど、缶かんはやはり好き。
随想 110712
梅雨明けはまだ・・・と書いたその日に関東も梅雨が明けました。
紫陽花やかたつむりとは、印象がどうも結びつかない
しとしと、じめじめしない、曖昧な梅雨でした。
デスクの回覧で回ってきた週刊誌のカラー特集に
岩手の被災地に近い紫陽花の名所が取り上げられていて
しばらくその写真に見入ってしまいました。
リトマス試験紙を思わせる赤紫や水色をした花びらや、
ヨーロッパの改良品種や白いボンボンみたいなものなど、
それは見事に咲いていて、うっかり涙が出そうになります。
普段、あまり選ぶことのない豆乳ですが
「ミルクみたいに飲みやすい」というので、買い物かごへ。
豆乳でつくるカフェオレと抹茶オレは、なかなかおいしいです。
でも、すべて豆乳で作ってしまうとクセがあるので、
低脂肪乳と混ぜたら私好みの味になりました。
やっぱり、おうちカフェはいい。
外のカフェも、もちろんいいけれども。
唐突に、目黒界隈のカフェで飲んだホットチョコがフラッシュバック。
温まりたくて注文したのに、猫舌にもぬるく残念だったのです。
バイトのお兄さんは、厚みのある冷たい陶器のボウルに
それほど熱くないホットチョコを注いだんだろうと想像がつきました。
「すみません、これ、ぬるいんですけど・・・」とは言いませんでした。
けれども今ならたぶん、レンジでもいいのでもっと熱くしてと伝えます。
たった一杯でも、おいしくいただきたいですし
そのために遠慮しなくても良いのだと、少し学んだからです。
かわいいと思っていたスカートの前で、何度も立ち止まり
悩んで悩んで考えて、手持ちのトップスとの組み合わせを想像して
そんなに深く考え込まなくてもいいのに?というチープさにもかかわらず
欲しかったスカートのことは忘れることにしました。
別になくても大丈夫だし、そもそも衣装ケースの中には
「いつかは着るはず」の服が眠っているし、無駄だと思ったから。
それよりも、もうすぐ夏休み。
寝苦しくて目覚めると、カーテンの向こうが白い。
1時間だけかけたエアコンが切れました。さて、もう一眠りしよう。
モニターの文字を300%にしても、眼鏡では戦闘不能です。
ときどき日本語がおかしなことになっていると、
親切な校正係が、メールで知らせてくれたりするのですが
打ちまつがいがあったら、ごめんなさい。
I'm on cloud nine.
夏らしい陽気の土曜日。
まだ梅雨は明けていませんが、良い天気でしたので
朝から洗濯をしていました。
インド綿のスカートが、ものの30分ほどで乾き
取り込んだときにお日様のにおいを感じたのが嬉しくて
ついでにシーツもタオルケットも洗い、布団まで干しました。
ポイントカードや銀行やマイルやいろいろ、正体不明の会員証を掃除したら
後手後手に回っていたものたちが片付き、心も軽くなりました。
ぎりぎりまで扇風機だけで耐えていましたが
14時にダウン。エアコンを入れ、少し復活。
仕事も一つ、やっと提出することができました。
このところ日中の活動だけで体力と気力を奪われ、
後回しになっていたのをずっと気にしていた1週間でした。ごめんなさい。
きのこと小松菜を煮びたしにして冷蔵庫に入れました。
コーヒーを濃いめに淹れて、アイス用に冷やしました。
「きちんと」するのが元来落ち着くので
きちんとしていなかった部分を、整備すると元気になります。
夕暮れ、光陰に彩られた雲がたなびく様子を見ていたら
飛行機に乗りたいなと、思いました。
どんな天気の日でも、雲の上は晴れているもので
ドーナツ状の虹が見えたり、運が良ければオーロラに出会えたり
沈んでいく太陽、昇る朝日と追いかけっこするように感じる
あの、非日常的な不思議な感覚を味わいたいと。
「I'm on cloud nine.」という慣用句が好きです。
天にも昇る気持ち、とっても嬉しい、地に足がつかないほど幸福。
あるいは、空高く舞い上がるほどの至福。
「チョー気持ちいい(古い?)」みたいな感覚ですね。
皆さんは、どんな時に感じますか?
素敵な夏の宵を。
夏の大三角
仲間内でつるんでいたって
気になるのはいつもあの人だった
誰かと話している声に耳を傾け
何をしていても意識していた
目に見えない「→」が行きかう教室
見えないようで見え見えだから胸が痛む
太陽のオレンジがビルの合間に落ち
時折逆光になる輪郭を横目で見ていた
本当は彼女の横が良かったんだろうけどごめん
涙ぐんだのを西日のせいにした
初めて見る新しい服を知るたびにときめいたり
知らない話を知ったかぶりして見透かされたり
イヤホンから漏れ聞こえた同じ曲を借りたり
背伸びして転んでもうれしくてしあわせだった
誰もがなりきれない大人っぽい世界に憧れていたころ
時間をかければ違っていたかといえばそうでもなく
あの人は彼女に恋をしていたけれど
彼女は思わせぶりで他所を見ていて
私だけがあの人に恋していた
星の座標と同じで
何度見上げても変わらずそこにあるのに
ほんの僅かも縮まらないままだった
朝が来れば夏の大三角は
儚く空にとけて消えた
後悔しやがれ
いくら本音で話せる仲だからといって、
オブラートぐらいには包むものだけど
2本目のボトルが開く頃には、そろそろむき出しの本音が出てくる。
「あなたはそういうとこ、意外とダメなのよねえ。」
いつもはそんなこと、言われないだけに痛烈。
そうやって女性の人生ってものを、鈍った頭で討論する。
ふとした一瞬、それぞれの口が閉じかけたのは
酔っ払いな女たちに束の間の正気が差し込んだから。
あの分かれ道で、違う方を選んでいたら何をしているかなぁと
切ない記憶を思い出し、掘り返して押し黙った。
私は私で、彼にとっての別の人生というものも
主観的な想像でしかないと分かっていても思い描いていた。
私と知り合うずっと前に大切にしていた人のことは
本人から詳しく語られたことはないけれど
ただ、もう誰も愛せないと思うほど打ちひしがれたと聞いた
ずるいなぁ、そういうこと言うなんてかなわないなぁ。
きっと最初から予防線を張られてしまったのだ。
始まってもいないのに。始まったら、私の良さが分かるのにさ。
「後悔しやがれってんだ!」
もう何のためにグラスを上げるのかもわからないけど
何度目かの乾杯で静寂はまるでなかったことになり
「いろいろあるのは生きてるから。」と丸く収まる。
「次は赤にする?」
「フルボディのやつ、まだ夜は長いよ。」
随想 110703
月曜から金曜まで、定時に働くスタイルになってずいぶん経ちますが
以前とくらべ、週末の従え方が多少変わったように思います。
2/7(七分の二)の休日を大切に思うようになり、
48時間あったら、どれだけ有意義なことが出来るかと考える。
時には何もしないでのんびりするのもまた有意義であります。
理想をいえば、3/7だけ休みがあったらもっといいけど
4/7では休みの分量が逆転するので緩すぎます。
窓を開ければ鳥がさえずる、日曜日の朝です。
この爽やかで気怠い空気は、小学生の夏休みの朝に嗅いだものと一緒。
8月の31/31(三一分の三一)が休日だったころ、
しあわせだけど、どこか腑抜けた夏休みに
今日も暑くなるだろうと憂鬱になり、汗をかきかき算数と漢字ドリルに挑む。
お昼ごろ、庭先に赤いビニールプールを出して水遊び。
蛇口をひねると、ゴム臭いホースから最初はお湯が出てきますが
真水と混ざれば、これがちょうど良い温度になるのです。
蛇口があった裏庭の横にはプロパンガスのボンベが二本立っていて
近くに白いカラーが咲き、ドクダミが茂り、蚊がたくさん。
この位置は台所の裏にあったので
お昼の洗い物をしている母と、窓越しに話をしました。
「帽子をかぶりなさいよ」「はあい。」
麦わら帽子とパンツ一丁で、浅いプールに浸かります。
懐かしい。
★
新月のボイドタイムが終わったので、「願い」というか目標を立てます。
今月はとても初心に戻ることにして
「字をきれいに書く」とかそういう基本から始めます。
一日の中で、ペンを持っている時間が非常に長いものですから。
このご時世にあって、字を書くというアナログな作業が楽しいと気付いたし
忘れている漢字を思い出したり、日本語に向き合ったりも、いいもので。
数文字、数行を削って、文章を整えていく作業は
彫刻刀を使って輪郭をより鮮明に浮出させ、細部を彫り込む作業と似ている。
こんなことを書いたら、「危ない!」と心配されそうですが
先月、自転車に乗っているときに
横から「とまれ」を無視した軽トラックが出てきてぶつかりました。
ベキッという嫌な音がしましたが、自転車も骨も大丈夫でした。
翌日も通勤できたぐらいですから大丈夫です。
とはいえ左腕を負傷。代謝の早い若者ではないので
かさぶたが無くなっても痕が完全に消えるまでには時間がかかると思います。
「何らかのマーク」として、残っていくのかもしれません。
また、寝起きの首のだるさと不快感はこれが原因なのでしょう。
あとは髪が長くなりすぎて、万年肩こりになっているのもあるかも。
実は、髪ってけっこう重いのです。いい加減に整えねば
リアルにヤマンバ風になってしまいます。
明け方に夢を見ました。もう、存在しない人が出てきました。
久しぶりに再会しました、夢ですが。
私のところに出てきたということは、
もっと親しくしていた、彼女のところにも出てきているのかもしれません。
焼けぼっくいに火
朝、にわか雨に濡れながら1週間分のごみを捨てに出た。
湿気で重くなった灰色の雲。
これ以上は抱えきれないと言って、空が泣いている。
まるで私と同じだと、生ぬるい土埃に咳払いをする。
何となく、切ない。
何となく、原因は分かっているけれども。
虚ろな気持ちで痛みを包みこんだ。
多くのことに目を瞑り、感じないように、考えないように。
意識的に鈍感でいることを選び、からがら生きている。
たぶん今もとても逢いたい。
「やっと私に戻れた」と安堵しているこの心は、薄氷さながら脆い。
本気を出せば、また逢えるのは分かっている。
一通りの関係を繰り返して疲弊するのは
自ら蜘蛛の巣に飛び込んでいくようなもの。
縺れて、掘り返した熱で焦がされ、もがきながら
ゆるやかに駄目になっていく自分が見える。
私だって、泣きたい気がする。
だけど独りで泣くのはもっと寂しい。
いっそ嵐がきたなら声を上げて泣ける気がするのに。
こんな風にぽつぽつと、気まぐれな雨では泣けない。
何も残らない関係。それなのに何もかも奪われていった。
随想 110630
いやはや。。。
昨日は本当に暑・・・もとい熱い日でした。
外を歩くだけで、尋常ではない発汗をして倒れそうでしたが
色がかわるほど汗に湿った服のまま冷房の利いた室内にいると
今度は身体から熱が奪われていくので、すぐ風邪をひきます。
東京都心で35℃というのは、もはや夏のピーク時と同じレベル。
この日だけで熱中症で4人も亡くなられているのですから、脅威です。
まさか7、8月は、これ以上暑くなるのでしょうか?不安になってきました。
そろそろ蝉の声も聞こえてきそうです。
日が長いうちは、二毛作のように洗濯をしてもすぐに乾くからいいですね。
何度も着替えた汗まみれのキャミソールも、速乾です。
「これがいい匂いだから」と、“違いの分かる女”からいただいた柔軟剤。
吊るした洗濯物からほのかに匂います。
22時に仮眠したら、きっちり4時間後に目覚めて少し活動。
周囲の世界が眠っている、この時間が好きだったりします。
道路から少し入っただけなのに、静かで落ち着く、港じゃない方の横浜。
横浜は、実は港ではない部分の方が多いのですが、イメージは「みなと」。
PCのモニターが灯る部屋。扇風機が回る音。
二度寝しようと転がり、もう一度眠りに落ちる束の間に
連想ゲームさながら、記憶が飛び交い思い出すあれやこれや。
記憶には、季節が伴っているもので
ふと、自由が丘のことが脳裏に浮かびました。
職場が変わり、降りる機会がめっきり減りましたが好きな駅です。
ホームから見えるロータリーを囲む建物。
新旧が同居している面白い商店街。軒を連ねる多国籍な料理店。
ハンガリーの料理店もありましたね。
そういえばハンガリーのロールキャベツはトマトベースだったけど
母が作るロールキャベツはたいていコンソメ味でした。
キャベツといえば、昔住んでいた町の八百屋で
キャベツが「キャ別」と書かれていたっけ。
それに、ニンニクを「人肉」って書いてあったけど、それってどうなの?
今日は6月最後の日。つまり今年も半分が終わります。

