歌うように愛する喜びを伝えよう♪
井手愛美です。
先日、3月の外出自粛要請が出てから行けなかった、他県に住む祖母に会いに行ってきました。
他県とはいえ車で30~40分ほどの距離ではありますが、祖母は90も越えた高齢なので、やはり私たちが感染源となってはいけないと。
毎週通っていた母も、これだけ会わなかったのは初めてだと思います。
祖母と母の関係性を、2人の孫であり娘である私は、
子どもの頃からよく観察してきました。
母が祖母に直接言えない愚痴をこぼすことに、いつもモヤモヤ、イライラして、聞きたくなくて
「それを私に言ってどうしたいの?」
と、咎めたこともありました。
初級講座で『聞く』を学んでからは、
最初は本当にできなかったけどとにかく聞くことに徹しようと対応を変えました。
へぇ~
そうなんだ
なるほどね
つい、自分の考えを言ってしまうこともあるんですけどね。
愚痴を言っても、以前より手短になったように思います。
今回は『聞く』をしてきたことで、
私が、母の中にある娘としての思いを受け止められるようになってきたエピソードです。
娘として、介護職として
何でもできた母親が、年老いて、どんどんできなくなっていく。やらなくなっていく。
毎回会うなり、そういう自分を
「情けない、情けない」と責めている。
齢90を過ぎても、よく歩き、よく食べ、温泉に出かけるのを楽しみにしていた祖母。
母は、介護の仕事を通してたくさんの人生の先輩と関わっているので、「うちのおばあちゃんは偉いと思う」とよく言っていました。
それは確かに、他の方と比較している部分もあるのだけど、言い方からは母を心から尊敬する気持ちを強く感じていました。
ところが、この数年は、変わっていく母の姿を目の当たりにして葛藤を抱えている様子が見られるようになってきたのです。
祖母の変化を受け入れられない母
祖母はこの1、2年で、 “引きこもりばあちゃん” になってしまいました。
これまで好きでよく行っていた温泉にも、
日常の散歩や買い物でさえ億劫がって行かず、
あんなに好きだったお花も飾ることなく、
こまめに手入れしていた素敵な庭もすっかり荒れています。
料理上手の祖母が台所に立たなくなりました。
掃除も行き届かなくなり、ちょっと大変な状態になってきてから、母はさりげなく掃除もするように。
一番は『足が痛い』という理由です。
痛いので、歩きたくないんですよね。
立ってるのもつらい、と言います。
(最近、病院ではどこも悪くないと言われたらしい)
あんまり言うので、病院に行ってみれば?と提案したり、簡単なストレッチを教えてあげたり、母も知識とスキルを駆使して寄り添っていたようでした。
ただ、時々会う孫の私には、見せない姿や言わない本音があるようで、娘である母はそれを理解できないんだと話すことがありました。
「昔からそうだった…」
ああ、母も、母親との関係に悩み、
葛藤していたんだなと。
やっぱりそうだよね、と。
まるで、子どもの頃に観察していた、感じ取っていたことの答え合わせをしているかのようです。
へぇ~
そうなんだ
なるほどね
聞いているうちに、自分の子育て中に言われたこと、されたこと、そういう話をするようになったのです。
現在の話が、だんだん過去の話になっていきます。
それでも聞く。
おばあちゃんが自分の老いをどう感じているか?
そればかり言ってるときがあったので、ちょっと質問もしてみました。
私「おばあちゃんが変わっていくのを見て、お母さんはどう感じるの?」
母「・・・どう感じる?
・・・悲しい、のかな。んー。
ちょっと、受け入れられないのかもね。」
尊敬と期待の狭間で、揺れる母
今年に入ってからだったか、
祖母の家に行った日の夜に、実はおばあちゃんとケンカしたんだと私に打ち明けたことがありました。
あ、今は『聞く』をするときだな。
そう思いました。
長くなっても、今日は聞こう。
私ができることはそれくらいしかない。
90代も半ばにさしかかる祖母への尊敬の気持ちや、
その姿を見せてくれている感謝の気持ちは誰よりもある。
そして、母の中に、祖母に対して大きな期待があるように、私には感じられました。
できることはやってほしい。
できないときは、同居の兄(息子)やサービスにもっと頼ってほしい。
こんなに心配している娘(私)の気持ちをわかってほしい
母自身が娘として、母親である祖母にどういう関わりをされてきたのか、それをどう受け止めてきて今があるのかが、少しずつ見えてきた気がしました。
母も、もしかしたら、心の声を聴いているのかもしれないな。
「あんなにきれい好きだったのに、、、」
また来るよー!と明るく元気にバイバイしたあと、玄関が閉まった瞬間につぶやいたのを、私は聞き逃しませんでした。
そうだね。
揺れている母に、私はそれだけを返しました。
長くなったのでつづく。
どんな一日も、毎日がスペシャル♡