自然現象と心の構造
この本はたまたまユングの言う偶然の共時性により手に取ることになった。偶然の共時性というのは、心のベクトルからいえば無意識内の興味がたまたま目の端に見えたものに引っかかるようなものであって、ある意味インターネットの広告はそれを強化するように働いているわけであるが、それは人が探し物をしているときにセレンディビティ的に何かを見つける方向とは少し異なる気がする。
無意識の持つ全体性は、宗教的な悟りとどこまでかは相似なのだが、その論理化という点で心の全体性として考えるのか、宗教的に段階的に得られるものであるというような知見に基づいて修行としてとりいれていったのかなどで、全く別々の理論体系になっており、前者はユングに代表されるし、後者は井筒俊彦氏の「意識の形而上学―『大乗起信論』の哲学」などがその例にあたるのかと思う。
そのあたりまでが自分のこれまでの自然現象と心の構造に対するおおよその考え方で、ならばこれを科学的にとらえなおすとどうなるのかという点がこの本の白眉であって、それはW・パウリの論文である後半にあたる。
「純粋に経験的な考え方によれば、自然法則は、ひたすら経験という素材だけから、ある見かけの確からしさをもって導かれることになるが、これに反し、近来多くの物理学者は、直観とか関心の方向といったことが、概念や理念の発展に重大な役割を果たしており、それは通常単なる経験などをはるかにしのいで、自然法則の体系(つまり科学理論)の構築に必須のものである、ということを、更めて強調するようになっている。」
そしてこのように考えた場合、1つの問題が生じる。すなわち、感覚知覚と概念の間の橋渡しをするものの本性は何か。という問題である。
W・パウリは先のリンクからたどれるように、スイスの物理学者でスピンの理論や、現代化学の基礎となっているパウリの排他律の発見などの業績で知られる。アインシュタインの推薦により、1945年に「1925年に行われた排他律、またはパウリの原理と呼ばれる新たな自然法則の発見を通じた重要な貢献」に対してノーベル物理学賞を受賞した。
量子力学はこれまでの物理学とはまったく異なる物理学であり、無から有ができるなどという、あるいは観測者の存在が物理現象に影響を与えるというあのシュレーディンガーの猫に代表されるような、いやいやそれはどうなの的な過去の常識からはなれた学問であって、でもそれは実は色即是空空即是色と相似じゃね?なんていうオカルト好きの好奇心をそそる側面も持っている。
そんなわけで、このあたりに興味がある人には必見の本だと思う。
公文いくもん、なんぼのもん
公文の教室に行っていたコがいたので、どんな様子なのか聞いてみた。
先生は一人で、教室の後ろにいるだけ。
たぶん子供たちのプリントに○するのがメイン。
生徒は、A4の半分くらいのプリントが配られる。
それを1枚5分以内に仕上げろと。
毎日一定量のプリントが配られ、それが終わるまで帰れないらしい。
公文といえば算数で、それも計算問題だけ。それをひたすらやらされる。
図とか文章問題はなし。ただ高学年のコはどのようなのかは知らない。
問題は例えば、例のように直しなさい。
例 1⅘=9/5
とあり後に3問ほど。
そういうのを1枚に3例ほど。
それでやり方は一切説明せず、自分でやり方は例をみて考えなさいと。
そのあとひたすら同様の問題のプリントをやらされる。
それが延々と毎回続いていくらしい。
すばらしい。
これは究極の人手いらず、考えさせる習慣を身に着けさせるという一石ニ鳥なメソッド。最強だ。ただ、忍耐力がない子は追い出されるだろう。そういう子だけに絞るという運営上の戦略もあるだろう。
なるほどね。これはAIにも勝てるわ。
令和5年度 鈴鹿高校 入試(英語)
概要
リスニングなし。発音アクセント問題が残っている。
問題形式は、概要的には去年と同じで、メール文やちらし、表の共通テスト的なものと理系の論説文という長文の傾向はわかるのだが、語彙・文法問題のばらつきがあり、そのあたりの前半がすっきりしない分、問題量が増え気味で鈴鹿の受験生的にはかなりきついと思われる。
詳細
(1)語彙、発音
発音だけでなく、基礎の語彙問題を突っ込んでいる。
月・曜日を知っているか。不規則動詞を知っているかなど、コース変更などで入学する生徒の学力がやばい状況なのか。
発音はheardに対するearth・heartの2択などいきなりな難度で、アクセントも1問というどうしたいんだろうというバタバタ感。
(2)語彙問題
言葉の内容を英語で説明するというアレなのだが、穴埋めとなっている分少し難しいかも。品詞を知っている必要があるということを言っているのだろうけれど、語彙の難度も問題ごとにかなり差があり。一問ごとにみると、出題者が欲しい学生の資質はそれなりにわかるのだけれど。
(3)文法穴埋め
shallを肯定文の選択肢に持ってくるのはどうなんだろうというのはあるけれど、あとはまあまあわからないでもない。ただしこれも難度と要求する文法事項のかたより感が。
(4)正誤問題
なんと文法の正誤問題を復活させているのがココイチ驚き。これ時間かかるんだよね。配点も2点(eisu談)となるだろうから、いやいやってところ。高田は趣味的におととしまでだったか配点1点で残してたんだけど、さすがに辞めた問題。さらに、間違っているのを探すのではなく、合っているか・間違っているか・片方だけ違うかという4択。鈴鹿の受験生にこれはない。きつすぎる。
(5)組み合わせ英訳
これも組み合わせの中に不要な語を含ませるという難易度の高い問題。help原型不定詞とか、不規則な比較級(much)とか, I wish I were as rich as heなんていうやばいのとかも含んでいて。わかるけど、なんだかな。釈然としない。
(6)(7)(8)(9)道案内、指示文、ちらし、メール文
このあたりは共通テストや英検、TOEICなどと同じで使える英語を目指しているってことで、問題ごとの問題文の難度も適切に振り分けられていて、言い換えとか語彙とかなるほどですねな感じ。中学で履修しているだけの範囲だとココ抜けちゃいがちなので、中学校でも対処が必要ですよとそういうメッセージだとも受け取れる。
(10)長文(理系)
さすが医専のコースが6年生にあるだけあって、理系としてのたしなみとしての英語はここまでで必要かつ十分(中学卒業レベル的には)な問題。論説文で、解答論理も明快で、段落ごとに読み込んで、その段落の問題にあたればよろしい。うだうだしたものはいらん。内容をぴちっと理解すればよろしいという意志が明確にでている。
試験は全体としては、詰め込みすぎで、バタバタ感がいなめない。その分生徒にはだいぶ酷な要求になっている。たぶん、先生も混乱しているんだろうというのはわかるけど、来年こそはリスニング導入を目指して前半をすっきりさせてほしいと個人的には思う次第。
令和5年度 高田高校 入試(英語)
概要
問題形式は、昨年と同じ。
公立高校の入試内容に寄せてきており、その傾向は今年も。特にリスニング、長文。
レベルも公立と同じ程度なので公立高校の前哨戦として生徒の実力の把握に使える。
詳細
リスニングあり。おそらく14分前後。残り25~6分。したがって、語彙・組合せ英訳と長文2問をそれぞれ8分程度で解くことが要求される。
(1)リスニング
リスニングデータは例年非公開。質問内容から公立高校と同レベルと考えられる。第2部の長文リスニングの質問2問が答えられるなら公立もまずおけ。
(2)語彙(文法)
適切な時制が選べるか。不規則動詞read
twelfthという序数(1-10は中学履修)と月の名前。
something cold to drink。somethingの形容詞の位置とto不定詞の位置。定番問題。
Here you areとか。簡単な会話文の表現を知っているか。
What's wrong with you?とか。少しだけ難しめの会話表現を知っているか。
全体的に簡単になっている。
(3)組み合わせ英訳
be able to(中学の履修としてはギリなところ)を知っているか。
It is ~ for 人 to 不定詞と助動詞willの組み合わせ英訳。
完了形と関係代名詞の組み合わせ英訳。buy for 人のfor型の理解。
keep A B AをBの状態にしておくを知っているか。have toと組み合わせ。
show もの 人。written in French。
これも例年よりは簡単だが、複数の文法の理解を1問内に閉じ込めている。
look forward to ~ingなどのトリッキーな文法問題はどの私立の問題からもなりをひそめて基本を求め始めている印象。4技能を求める時代なのだから、重箱の隅をつつくような問題はなくしていこうというところ。
(4)長文(べた文)
学校生活を題材とした文章。公立入試っぽい。
出来事の順番。文章内の文の言い換えが理解できるか。get to(到達の意)が日本語としてではなく英語として理解できること。段落ごとに読んで、その問題を解く方式ではなく、全体を読んで内容理解を問う問題がしょっぱなから。時短は不可、文章をまるごと理解しろということを要求している。この点がやはり違ってきている。
(5)長文(会話文、穴埋めタイプ)
長文のどちらかには、昨今の傾向的には図の理解、表の理解問題が入ってきそうなところなのだが、今回は会話文を理解して情報を拾って組み立てることを求めている。単語もfossilなど、中学の教科書をしっかり見て使っており、三重県の生徒なら履修した内容で解けるように工夫されている印象。
全体的に、基礎力と応用力、文章をしっかり読む力を求めており、高田高校では中学英語をしっかり履修してきたこういう人が必要ですというのがよくわかる。内容的には以前のようなトリッキーさはなくなっている分対策はしやすいが、基礎力がなかったり、穴があると落とすよと言っている。
