五人対一人(一つにまとめる)
合気道の戦いの原点は一人の自分がいかに多くの敵と戦うか、それは日本の戦いの歴史上、集団との戦いの中で多数の敵に囲まれて戦う状況から生まれた考え方です。結局戦う相手は一人、倒したら次の敵と戦う。即ち多数は一人、一人は多数。これは戦い方ですが、普段の稽古においては多数の技を習得するために努力します、その集積が練れた体と表現します。つまり、合気の練体になれば技を超越でき、多技そのものも一になると思います。これは一つの技だけになるのではなく無意識の中で多技が発せられると考えると理解できると思います。この考えは、非均衡性、非相称性、単純性、わび、さびその他の禅の思考と日本人の芸術、文化の特性と重なると私は考えています。