1984年に大ヒットした映画
『ベスト・キッド（原題：Karate Kid）』という映画、
ご存知でしょうか？
アラフォー、アラフィフ世代なら
子供の頃に見たという方も多いのでは？
私は、父がこの映画が大好きだったので
家で録画ビデオを何度も見ましたね〜。
（うちのビデオデッキは、今は亡きベータだった
）
知らない方や若い方のために簡単に説明すると、
いじめられっ子のアメリカ人少年ダニエルが
沖縄出身の移民であり空手の達人、Mr. ミヤギに出会い、
空手を通して強く成長していく・・・という物語です。
この映画は、アメリカでも大ヒットして
当時は、アメリカ全土の小学校で
「ワックスオン！ワックスオフ！
」
と映画のシーンを真似る子供が
続出したらしいです
もちろん、夫のマイクもその一人。
この1：25くらいから
ワックスオン、ワックスオフのシーンがあります。
で、その映画の続編『コブラ会』というのが
Netflixにありまして。
（コブラ会というのは、空手道場の名前）
英語タイトルはそのまま『Cobra Kai』、発音は
コーブラ カーイ
です（笑）
これの何がすごいかというと、
なんと、34年の時を経て、
当時と同じ俳優が同じ役を演じているんです。
普通、そんなに年を取ったら
外見が劣化したり健康を害したりして
出演NGになる俳優さんは多いですが、
この映画の俳優さんたちは、みんな潔くて（笑）
当時のキャストがどんどん登場します。
34年前の回想シーンからドラマが始まります。
Youtubeで部分的に無料で見られる（？）ようです。
当時、高校生の役を演じていた主人公のダニエルと、
いじめっ子の金髪イケメン男子・ジョニーは、
今はもう50代。
高校生の時もライバルだった二人が、
いい歳したおっさんになっても、ライバル心を燃やして
二人でワチャワチャしてる様子が、かわいい（笑）
このジョニー、おっさんなんだけど、B'zの稲葉浩志さんにちょっと似ててかっこいい
一方ダニエルは、少年時代はあんなにかわいかったのに、
今はただのおっさん・・・
で、このコブラ会の特に何が面白いと
私が思っているかというと、
「善悪を分けない」という点です。
映画の『ベスト・キッド』では
いじめられっ子ダニエルが
完全な善であり、正義です。
もちろん、視聴者が応援するのはダニエル。
そして、いじめっ子ジョニーは悪役です。
でも、34年経ったあとのドラマでは
ジョニーが主人公。
いじめっ子だったジョニーは
毎日飲んだくれで、仕事もクビになり、
逆に、いじめられっ子だったダニエルは
社長として成功してお金持ちに。
コブラ会で描かれるのは、
いじめっ子になってしまったジョニーにも
彼なりのつらい事情があったことがわかる
少年時代の回想シーンや、
ジョニーの立場からすると
ダニエルにも非があった・・・というジョニー視点。
だから、視聴者が応援したくなるのは
ダメおやじのジョニーの方なんです。
そして、ジョニーに道を踏み外させてしまった
ジョニーの空手の先生（映画ではジョニーより悪者）すら、
その先生の人生の苦難と
悪者にならざるを得なかった事情が描かれます。
つまり、
完全な悪者は一人もいない。
私は、ずっと
「どちらが正しい、どちらが間違っているという
二項対立ではなく、
それぞれの立場や事情があることを理解して
清濁併せ呑むことが大事」
と教わっていますが、
そのことを思い出させてくれるドラマです。
日本でも、昔だったら
仮面ライダーvs.ショッカーとか
善と悪がはっきりしているものが人気でした。
でも今は、たとえば『鬼滅の刃』では
鬼は完全な悪ではありません。
鬼が鬼になってしまった
悲しい事情が描かれているので、
鬼に同情してしまうんです。
アメリカ
は、
正義のヒーローが大好きな国。
そんなアメリカで、
「完全な善も完全な悪もない」
というテーマに正面から向き合っているのは
面白いなーと思います。
空手に全然興味がなくても
すごく面白いし笑えるので、
よかったらNetflixでぜひ見てみてください！
（その場合は、先に『ベスト・キッド』を見てからの方が
何倍も楽しめます！）
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