【若紫154-2】☆京都大学古文の記述対策☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。
ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れ、そこである僧都の屋敷を垣間見、泣いているかわいい少女若紫を目にしました。その後すぐに僧都が光源氏を訪ね、自分の僧坊に招きました。光源氏は若紫のことを詳しく聞き出します。その夜、僧都宅で、眠れずにいた光源氏は、僧都家の女房に手引きを頼み、尼君と対面して若紫の後見を願い出ますが、あえなく断られてしまいます。そんな中、光源氏の帰京の時が近づいてきました。
【今回の源氏物語】
そのわたりの山がつまで、さるべき物ども賜ひ、御誦経などして出でたまふ。
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☆ 国公二次対策~オリジナル問題~ ☆
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君、聖よりはじめ、読経しつる法師の布施ども、まうけの物ども、さまざまに取りにつかはしたりければ、そのわたりの山がつまで、さるべき物ども賜ひ、御誦経などして出でたまふ。
問 「光源氏の配慮」として読み取れることを、具体的に説明せよ。
☆京大古文の内容説明問題☆
京大の入試問題で問われるのは、
現代語訳・内容説明などの、一般的な設問です。
しかしながら、京都大学の入試問題だけあって、
古文常識や状況などもきちんと踏まえて
解かなければならない場合も多くあります。
特に、今回の問題は
長い説明文が、格助詞「の」で連なっていて
非常に状況が理解しにくいですよね;;
そんな時こそ、確実な古文読解力が求められます。
早い時点から、基礎知識からしっかり固め、
どんな問題でも対応できる実力を身につけてましょう。
問 「光源氏の配慮」として読み取れることを、具体的に説明せよ。
ここで聞かれているのは
光源氏が、北山の人たちに
どのような気遣いをしていたのか
ということです。
設問をしっかり読み取って
その設問意図に即した解答をしましょう。
君、聖よりはじめ、読経しつる法師の布施ども、まうけの物ども、さまざまに取りにつかはしたりければ、そのわたりの山がつまで、さるべき物ども賜ひ、御誦経などして出でたまふ。
まずは、光源氏が誰に対して配慮をしたのか読み取りましょう。
まずは「聖」です。
それから、「読経してくれた法師たち」
さらには、「その辺りの山がつ(きこり)」たちにまで☆
つまり、お世話になった人だけでなく
北山に住む、そんなに身分の高くない人々にも
配慮の行き届いた品々をお与えになったわけです。
では、どんな品を贈ったのでしょう?
君、聖よりはじめ、読経しつる法師の布施ども、まうけの物ども、さまざまに取りにつかはしたりければ、そのわたりの山がつまで、さるべき物ども賜ひ、御誦経などして出でたまふ。
「布施(ふせ)」はわかりますよね。
辞書を引くと、「(金品などを)施すこと」とありますが
法師(お坊さん)に誦経のお礼として
お盆などにも渡します、あれですよね。
つまり、「まうけの物ども」とは
光源氏が、前もって準備していた品々
ということです。
では、光源氏は
どうして前もって準備できたのでしょうか?
君、聖よりはじめ、読経しつる法師の布施ども、まうけの物ども、さまざまに取りにつかはしたりければ、そのわたりの山がつまで、さるべき物ども賜ひ、御誦経などして出でたまふ。
「取りにつかはす」とありますね。
つまり、京に、さまざまな品々を取りに行かせてたんですねw!
だから、「そのわたりの山がつ」にまで
行き届いた配慮の品が贈られたのです。
君、聖よりはじめ、読経しつる法師の布施ども、まうけの物ども、さまざまに取りにつかはしたりければ、そのわたりの山がつまで、さるべき物ども賜ひ、御誦経などして出でたまふ。
この場合は、
「山がつ(きこり)」に贈るのにふさわしい品々
という意味でいいでしょう。
「誦経(ずきょう)」については明日また見ますが
ここでは「布施」と同等の意味です。
まずは、箇条書きでもいいので、自力で書いてみましょう。
そして、模範解答を見て
どんな書き方で説明すればよかったのか、
論理的な流れはズレていなかったか、
自分の答案と照らし合わせてチェックしていきましょう。
【答え】