源氏物語イラスト訳【若紫37-1】かく言ふは
かく言ふは、播磨守の子の、蔵人より、今年、かうぶり得たるなりけり。
「いと好きたる者なれば、かの入道の遺言破りつべき心はあらむかし」
「さて、たたずみ寄るならむ」
と言ひあへり。
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【源氏物語イラスト訳】
かく言ふは、播磨守の子の、
訳)このように話すのは、播磨守の子で、
蔵人より、今年、かうぶり得たるなりけり。
訳)六位蔵人から、今年、五位の昇進を得た者なのであった。
「いと好きたる者なれば、かの入道の遺言破りつべき心はあらむかし」
訳)「とても好色である奴だから、あの入道の遺言を破ってしまおうという気持ちがあるのだろうよ」
「さて、たたずみ寄るならむ」と言ひあへり。
訳)「それで、うろうろとその辺りへ寄るのだろう」と言い合っている。
【古文】
かく言ふは、播磨守の子の、蔵人より、今年、かうぶり得たるなりけり。
「いと好きたる者なれば、かの入道の遺言破りつべき心はあらむかし」
「さて、たたずみ寄るならむ」
と言ひあへり。
【訳】
このように話すのは、播磨守の子で、六位蔵人から、今年、五位の昇進を得た者なのであった。
「とても好色である奴だから、あの入道の遺言を破ってしまおうという気持ちがあるのだろうよ」
「それで、うろうろとその辺りへ寄るのだろう」
と言い合っている。
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■【かく】
■【言ふ】
■【は】
■【播磨守(はりまのかみ)】
■【の】
■【子】
■【の】
■【かうぶり】
■【得】
■【たる】
■【なり】
■【けり】
■【いと】
■【好き】
※【好(す)く】
■【たる】
■【なれ】
■【ば】
■【かの】
■【入道(にゅうどう)】
■【の】
■【遺言(ゆいごん)】
■【破り】
※【破(や)る】
■【つ】
■【べき】
■【心】
■【は】
■【あら】
■【む】
■【かし】
■【さて】
■【たたずみ】
※【たたずむ】
■【寄る】
■【なら】
■【む】
■【と】
■【言ひ合へ】
■【り】
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