【夕顔282-2】青山学院版☆助動詞の識別問題☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔282-2】青山学院版☆助動詞の識別問題☆

そろそろ周りに指定校推薦が決まった人が出てきましたか?

センター試験を受けるあなたは、マイペースで

1月の本番に向けて、力を積み上げていきましょう!

源氏物語イラスト解釈ラブラブ

 

【これまでのあらすじ】

天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。

ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は急死してしまいます。部下の惟光(これみつ)に後始末をさせ、光源氏は茫然自失のまま二条院へ戻ります。宮中からの使者などが見舞いにやって来るなか、惟光が日暮れて戻ってきました。

 

【今回の源氏物語】

「…少将の命婦などにも聞かすな。尼君ましてかやうのことなど、諌めらるるを、心恥づかしくなむおぼゆべき」と、口かためたまふ。

   ↑

夕顔282イラスト訳はこちら

 

「夕顔」の巻 をはじめから読む⇒

『源氏物語』の登場人物はこちら⇒

『源氏物語』の目次一覧はこちら⇒

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――
 ☆ 古文オリジナル問題~参考:青山学院大学2012 ☆

―――――――――――――――――――――――

「…少将の命婦などにも聞かすな。尼君ましてかやうのことなど、諌め〔 A 〕を、心恥づかしくなむおぼゆべき」と、口かためたまふ。

 

問)空欄〔 A 〕にあてはまる助動詞は何か。最適なものを、次の中から1つ選べ。

 

1.ぬ

 

2.らる

 

3.るる

 

4.ざる

 

5.らるる

 

びっくり  チュー  キョロキョロ

 

青山学院大学2012年入試問題に、

こんなのが載ってましたねぇ~(古いっw)

 

 

助動詞単独の問題は、

偏差値レベルの高い大学ほど、

あまり出題されません。

 

 

むしろ、助動詞解釈も含めた、

現代語訳や読解問題が中心☆

 

ゲローゲローゲロー

 

 

しかし、そこでは、

 

真顔助動詞の解釈なんて、できて当然でしょ!

 

という、大学側の思惑も…;;

(灬ºωº灬)

 

 

 

なので、

上のように、助動詞単独問題が出たら、

受験生みんなできる問題☆

と思って、ゼッタイ落とさないよう取り組むべきです。

ヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ

 

 

 

 

 

 

 

では、こういう助動詞の空欄補充問題は、

どのような手順で考えていけばいいのでしょうか?

(;・`ω・´)

 

 

助動詞の空欄補充問題の解き方☆

1.直前の語との接続を確認する

2.直後のつながりから、空欄の助動詞の活用形を考える

3.文脈から、助動詞の意味を考慮して最終決定する

 

 

多くの受験生は、

まず、文脈判断で、助動詞の種類から見抜こうとするのですが、

 

めっちゃ、時間のムダ!

(ㆁωㆁ*)

 

直前・直後を見れば、接続活用で、

おのずと選択肢が絞れるのだから、

 

まずは、その文法的必須事項で、消去してから考えればいいわけです!(σ・∀・)σ

 

 

 

 

 

では、直前を見てみましょう!

動詞の「諫(いさ)め」がありますね。

 

【いさむ】

【他動詞:マ行下二段活用〕

①【禁む】禁止する

②【諫む】忠告する

③【勇む】励ます。元気づける

 

現在の「諫める」という言葉と通じるものがあります。

下二段活用なので、直前の語は、未然形連用形です。

 

したがって、空欄〔 A 〕に入る助動詞は、

未然形or連用形接続の助動詞です。

(σ・∀・)σ

 

1.ぬ (完了「ぬ」終止形  打消「ず」連体形)

 

2.らる (受身尊敬可能自発「らる」終止形)

 

3.るる (受身尊敬可能自発「る」連体形)

 

4.ざる (打消の助動詞「ず」連体形)

 

5.らるる (受身尊敬可能自発「らる」連体形)

   矢印

実は、選択肢3「るる」は、

未然形接続の助動詞「る」の連体形ですが、

 

四段・ナ変・ラ変の未然形にしかつかないので、

今回の下二段「諫め」には接続しません!

びっくり

 

 

 

 

次に、直後を見てみましょう!

キョロキョロ

「―を、」となってますので、格助詞接続助詞ですね。

 

「を」は、格助詞でも接続助詞でも、

連体形に接続します。

 

したがって、空欄〔 A 〕に入る助動詞の活用

連体形に決まってきます。

チュー

 

 

1.ぬ (完了「ぬ」終止形  打消「ず」連体形)

 

2.らる (受身尊敬可能自発「らる」終止形

 

3.るる (受身尊敬可能自発「る」連体形)

 

4.ざる (打消の助動詞「ず」連体形)

 

5.らるる (受身尊敬可能自発「らる」連体形)

   矢印

はい。ここで、選択肢がにしぼられましたねぇ~。

 

いずれにせよ、助動詞の種類は、

打消(1or4)か、打消でない(5)かというわけです。

ヽ(*'0'*)ツ

 

 

 

 

では最後に、文脈を確認してみましょう!

 

「…少将の命婦などにも聞かすな。尼君ましてかやうのことなど、諌め〔 A 〕を、心恥づかしくなむおぼゆべき」と、口かためたまふ。

 

光源氏会話文中です。

 

少将の命婦は、尼君と関係ある女性です。

(*明日の記事でくわしく説明しますっ)

 

 

源氏が「少将の命婦に聞かすな」と言ったのは、

尼君に知られたら大変だからです。

 

 

では、なぜ尼君に夕顔の死のことを知られたら困るのでしょう。

 

Aの直後を見ると…

 

「心恥づかし」つまり、きまりが悪いとあります。

 

 

なぜ、尼君に知れたらきまりが悪いのか?

 

 

なぜなら、尼君は常日頃から、

光源氏の「かやうのこと=女遊び)」を

「諫め〔 A 〕」ているからです。

   矢印

もう、〔 A 〕に入るのが、

打消か、そうでないかお分かりですよね?

(σ・∀・)σ

 

 

 

 

 

 

【正解】…

 

ちなみに、この場合の「らる」の意味は、

尼君に対する光源氏の尊敬語です。

(o^-')b

 

 

 →今回のイラスト訳はこちら

 →今回の重要古語はこちら