【夕顔172-2】国公二次の心情を問う問題☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔172-2】国公二次の心情を問う問題☆

古文は勉強法が分かると、センターでも9割は狙える科目です。

このブログで古文目線を身につけて、

効率的に学んでいきましょうね♪

源氏物語イラスト解釈ラブラブ

 

【これまでのあらすじ】

天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。

ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻。中流階級の空蝉(うつせみ)との仮初めの恋を経て、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとにも心が向かないでいる光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう、夕顔の君に心惹かれ、こっそり通うようになりました。いざよう月の中、光源氏は夕顔を連れ出し、なにがしの廃院に向かいます。

 

【今回の源氏物語】

「…心細く」

とて、もの恐ろしうすごげに思ひたれば、「かのさし集ひたる住まひの慣らひならむ」と、をかしく思す。

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夕顔172イラスト訳はこちら

 

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 ☆ 今回の古文オリジナル問題~心情~ ☆

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「…心細く」

とて、もの恐ろしうすごげに思ひたれば、「かのさし集ひたる住まひの慣らひならむ」と、をかしく思す

 

問)傍線部の心情の説明として、最も適当なものを1つ選べ。

1.女が心細いと詠んだ歌があまりにもこの廃院のもの寂しさを巧みに言い当てたものだったので、光源氏はその不気味さに今さらながら気づかされ、内心動揺している。

 

2.女が気味悪がって心細そうにしているのを見て、光源氏はこの女が周りのうるさい密集した小家に慣れきっているために、この廃院を余計にもの寂しく感じたのだろうと推察し、面白がっている。

 

3.女がもの寂しい廃院の中で光源氏を頼りきっている姿は、本当に心細げであり、はかなげでかわいらしかったため、光源氏は心を奪われ、さらに女を愛するようになっている。

 

4.女が詠んだ返歌によって、光源氏は女の過去に気づかされ、このもの寂しい廃院へ女を連れ出してきたことに内心後悔しており、すぐにでも女を置いて帰りたいと思っている。

 

5.女がこのもの寂しい廃院で、見ず知らずの男と一緒に過ごさねばならないことを恐ろしく感じているのだということを悟り、光源氏は女に対して非常に申し訳なく思っている。

 

キョロキョロ  びっくり  チュー

 

国公二次では、

上のような心情説明問題を、60~80字で説明させるような聞かれ方もよくします。

(((( ;°Д°))))

 

 

そんな問題が出ても、

決して捨てちゃだめ!

 

 

古文の物語は、

現代文の小説問題と同じように、

 

心情と、その状況を、セットで押さえながら読んでいきます。

 

 

傍線部の「をかし」は、

口元にっこり!のプラスイメージ古語です。

 

 

光源氏が、〈にっこり〉になった背景を

直前の記述から探りましょう!

(o^-')b

 

 

 

もの恐ろしうすごげに思ひたれば

   矢印

心情の背景については、

古文では、【已然形+「ば」】に着目します。

 

すごげに」は、重要古語「すごし」の形容動詞化したもの。

詳しくは、午後に更新する記事をご参照下さい♪

ニコニコ

 

 

では、なぜ夕顔の君は、

「もの恐ろしうすごげに」「心細く」思っているのでしょうか?

ショボーン

 

【さしつどふ(差し集ふ)

【自動詞:ハ行四段活用】

…寄り集まる

 

 *Weblio古語辞典より

   矢印

隣家の声も、薄壁を突き抜けて聞こえるような

密集した小さな家々に囲まれて、

人目を気にしながら細々と暮らす夕顔の君

 

そんな生活に慣れてしまっているので、

こんな辺鄙な、もの寂しい廃院には、

余計に心細く感じてしまうのだろう…

 

光源氏は、そんなことを興味深く想像してたんですね。

(灬ºωº灬)

 

 

 

 

 

正解……

 

 

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