6月3日からのペソ大暴落の一人大反省会に加えて、FX関連本を読んで勉強することにしたその第二弾。

 

 

 

 

 

 結論から言うと、私にはちょっと今いちだった。

 内容が悪いという意味ではなく、私と著者の問題意識と、FXに対する基本的な戦略が違いすぎて、残念ながら、それほど参考にはならなかった。

 ただ、私と違って、FXでなかなか勝てない。売買の勝率が低いという悩みのある人には、とても参考になるのではないかと思った。

 

 それでは、なぜ、私には余り参考にならなかったのか。

 それを検討してみたい。

 

1 裁量取引なのに負けて、損切りをすることが前提になっている。

 これは「最強のFX15分足トレード」でも同じであったが、「鉄壁FX」でも、裁量取引でエントリーポイントを自分のタイミングで自由に決められて、かつ、プロと違って日を跨ぐポジションが禁止されているわけでもないのに、ある程度損切りをすることが前提になっています。

 そのせいか、なんと第一章でバルサラなる人の「破産確率」の説明にかなりのページを割き、その要素である「勝率」「損益率」「損失許容度」のコントロールについて、その重要度を力説しているのですが・・・(「最強のFX15分足トレード」では、真ん中あたりでそれなりの量の説明でした。)

 

 でも、そもそも、私、めちゃくちゃ損切り嫌いですし(それが自主的なものでも、システムの設定で強制的にされるものでも)、実際、通常の裁量取引では損失のある状態で決済という状況にはほぼならないんですけど。

 これは、私が現在裁量取引で採用している取引手法である(自動トラップメソッド改め)手動イフダンリピートだと、基本的には損しそうになったらナンピンして、再び上がるか、スワップで損が帳消しになるかを待つので、売買では利益が出る場合にしか決済しないのが原則だからです。

 勿論、例外はあって、例えば、

・去年のFXを始めたばかりの3か月(8月から10月)は、いろいろエントリーの方法を試していたので、適当なところで自主的に損切り

・介入とか、その噂とか、メキシコ大統領選の結果とかで、相場が想定以上に逆方向に大きく動いて、強制ロスカットが見えてきたので、それを避けるために、レバレッジを下げる目的でやむを得ず、嫌々ながら自主的に損切り

・上と同様の条件で相場が逆方向に急変動した場合に、ちょっと自動取引の設定を間違えて、システム的に強制的に損切り

などで、過去、実際に損切りが発生しましたが、それでも月に1回起こればびっくりという感じで、裁量取引の勝率を、日単位で見ると95%以上、個々の取引単位でみると99%以上、自動取引まで含めるともっと勝率が上がると思います。

 

 ということで、そもそも勝率に対する前提の考え方が違いすぎます。

 

 そのほか、いろいろ思うところがあるのですが、簡単に。

 

2 コツコツドカンを避けるべし。

 この点は、「最強のFX15分足トレード」とも共通するんですが、コツコツ儲けたのにドカンと損して、トータルで赤字になっては意味がないということを強調してます。

 なので、利益の上げ方も、トレンドに乗った順張りのブレークアウトでエントリーということになります。

 レンジ相場については、「鉄壁」では、「勝率を上げ、リスクリワードのいい取引をするためには、こうしたレンジの局面ではトレードしないことが大切です。」とまで言い切っていますし、「15分足」に同様のことが書いてあります。

 また、どちらも想定と逆方向に大きめに動いたらすぐに損切りをし、ナンピンはしないというのも共通しています。つまり、コツコツ損を出して、ドカンと儲ける発想です。

 でも、これは私とは、発想が真逆です。

 私は、むしろ、レンジ相場で小さく何度も何度も小さな利幅の売買で堅実に儲けておいて、その裏で下落に備えてあらかじめナンピンを準備しておき、実際にナンピンが発動したら、一瞬「ドカン」と大きな含み損が出てしまうが、結果的には大きな儲けとなるというのが、私の戦略です。

 同じ、「コツコツドカン」でも、「ドカン」の意味が、ドカンと大損とドカンと大儲けでは、全く違います。

 私から見ると、「鉄壁」も「15分足」も、ナンピンをしないなど、裁量取引での一撃必殺に拘りすぎではないかと思います。

 私の戦略は、むしろ、リピート型の自動取引の勝ちパターンを裁量取引で簡易に再現することにあります。

 取引回数を減らして手間を省くことができれば、スプレッドもスワップも圧倒的に裁量取引が有利なので(少なくともLightFXとマネスク他の自動取引との比較では)、かなりの利益率となります。

 大切なのは、「ドカン」が必ず来るものであると思って、そこを十分見込んでリスク管理をしてナンピンできるようにしておくことです。

 「ドカン」で利益が吹っ飛ぶのは、この事前の想定が甘いからで、きちんと想定しておけば、むしろ大きな利益を出すチャンスになります。

 

3 詳細なトレード日記をつけよう。

 これには、大賛成です。

 ただし、ものには加減というものがあって、例えば、私の場合ですと、いろいろなエントリーの方法を試していた最初の3か月では、いちいち個々の取引について、詳細にその意図から、細かな数字、利益額まで記録をとって、改善の方法を探っていました。

 しかし、今となっては、特に印象の残る取引、それもとんでもなく失敗した取引以外は、決済が終わると記録もとらずに、さらっと忘れて、はい次っ、て感じです。

 そうでもしないと、取引記録をつけることに時間を取られすぎて、実際にどう取引するかの方針を立てる時間がなくなってしまうからです。

 要は、自分の勝ちパターンを見つけるまでは、全ての取引の記録を詳細につけるのが効率が良いし、ある程度コンスタントに勝てるようになった後は、負けた取引だけ、しっかり記録に残して、原因について反省するとよいということだと思います。

 

 その他、「15分足」とはまたちょっと違ったエントリーポイント、イグジットポイントの決め方が、「スナイプトレード」とか「鉄壁フラッグ」とかの名称で紹介されていますが、ある程度の参考にはなるものの、1と2に書いたように、私とは基本的な発想が違うので、私にはそのままでは使えませんでした。

 でも、基本的には、「15分足」と同じ方向性なので、多分、こちらが王道なのかとも思います。

 あぁ、私の取引手法は、邪道なのか、蛇道なのか・・・!

 

以上