FXを始めて10ヶ月、それなりに慣れてきて、自分なりの勝利の方程式!も形になってきたので、そろそろまた、FXに関する本を何冊か読んでみるかということで、オンラインで注文した。

 その際に例によって、送料無料までちょっと足りなくて、前から気になっていたので、ついでに穴埋めに注文した本。

 相変わらず、メキシコペソの含み損が心に重くのしかかっているので、気合を入れてFX関連本を読む前に、気晴らしにサクッと読んでみた。

 

 

 表題の通り、昨今、若い人(ℤ世代?)に流行っているという「タイパ」という言葉について、その意味や背景を掘り下げた本である。

 表題には「経済学」とあるが、最近流行の行動経済学の本と比べても、あんまり「経済学」という感じではないし、まして本格的な計量経済学的分析があるわけでもなく、どっちかという「社会学」的なアプローチかなと思う。

 

 「タイパ」を説明するのに、

・動画をじっくり見るか、倍速で見るか、

・宿題を自分でしっかりこなすか、締切前日に他人に手伝ってもらって終わらせるか

などというのが、例として検討されており、非常に分かりやすい。

 本の中ではいろいろ検討されているが、あえてざっくり言うと、通常「タイパ」が大きく意識されるのは、①ある結果を出したいとか、ある状態になりたいという目的がある場合に、②そのための手段を行うこと自体に特に意味や効用を感じていないのであれば、③その手段にかける時間を極力少なくしたいという意識が働くからとされている。

 

 動画視聴と宿題についての検討は、自分で本を読んでもらうとして、私は、この例をゴルフとFXに置き換えて、自分に当てはめて考えてしまいました。

 

 つまり、もし、その人にとってのゴルフの目的が、良いスコアを出すとかハンデを出来るだけ小さくするということだけにある場合には、ゴルフのプレー時間自体をできるだけ早く、それこそ動画を倍速視聴するように終始走ってちゃっちゃと結果だけ出したいというようないわゆる「タイパ」重視になるけれど、しかし、大抵のアマチュアゴルファーにとっては、楽しくゴルフすること自体が目的で、むしろ良いスコアを出すことは二次的なおまけの目標なので、ゴルフをプレーするという楽しみ自体を損なうような形でタイパを追求したりはしないということかなと思いました。

 勿論、本来のゴルフにかかる時間以外、例えば往復にかかる時間や、それこそホールの間の待ち時間の短縮(いわゆる伝統的な「時短」)は望ましいことでしょうが、実際にプレーする時間については、急かされずに自分のペースでじっくりプレーしたいということだと思います。

 

 これは、FXとの関係とは大違いで、私の場合、①FXの目的は、あくまでゴルフや自分へのご褒美の軍資金を確保することにあるのであって、②FX取引をすること自体が楽しいわけではありません。

 だから、①軍資金の確保という目的が達成されるのであれば、②FXにかける時間を出来るだけ減らしたいし、もっと言えば、他の投資、例えば投資信託等で同じだけの利益率でより簡単に稼げるならば、FXである必要すらありません。

 つまり、FX取引に関しては、「タイパ」を意識する条件が揃っています。

 

 で、普通なら、ほーん! FXはタイパの対象で、ゴルフはタイパの対象ではない。

QED. これにて終了ってことになりそうですが・・・。

 

 いやいや、ちょっと待ってくださいな。と。

 それは、私の物事に対する一般的な向き合い方とは、ちょっと違うな。

と、思うところもあるわけです。

 

 どういうことかと言うと、資格試験の勉強でもFXでもそうですが、あんまり過程を疎かにすると地道に続けられなかったり、単位時間当たりの効率が落ちたりして、却って最終的な結果が出にくいなと思っているので、私自身は、なるべく過程を経ること自体に楽しみを見出す努力を払ってます。

 例えば、資格試験の勉強であれば、テキストを読むだけでなく、ゲーム感覚で模擬試験問題を解いて点数を(自分の中で設定した基準に対して)競うとか、FX取引であれば、JRPGやサイバーパンクのネットダイブに見立てて行うとか、最終的な目的は目的として、その過程の中にも小さな喜びを見つけていく。

 こういうのが大事なのではないかと・・・。

 

 

 

 

 

 そう思うと、自分が、いわゆる動画の倍速視聴のような新しいタイプの「タイパ」には全く向いておらず、かろうじて昔ながらの「時短」なら割とついていけるかも。

という、古いタイプの人間なんだなとつくづく思います。

 

 などと、この本は、いろいろ考えさせてくれたので、きっといい本なのだと思います。

 

以上