『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』IMAX | アディクトリポート

アディクトリポート

真実をリポート Addictoe Report

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』IMAX

2023/6/16 ユナイテッド・シネマ テラスモール松戸 スクリーン9 F-21

 

『ザ・フラッシュ』に続いて、同じスクリーンでIMAX鑑賞。

同作には至って満足。

この調子で立て続けに観る『スパイダーマン』最新作も名作/傑作だったらどうしよう。

と大いに期待したんだが、展開のテンポが悪く、

中盤からはさすがに「これはダメだな」と見通しがつき、

少しウトウトして起きたらすぐにエンディング。

 

コロナ退院直後は映画鑑賞してもウトウト続きだったが、

ここ数本はまったく長尺の映画でも寝落ちが無くなっただけに、

自分のコンディションの問題だけで、映画の出来の良し悪しとは無関係だからもう寝落ちには至らないだろうという、根拠不明な自信めいたものがあっただけにこれはショック!

 

 

でもってその終わり方がまた…。

『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』の終わり方と同じと言えば、

同作を鑑賞済みの人なら察しがつくが、

もったいぶらずに打ち開ければ、

「本作で決着つけずに、続くんかーい!」ってガッカリ感に襲われてしまう。

 

そういう引き伸ばし工作も裏目に出て、

ワンシーン、ワンカットにめちゃくちゃ手間暇がかかっており、

それをじっくり堪能できるのは眼福でも、

似たようなシーン、シチュエーションの繰り返しで話がちっとも進まず、

これだったら予告編の方が、よほど要点をかいつまんでいて伝わりやすかった。

 

そんなこんなでかなりガッカリ。

スパイダーマン映画の快進撃は、本作『アクロス・ザ・スパイダーバース』の前日弾にあたる、

『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019)

2019/3/1 T・ジョイ品川PRINCE シアター11 K-22

と、それに続く実写『スパイダーマン』シリーズ集大成的な最高傑作、

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021・日本公開2022)

20212/1/7 池袋グランドシネマサンシャイン シアター12 C-16

の2本でとどめを刺したが、

この2本をバネに新作は更なる飛躍を…と目論んだんだろうが、

こと『アクロス・ザ・スパイダーバース』に関しては、その試みは失敗したと思う。

 

ところで今回の『アクロス・ザ・スパイダーバース』の低評価より前に、

前作の『スパイダーマン:スパイダーバース』だって大した作品じゃないのに、

どうしてあんたは高評価だったの?と訝(いぶか)しむ方もおられよう。

 

とんでもない大傑作!

上映途中で、「これは絶対、最後には拍手しよう」と心に決めていた。

 

しかしエンドクレジットの長ロールでその気分が削がれたが、

最後のオマケをかましてくれたので、

これに大ウケで他から拍手が起こり、

つられて喝采を浴びせました。

 

高評価の理由はちゃんとあって、

今もその評価は変わらない。

 

IMAXの初回鑑賞の時、自分より前席の人のウケが異様に良く、

どうどう

へんこう

こんせ

なんて

大音響でかき消されながらも、豪快な笑い声が館内にこだましていた。

おそらくはネイティブイングリッシュスピーカーで、字幕では伝わらないギャグに反応してたんだろう。

 

それもあってか、「なんて面白い映画なんだ!」が偽らざる感想だった。

 

後日楽しさを再現すべく、通常スクリーンで(たしか吹替版を)再見したが、

魅力はうんと減ってしまい、気がつけば途中で寝てしまっていた。

 

それでもあえて傑作の要因をもう一つ探ると、脚本のフィル・ロードが、

クリストファー・ミラーと共に製作にも名を連ねており、

この二人は『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)で監督を務めるはずが、

プロデューサーのキャスリーン・ケネディの気まぐれ采配でロン・ハワードに交代となった。

 

ロード&ミラー作品は『くもりときどきミートボール』(2009)しか観てなかったので、

ミー5

ミー4

ミー3

『ハン・ソロ』での二人の監督手腕を見極めたかったのに…

 

「起用しちゃアカン」人材ばかりを重用・確保し、

「クビにしちゃアカン」人材に限ってバッサバッサと解雇する、

無能・無責任プロヂューサーの失策連発のせいでそれは叶わず。

だから『スパイダーバース』を観て、「やっぱりロード&ミラーは才人じゃないか!」と見直した。

 

『アクロス・ザ・スパイダーバース』でも、脚本はロード&ミラーが続投。

なのに観客への訴求力がガクンと落ちたのは、

監督3人組(ボブ・ペルシケッティピーター・ラムジーロドニー・ロスマン)が、

別の3人組(ホアキン・ドス・サントスケンプ・パワーズジャスティン・K・トンプソン)に総交代したからでは?

 
この新3人組の続投じゃ、スパイダーバース次回作『ビヨンド』も思いやられる。
 
と、ここまで書いたところで、この記事(『ザ・フラッシュ』IMAX【第1弾】)にいただいたコメント。
 
hitac
 
自分はこういう話はそろそろ飽きて辛くなってきてしまいました。
『ザ・フラッシュ』は制作側のもうこういう話はやめたいって意思にも取れる内容でしたけど(ギャグテイストは自分は好きで良かったですが)
映像表現としては『スパイダーバース2(アクロス)』は確実に現在世界最高で、日本最高の新海誠あたりの10年くらい先を行っちゃってる感じですが、こっちはその見飽きた話が主題
しかも「続く」で終わってしまいました…
マーベルもDCもメインディッシュをテーブルの上に何十皿も積むような作り方には限界があると思うけどなあ…
2日で2作一気にみたら、心身疲れきりました。
 
ーーと、私の2作品との評価とはまるで正反対なので、
読者の皆様もぜひご自身の目でお確かめください。

 

今回はここまで。