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- 誰も知らないスター・ウォーズ④
- 4人の証人/誰も知らないスター・ウォーズ
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- 日本語化への懐疑/誰も知らないスター・ウォーズ
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- 誰も知らないスター・ウォーズ⑮【補完記事】
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前回(⑲に)いただいたコメント
大きな数字が好きな新プロデューサー、マッカラム
ルーカスはウォルター・マーチが監督した『オズ』(1985)に匿名で協力しており、
その撮影地となったイギリスで、『ドリームチャイルド』(1985)製作中のプロデューサー、リック・マッカラムと出会っている。
マッカラムの生誕地はドイツのハイデルベルグとされているが、本人はアメリカはミズーリ州の出身だと言い、英国俳優マイケル・ヨークが養父であることを認めている。
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改めて調べたところ、
マッカラムの実父は米空軍のパイロットのロイ・アルウッド・マッカラム。
母の写真家パットがマイケル・ヨークと再婚してパット・ヨークを名乗り、
リックはマイケル・ヨークの義理の息子になった。
マッカラムはアメリカで製作した『ペニーズ・フロム・ヘブン』(1980)の興行的失敗が痛手となってイギリスに移住し、英国の映画作りでは、たとえ作品がヒットしなくても製作者たちが経済的な打撃を被らない仕組みを学んだ。
ルーカスと知り合った彼は、ヨーロッパでの撮影が多かったテレビシリーズ「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」(1992)のプロデューサーに抜擢され、限られた予算と日程で撮影を完遂する手腕を発揮して、締まり屋のルーカスの信頼を勝ち取る。
テレビ「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」(日本放映は1993)では、テレビ番組本編用ではなく、この番組を元にして文藝春秋社から、日本人作家14人が分担して書き上げた14冊の文庫が刊行され、その14冊の表紙全てを生賴範義氏が担当した。
なお、巻順は時系列には並んでおらず、日本語版ビデオ発売サブタイトルとも呼称が異なる。
ネットで拾えた表示画像と、14冊の内訳は以下の通り。
1. ジャッカルの呪い (著:田口俊樹)
2. 国境の銃声 (著:中井紀夫)
3. マタハリの恋 (著:村松潔)
4. 戦下の別離 (著:友成純一)
5. 最後の伝令 (著:矢野浩三郎)
6. 初恋のウィーン (著:森下一仁)
7. 密林の聖者 (著:大森望)
8. 皇帝の密使 (著:小尾芙佐)
9. 東洋の秘術 (著:横田順彌)
10. 硝煙の詩 (著:川又千秋)
11. 脱走大作戦 (著:岡崎弘明)
12. 笑うバルセロナ (著:梶尾真治)
13. サバンナの探偵 (著:村上博基)
14. 赤い情熱 (著:槐多康彦)
結局は『エピソード1・2・3』の
シリーズ再開に先駆けた『4・5・6』〈特別篇〉の
プロデューサーもつとめたので、実質的にSW映画全六作のプロデューサーとして君臨することになった。
マッカラムは、ルーカスの意向通りに全てを予算と期日内に納めるのは得意だが、実作業面では色々と問題も多く、国外のキャンペーン活動ではたがが外れてしまうのか、記者会見で四文字言葉を連発するなど、 粗野な部分も目立った。
マッカラムはまず第一に、本当にSWという作品を理解しているのかが大いに疑わしく、第 1 作で一番印象に残っているシーンはと問われて、ルークが二つの月(実際はタトゥイーンの二重太陽)を眺めるところと、的外れなことを平気で言い放っている。
また、なにかと大きな数字をぶちあげて景気づけするのも大好きで、『エピソード 1』の興行収入はそれまでで最大のヒット作『タイタニック』(1997)を軽く超えるだの、最終作『エピソード3』の製作費は10億ドルだの、眉唾でない例を見つける方が難しいくらいである。
こうした虚言癖の最たるものがスタッフに関するコメントだ。1997年の〈特別篇〉で来日した頃には、2年後に公開を控えた『エピソード 1』の情報が漏れ伝わっていたこともあり、記者の一人から「新作のメカデザインはクソ(最低)だという意見が大勢を占めていますが」と質問されると、「そういう意見の方こそ最低だ」と嫌悪感をあらわにしており、これはひとえにチーフメカデザイナーのダグ・チャンを抜擢したのが、ほかならぬマッカラム自身だったためだった。
しかし『エピソード2』の完成時までには、マッカラムは自分が見込んだはずのチャンと言葉も交わさなくなり、代理に新たに2人の有能なアートディレクターを招き入れている。
ところがこの2人、ライアン・チャーチと
エリック・ティーメンズは、
ディズニーやユニバーサルなどの テーマパークを渡り歩いてきており、劇場用映画は『クローンの攻撃』が初めて手がけたものだったはずなのに、2人をたいそう気に入ったマッカラムは、『シスの復讐』にともなうインタビューで、彼らを『エピソード 1』でも起用したかったが、あいにく二人とも別の映画に参加していて手がふさがっていたなどと、事実とは異なることを平気で言い放っていた。
自分の都合の良いように過去を覚え違え、それをインタビューで公言して歴史を塗り替えたがるのは、どうやらジョージ・ルーカス本人だけではないようだ。
——と、原著からの転載はここまでで、