『アリータ:バトル・エンジェル』IMAX 3D
2019/3/1 T・ジョイ品川PRINCE シアター11 H-14
ジェームズ・キャメロンの寡作ぶりにはビックリ。
『ターミネーター』(1984・日本公開1985)で名を馳せると、
『ランボー/怒りの脱出』(1985/スタローンと共同脚本)
『エイリアン2』(1986 脚本/監督)
——までは矢継ぎ早だったが、
その後は新作までの間隔が2〜3年ごととなり、
『タイタニック』の1997年からは、
『アバター』(2009)まで12年も本格大作はなし。
キャメロンの課題は、
興収世界1位の『タイタニック』の次回作は、
当然それ越えを期待されること。
『アバター』がそれをなしとげたのは、
3D料金が割高だったからでもある。
キャメロン10年ぶりの大作だから期待もされたが、
初公開の大ヒットと比して、
9分間の未公開映像を加えて再登場した
『アバター特別編』が、
2010年10月16日(土)に公開されたときのひっそり度と、
奮わなかったであろう興行成績の落差には恐れ入る。
同様に、
作品の出来はともかく、
興行はショボかったんじゃないの?
『アバター』がたしか三部作構想になって、
1作目からかれこれ10年経過しながら、
いっこうに第二部公開の報が聞こえず、
公開前からキャメロン監督は本作が成功したら続編を製作したいと語っており、また、主演のサム・ワーシントンが続編2作分の出演契約を済ませていることを明かしている。
2013年8月、20世紀フォックスは続編として3作品を同時に撮影、2016年-2018年の各12月に公開予定としたが、2作目は2018年または2019年のクリスマス公開予定と更に延期され、2017年4月22日に続編4本の全米公開日が発表された。詳しくは以下の通り。
『アバター2』 2020/12/18
『アバター3』 2021/12/17
『アバター4』 2024/12/20
『アバター5』 2025/12/19
『タイタニック3D』
『アバター特別編』が示すように、
キャメロンほど、
自作の3D化や『特別編』にこだわる人はおらず、
まだシネコン未整備の時代には、
『エイリアン2』『アビス』『ターミネーター2』各「特別編」は、
劇場でなく限定メディアでの公開があたりまえ。
それ目当てでレーザーディスクを買う人も多かった。
ボツ企画も多く、
『スパイダーマン』も頓挫。
- 『スパイダーマン』の企画が持ち込まれた際、子供の頃から大ファンだったキャメロンは脚本を執筆し、それを読んだ原作者のスタン・リーも「誰もが知っているスパイダーマンでありながら、実に斬新でフレッシュなストーリーだ!」と絶賛したが、スパイダーマンの権利を持つ複数の会社の間で法廷闘争が起き、原作を発行するマーヴル・コミックスが倒産するなど混乱状態となったため、キャメロンは降板した。
- その後、ソニー・ピクチャーズが全権利の獲得に成功し、サム・ライミ監督の手によって映画化された。キャメロンの脚本は使われていないが、主人公の体内でスパイダーウェブが生成されるというアイディアは、キャメロンによるものである(原作では、手首に巻きつけた装置から噴射されるという設定)。
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原作・工藤かずや/画・池上遼一の『舞』(1985-86)も、
キャメロンが映画化予定という噂を聞いたが、
とにかく実現していない。
そういや、スピルバーグが名乗りを上げた、
『そして父になる』(2013)の
アメリカでの再映画化も、どうなったのか。
2013年9月28日、同作品に感動したというスティーヴン・スピルバーグと是枝がロサンゼルスで対談した結果、米映画会社のドリームワークスでリメイクされることが決定した。この日、東京・新宿の映画館で福山ら主要キャストが出席して映画の公開初日舞台挨拶が行われた際、是枝が国際電話で会場にリメイク決定を報告した。
「2202」が悲惨きわまる結末を迎えた
「宇宙戦艦ヤマト」だけは、
まともな堂々大作のリメイクの可能性が、
スカイダンス・メディアで製作する
『スターブレイザーズ』として期待できよう。
クリストファーの姓マッカリー(McQuarrie)は、
ラルフ・マクォーリー(Ralph McQuarrie)と同じ綴りだから、
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ホントはクリストファー・マクォーリーだと思うが、
「quality=クオリティ」に準じた「マクォーリー」表記は疑問視され、
「マクウォーリー」表記や、
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40年前の「マッカリー」「マッカーリー」表記もしぶとくはびこる。
“r”が一つ足りず、綴りがビミョーに異なる
McQuarrie
Macquarie
オーストラリアの財団があるから、
これに従えば、
クリストファー・マッコーリー
ラルフ・マッコーリー
がふさわしい表記となるだろう。
とまあ、相変わらずあちこちそれまくり、
『アリータ:バトル・エンジェル』について触れなかったのは、
書くことがあまりないから。
ヒットしてるし、
おおむね高評価だが、
私はそんなに感心しなかった。
映像に初めて触れたのは、
たしか映画『ハン・ソロ』公開中の
2018年の夏頃。
現実にはありえない目の大きさにビックリしたが、
ジェームズ・キャメロン作品というのも驚いた。
『アバター』続編で忙しくないのか?
そしたら監督は別の人で、
ロバート・ロドリゲスらしい。
『スパイキッズ』三部作(2001・2002・2003)と、
『グラインドハウス』(2007)ぐらいしか見ていない。
『シン・シティ』(2005 フランク・ミラーと共同監督)は、アメリカで初見。
字幕なしだとよくわからず、たっぷり寝入り、
後日、日本で再鑑賞。
特に可もなく不可もなく。
さて、そんなロドリゲス監督の今回のお手並みは?
この記事(意外や超傑作『スパイダーバース』IMAX 3D)で書いたとおり、
峯岸みなみをプリクラ画像で目を大きくしたみたいな主人公の
映画というぐらいしか感想がない。
原作(木城ゆきとによるマンガ『銃夢(ガンム、GUNNM)』)は未読で、
それは伝わって来るんだが、
とにかくどうでもいいようなシーンでも、
ここぞという見せ場でも、
変わらずていねいな画づくりが続けられ、
ヤマ場もなくずっと一本調子でメリハリがない。
もう少し、タメやハッタリ、外連味(けれんみ)があってもいんじゃないか。
音楽(トム・ホルケンボルフ)も同じ調子で、
似たような調べがずっと鳴りっぱなしで抑揚がない。
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原作が古いから、
本当の25世紀だったらあり得ない描写もあるが、
こうした不備の全てを、
「原作がそうだから忠実に再現しました」で逃げるのはどうなのか?
『アリータ:バトル・エンジェル』は、中国でも大ヒットしてるらしい。
同国でスター・ウォーズが『最後のジェダイ』(2017)
『ハン・ソロ』(2018)と大コケしたのは鑑賞眼が確かな証拠かも知れないが、
その前は『トランスフォーマー』の最新作(トランスフォーマー/最後の騎士王・2017・未見)が空前のヒットというから、
イマイチ信用おけない。
とにかく、
個人的には『アリータ』は、
この程度だったら、
IMAXか3Dかどうかを問わず、観ても観なくてもよかったような感じでした。
1970年12月12日生まれのジェニファー・コネリーは48歳だが、痩せてる人は老けないね。