2202第20話「ガトランティス、呪われし子ら」に寄せて | アディクトリポート

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宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち

第20話「ガトランティス、呪われし子ら」2019/2/15放送

 

【概略】

ヤマト墜落時のアクシデントにより、雪が失っていた記憶を取り戻すが、代わりにこの4年の記憶を失ってしまい、古代は絶望する。キーマンたちは墜落した惑星にある遺跡を調査し、そこで遺跡の語り部と出会う。そして、ここがガトランティス発祥の地である「ゼムリア」という星であることが明らかとなる。約1000年前、ガトランティスの中で人間と相違ない高度な知性を有していたズォーダーは、ゼムリア人のサーベラーと愛を育んでいた。しかし、ゼムリアとガトランティスの戦争の中で、ゼムリアの作戦と自らの選択によって妻子を失い、「人類」と「愛」に絶望。人類を裁くために、サーベラーのコピーを巫女として、滅びの方舟(後の都市帝国)を目覚めさせたのだった。ヤマトが語り部と接触している頃、白色彗星は銀河艦隊を突破し、火星圏へとワープした。

 

都合、同じ話を通算2回見ましたが、

こんなあらすじだったとはわかりませんでしたよ。

 

はてさて、

同じことを何度も書くのも能なしだから、

なるべく異なる評価をしたくはあるが…。

 

話が同じようなところを行きつ戻りし、

前に説明不足なところを今さら補足するが、

余計な付け足しで話がどんどんこんがらがり、

観客/視聴者はついていけなくなり、

ひたすら興味関心が薄れていく。

 

  • ズォーダーが殺したサーベラーはいつどうやって復活したのか?
  • 彼女にしかなく他とは別の、クローンとは異なる再生法はどういうものか?
  • 地球と共同戦線を張るはずのガミラス軍は、ガトランティス対地球軍の初戦で何をしていたのか?
——等々の、個々の段階での突き詰めの甘さを補う取りつくろいが、話の後先が逆転して語られ、
しかも説明の前提として、
またしても新たな設定がひねり出されてしまうため、
その弊害で話の焦点がボケてしまい、
今回触れずじまいだった部分がおろそかになる。
 
たびかさなる反芻(はんすう)って、
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」って、
ヤマト版〈牛の食事〉かよっ!
 
だいたい、ゼムリアの遺跡って、
ヤマトがこの星の残骸にたどりつかなかったら接触しなかったんだから、
そうなった原因作りの加藤三郎は結果的に殊勲者になる。
 
でもってガトランティス帝国は、
タコ足だかカニ脚の中に、
なんでゼムリア星の遺骸?をため込んでいたのか?

ズォーダーの歴史の出発点だったから、
歴史保存資料館かなんかのつもり?
 
いったん、都市帝国の原形を築いて出発したのに?
当初のガトランティス艦艇(滅びの方舟)のデザインが、
時間断層施設と似たり寄ったりなのも混乱する。
サーベラーの再生システムを温存するため?
そうまでしなければならないのなら、何度も殺したりするなよ。
 
ゼムリアの記憶情報が膨大すぎ、
アナライザーのサイズには収まりきらないため、
遺跡探検隊は事態収拾?のため、ひとまずヤマトへ帰還することにする。
 
?????????
 
アナライザーのボディに蓄えた情報量は足りないのに、
ヤマトに戻っただけで、どうにかなるわけねえだろ!
 
帰還という事態収拾策が、
どういう行動動機や判断基準なのか、
さっぱり理解できません。
 
今回の20話で、
ズォーダーの起源は超太古文明のアケーリアスにはなく、
たかだか1000年程度の歴史しかない、
ゼムリアからの乗り換え組だったと判明。
 

さしずめウルトラマンベリアルが、

光の国の生まれながら、

宇宙を放浪してレイブラッド星人に巣くわれたような、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-redes
キャラに何段階かの成立過程があるわけだが、

996587

 
とにかくゼムリア設定の二段構えの付け足しにより、
今回不在のテレサが、すっかりかすんでしまった。
 
なにしろいいわけがましくタイクツで、
ドラマ展開にまったく心惹かれず、
「そうだったのか」と感心しないで、
「なんやねん、それ」と呆れるばかり。
 
アクビが6回ぐらい出た。
 
ここで、関連事項として過去記事へのコメントを転載。
 
Doburokutao
 
19話での謎の前に
大帝が誰かさんの目を通して森雪を見て驚きますが…
その前に、森雪が土方に艦長就任を依頼する際の土方の言い方が引っかかってるんですね…
「人間はそうやって…」とか,「お前が選んだ…」
 
これ、付き合いの長い間柄ならともかく、普通使わない言い回しかと…
加藤君の扱いで不思議なのは、ヤマトに追いつくためワープブースター付きで追いかけた加藤の描写の後、アンドロメダ艦内での会話の含みがあればまぁ普通は「加藤は反ヤマト派から何か命令されているかと期待」するじゃないですか…
なんか、思わせぶりで捨ててる(回収してない)事が散らばっているような。
 
まぁ、別の意味で楽しんでいますが…
 
追記 今更2199の火星叛乱って石津版が元ネタと知ったぐらい作品に疎いので、ヘビーなヤマトファンから見れば失笑物の指摘かもしれませんが。
さらばの…地球艦隊の艦艇のデザインラインに急造感を感じたのは マクロス1作目の地球側メカに急造感を出すデザインを入れた宮武氏の説明を読んだからです。なぜあの円錐形で構成されたデザインになったかを想像した,
あくまでも個人のいい加減な思い付きです。
 
いつもながら、
Doburokutao氏の着目点や考察には、
「そこまで真剣に見入って分析する作品なのか」と、
私の心はすっかり離れておりまする。
 
********************
 
さて、これだけだと、
以前のブログ記事と指摘している問題点は変わり映えしないので、
なぜオリジナルヤマト(1974)に
キャラの絵柄を安定させる、
名キャラデザイナー/作画監督がいなかったのかについて。
 
当初のキャラデザは、
松本零士のラフ画を下絵に、
 
 
刷新
 
岡迫(オカセコ)氏と言えば、
私の福岡時代、小学5/6年の同級生に、
迫(さこ)クンがいたので、
「おかこ」じゃないかと思ったが、
関脇「せきわ」と書いても「せきわ」な日本語なので、
「おかこ」で正解でしょう。
 
とにかく

 
なぜテレビ本編は徹底されず、
白土武氏の殺伐キャラが頻出したのか。
 
たしか聞いた話だと、
岡迫氏はテレビシリーズ開始間もなく病気療養。
最終回あたりにようやく復帰したんだとか。
 
ラスイチ前25話のイスカンダルでの、古代守とスターシャの別れ?のドラマなんかは、
絵柄も動きも、岡迫氏ならではの名場面だと思う。
 
守の帽子の落ちるところとか。
 
『コクリコ坂から』(2011)で、ふと思い出しました。
しょうねん
 
いや、『コクリコ』の作画に、
岡迫氏が参加したわけじゃなくて、
クライマックスで、
船だか桟橋に飛び乗り移るところのアクションとかテンポがさ
…って、誰がわかるねん!
 
そういや、
岡田斗司夫氏は、
たしか吾朗の新作(未見)にも注目してたっけ。
世間は「2202」よりもガン無視なのに。
 
岡迫亘弘氏に話を戻せば、
その名前はアニメに限らず、
特撮/実写作品でもよくみかけるため、
『別冊映画秘宝 特撮秘宝』vol.3
で特集しており、
 
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Wikiには、こうまとめられている。
 
1942年5月30日生まれ
 

漫画家を目指していたが、東映映画部の興行部長を務めていた伯父の誘いを受け、1958年に東映動画(現:東映アニメーション)に入社。

『かっぱのぱあ太郎』や『白蛇伝』など同社の初期作品に携わった。

 

その後、手塚治虫が『西遊記』の制作に参加したことをきっかけに虫プロダクションへ移籍。『鉄腕アトム』に携わった後、虫プロの下請け会社としてVEFプロダクションを設立して『W3』を手がけたが、虫プロの経営悪化によりVEFプロダクションも解散してフリーとなる。

 

その後、1987年には作画スタジオ「スタジオ・ヴィクトリー」を設立し、同社の代表に就任した。

 

1970年代は実写特撮作品にもキャラクターデザイナーとして参加したことがある。『正義を愛する者 月光仮面』に参加したことをきっかけに、同じ川内康範原作の実写特撮作品『レインボーマン』や『ダイヤモンド・アイ』のキャラクターデザインを担当。

その後も『月光仮面』などの萬年社から東宝の『流星人間ゾーン』、

日活の『電撃!!ストラダ5』などの実写特撮作品のキャラクターデザインも担当した。

 

********************

 

ところで前回の記事へのコメントで、

新しい方が、かなり的を射た発言をされているので、

ここに転載します。

 

やまのぶ

 

ヤマト音楽
いつも楽しく拝見させていただいております。

ヤマト2202については、以下のようにヤフーレビューでも書かせていただいたものです。
 
(以下転載)
宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち/第六章 回生篇 (2018)
 
設定説明と言い訳台詞の応酬劇

2018年10月20日 18時58分

星1つ評価
 
先行上映会に行って来ました。
生コメンタリーは非常に楽しめました。

冒頭10分だけで数えきれないくらいの突っ込みどころがあります。
意味のない電源喪失などのその場だけのピンチ設定、情報パネルの誤字脱字、ヤマト残留者の描写不足、「ご存じの通り」で片付けられるガミラス盾の裏設定などなど。

某SNSでは、画面の派手さに騙されるファンが大絶賛していますが、本編も負けず劣らずのひどさです。

簡単に言えば、アニメではなく、小説の挿し絵をずーっと見せられている感じです。
今まで説明出来ていない(意図的ではなく力不足)裏設定や登場人物の心情を全て台詞で垂れ流しながら、五ヶ月かけてブラッシュアップした絵を派手に見せているだけ。伏線を回収しているのではなく、終止描写不足の言い訳と化しています。アニメの必要がない。

ずーっと説明台詞が続くのと、台詞と描写が噛み合っておらず、時系列がめちゃくちゃなため、見かけ情報量は多いですが、ぶっちゃけ1度見れば十分です。字幕でトランスフォーマー観てる気分。

特に22話に関しては擁護の余地が全くなく、全章通しても脈絡のない最低の出来でした。デスラーかわいそう。

悪い所はいくらでも見つかるので、良いところを必死になって探しました。以下話数別にいくつか。

19話 ヤマト2であった、自動化、効率化vsマンパワーの縮図が掘り起こされる。これは原点回帰で良かった。ヤマト2のテーマがやっと戻ってくる。でも銀河でやる必要性が皆無。

20話 効率化の果てに人体改造、クローニングの未来を匂わせる。女性しか銀河にいない理由など、ヤマト2にはなかったダークな展開が良かったが、2199でボツになったアクエリアス始祖ネタとリブートギャラクティカパクりと言われればそれまで。

21話 時系列ぶっとばしたAI自動化のおかげで、戦艦を一人で動かせるようになっ(ちゃっ)たので、余計なキャラ描写をする必要がなくなり、艦長一人を描写すればよくなった。おかげでノイズが入らず感情移入しやすい。また、この二話でせっかく温めたAI設定を完全否定するどんでん返し(笑)があるので、ヤマト復活まではなかなか観ごたえのある展開。
絶賛してるひとはここを褒めているのだが、ぶっちゃけ今まで出来てなかった取捨選択が偶然成り立ってるだけなので当たり前。

22話 全くいいところがない。作り直せレベル。

という訳で、偶然とはいえ一章一話にあったような取捨選択されたキャラ描写でグイグイ引っ張る話が間にはさまっているので、そこだけ若干のヤマトイズムも感じますが、今までがひどすぎるのと、その場で思い付いたことを並べたようにしか見えないので結局星は一つです。

二つだけどうしても突っ込みたい。
イスカンダルはどこいった?
時間断層工場の資材はどこから持ってきてんだ?

どうすればガトランティスを倒せるかも判明してしまったので、あとはもう風呂敷畳むだけ。次回は和解か愛ゆえにガトランティス自滅かどちらかになりそうですね。
(転載終わり)
 

一つだけコメントさせていただくと、今回の音楽について、宮川泰先生と宮川アキラさんでは、作曲時のシチュエーションが全く違うと思います。

賛否両論あれど、クラシックや劇伴に思い入れの深いプロデューサーの指示や、同じくクラシック音楽に明るい石黒監督とのやりとりがあったからこそ、宮川泰さんはヤマトにあのような名曲の数々を用意されたと私は思っております。

大いなる愛にしぼっても、音楽畑の私から言わせていただければ、風と共にさりぬ「のような」曲でありながら、よくもまあうまく逃げつつ効果的な曲にするもんだなぁと感心しきるところであります。(私は生前にご本人とお話し、上記のような感想を直接お伝えする機会にもめぐまれました。でしょー?と笑っておられました。)

今回に関していえば、おそらく監督やプロデューサーからの具体的な指示や説明などは無いのでしょう。明らかに2199の時から比べても失速しています。
今回の銀河のテーマは、具体的に指示もなく、特に思い入れもなく間に合わせで書かれたのではないかなぁというのが私の印象です。

同時期に作曲された手塚治虫原作ブラックジャックのオペラは、とても意欲的で作品に勢いがありました。
私個人としては、弦楽器の扱いはお父さんには及びませんけど、歌ものの作品を書いているアキラさんは輝いてるように思います。
ヤマトに関しては当然お父さんと比較して編曲者どまりと言われるのも無理ないかもしれませんが、これからはそちらで作曲家として活躍されるんじゃないかと思います。
(引用終わり)
 
私は宮川アキラ氏の他作を聞いたことがないため、「どうせ親の七光りだろ」と邪推してしまいましたが、不振の原因は「2202」ならではだったかも知れません。
 
やまのぶさんのおっしゃってることに異論はまったくありませんが、
他の方も以下のような御指摘をされています。
 
 
JOE
 
碧水晶って
2199で評価の高い碧水晶って、お父さんの想人のバリエーションですよね。
 
↓「碧水晶」
 
↓宮川泰 想人(おもいで)

 
今回初めて明かしますが、
ティム・エルドレッドの通訳をした関係で、
エナジオ/ボイジャーの要職から聞いたが、
生前の西崎義展氏も『復活篇』の先行きに確実性がないため、
周囲からオリジナル「宇宙戦艦ヤマト」(1974)のリメイク企画を持ちかけられ、
次第に実現の方向に気持ちが傾きながらも、
いくつかの守るべき条件を提示。
 
その一つが、「音楽は変えるな」だったとか。
 
だからそれについては、
泰氏の息子アキラ氏が適任だし、文句を言ってはいないわけです。
 
ジョン・ウィリアムズだって、
引用は頻繁ですしね。
 
要は誰と組み、相乗効果で作品をよくするか、
反対に脚を引っ張り合って質が落ちるかですね。
 
それに関連するコメントでは、
小林誠「2202」ウルトラスーパーデラックスミラクルサブディレクターに、
Twitterをブロックされた経緯を語った、星野悲鳴さんのリプをここに転載しておきます。
 
(以下引用)
 
星野悲鳴
 
ブロックの理由?
プラモデルのメカコレ・コスモタイガーⅡの試作品が発表された時に、
そのあまりにも機首が垂れ下がったプロポーションに幻滅してしまい、
「アポロノームの甲板に整列した画では、旧作に登場したCT2と同様に
機首・胴体・翼が一直線に描かれていたのに、メカコレの試作品では
真夏のダッシュボード上で放置されたかのように機首が垂れ下がっていて、
あれでは主翼の機関砲と機首のパルスレーザーとの射線に角度が付き過ぎて
射撃する人はどっちに撃てばいいのか大変ですね」と書いたのに加え、
「同じシリーズのコスモゼロと一緒に並べられませんね」と書いて以降、
副監督"様"のツイッターを拝見することが出来なくなっちゃいました(笑)。

2202のメカコレプラモの箱には、側面図もしくは平面図が描かれていますが、
コスモタイガーⅡでは平面図の他に、垂れ下がった機首の側面図・正面図
を含めた三面図仕様となっており、「図面に正確に模型化されている」
と仰りたいみたいです。
(先述のアポロノーム甲板上での画が間違っていることになりますが…)
 
コスモタイガーⅡの側面図に関しては、
以下のような取り繕いバージョンを、
ウルトラスーパー〜サブディレクターが、
自分のTwitterでぶちまけているのを、
私ものぞけないため、
海外ファンサイトで知りました。
 
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