MSV THE FIRST(ザ・ファースト)を読み解く | アディクトリポート

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真実をリポート Addictoe Report

これ(ジェネレーション/THE FIRST・2つのMSV新刊)の続き。

 

遅ればせながらついに買って、

今では手元にありますよ。

 

MSV THE FIRST

 

MSV THE FIRST (双葉社MOOK)
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双葉社
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改めて手にして、

実際にポツポツとつまみ読みしてみると、

さすがはスキもムダもない充実の1冊。

 

「読めばわかる」内容をあれこれ取り沙汰しても仕方ないので、

ここからは追加説明につとめます。

 

※以下の画像は過去の本ブログ記事/ネットからの転載で、

「THE FIRST」からの直接転載ではありません。

 

はじまりの4機

 

後のMSV設定とは違う名前だが、

当時の現役ガンダムファンが目にしたザクバリエーション、

1981年5月15日付け発行(実際の発売日は4月15日)の

「劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック」
(講談社テレビマガジンデラックス4)
ぐらふぶっく
に掲載された、

最初の4機は、

湿地専用ザク

めいうさい

水中用ザク(ザク・マリンタイプ)

みず

砂漠戦用ザク(ザク・デザートタイプ)

でざ

ザクキャノン

きゃのん

5tai

 

この4機について、

「連邦軍の意匠(デザイン)もちょっと入っていて苦労した」

(小田正弘氏)

そうだが、具体的にはどこが「ジオン」でなく「連邦」なのか。

 

水中用とキャノンのように、

太ももが角張っているのと、

sippai

キャノンの胸のスリットダクトは、

ジオンではゲルググまで未登場だった。

ぐぐ

 

しかしMSV以後は、

後継企画MSXの、

ギガン

ぎが1

ガッシャ

ガルバルディ(α)

——が設定され、ジオンにも胸スリットダクト機が増えた。

 

プロトガンダムの禍根

 

小田正弘氏の、大河原邦男氏へのプロトタイプガンダム発注は、

指示不足で意図通りには伝わらなかったんだとか。

 

「決定稿直前のちょっと太目のガンダムがやりたかったが、オーダーをしくじった」

 

小田氏の案は、

ガンダム・ボツ稿をMSVに編入することだった。

さんたい

 

しかしこのボツ稿、

そもそも大河原氏ではなく、

安彦良和氏が描いたものだし、

↓直接目にした人も少ないのではないか。

ろまん

「アニメージュ」誌に掲載されていたものを、

めーふ

アニメージュ 1979年9月号

「ベルばら」がらみで偶然見つけた

 

同じ徳間書店の「ガンダムロマンアルバム」掲載分は、

「アニメージュ」記事より、

うんと小さい図版だった。

 

それ以外ではこの絵柄を見た覚えがなく、

それは大河原氏も同様で、

小田氏の発注も把握し切れなかったんだろう。

 

ボツ稿は、

  • 黄色いアンテナなど、顔の彩色が異なる
  • 横2本線のチョビ髭なし
  • シールドの形状が異なる
  • ビームライフルが別形状
  • 右腰のコントロールボックスが大きい→ホルスター?
  • すねあてにスリットが追加
  • 【追記】太もも下部(膝あて上部)が大きくえぐれている

なっぷ

以外に、

決定稿より頭身が低く、ズングリ気味だが、

けっていこう

↓大河原版プロトガンダムは、決定稿と同じ頭身である。

そのため、頭の大きさを揃えて並べると、

大河原版の方が安彦版より大きくなる。

 

大河原スタイルの見直し

 

「MSV THE FIRST」に再録された、

モビルスーツの大判デザイン画を改めて見直すと、

立体再現が不可能な絵の矛盾に気づいてしまう。

 

たとえば

グフ重装型

左腕(画面右側)の据わりが悪い。

今ならフォトショで手軽に修正可能。

 

 

次に、

ペズン・ドワッジ

左脚(画面右側)が、いくらなんでも開きすぎでは?

↓修正してみた。

ダグラム(1981)
だぐらむ
ソルティック、
そると2
ブロックヘッドと、
ぶろpへ
大河原メカの左脚(左足)は、
 
MSX/ペズン・ドワッジの頃(1984)には、
だいぶ元に戻りはしたが、まだクセからは完全に抜けきれなかったらしい。
 
それとこれは個人的な感想だが、

※あくまでも私個人の感想です。

「ザ・ウルトラマン」の内山まもるが、
マンガ家としての最人気タイトルのウルトラマンを保持できても、
作家としてはウルトラからの脱却を模索していたように、
大河原氏もMSV/MSXへの取り組みには、
途中からあまり力が入っていないように見受けられる。
 
manndara
 
——と、ここまでは私の雑感だが、
次はいただいた貴重な関連コメント。
 
Doburoku-TAO
 
「THE FIRST」と並べて読むとなおおいしい
「トイズアップ!」2014年の創刊から2018年の休刊まで掲載された 小田雅弘氏の連載をまとめた「ガンダムデイズ」(ISBN978-4-88775-006-7)も一読をお勧めします。

 個人的には連載末期の「プラモガイド」の紹介(なぜこのタイミングで紹介したかが?)と「タミヤの社長に逢えて嬉しい」話は、いまいちですが…。少なくともこの本を読むと、あさの氏の本のいい加減さが見えてきます。
 
ガンダムデイズ
ガンダムデイズ
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小田雅弘
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