前回は、ザクのバリエーションだけに的を絞ったが、
今回はテレビアニメ「機動戦士ガンダム」(1979年4月7日 - 1980年1月26日)から、
バンダイプラモMSV(モビルスーツバリエーション・1983年4月 - 1985年9月)
までの3年余に、何があったのかについて。
もうちょっと期間を狭めると、ガンプラの発売開始は、
本放送終了半年後の、1980年7月。
MSVの動きの端緒は、1981年5月15日付け発行(実際の発売日は4月15日)の
「劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック」
(講談社テレビマガジンデラックス4)
に掲載された4点のイラスト、
↓これと、
↓これと、
↓これと、
↓これが、
評判を呼び、児童誌コミックボンボンでの展開後、
2年経って、ようやくプラモになった。
このイラスト発表の半年後の、1981年10月23日からは、
「太陽の牙ダグラム」というテレビアニメが放送される。
これは「ガンプラブームをタカラでもう一度」を目論んだ企画で、
大河原邦男をメカデザイナーに再起用し、MS(モビルスーツ)をコンバットアーマーと呼び変えて、再展開したもの。
コンバットアーマーは、「CBアーマー」と略記された。
なんで「Cアーマー」とか「CA」と略さなかったのかは、不明。
大河原氏がメカデザイン担当のため、主役メカのダグラムも、
主役ガンダムの安彦良和ポーズを引き継ぐわけにはいかず、
大河原立ちのザクスタイルを継承。
で、さすがにMSとの違いをどこかに出すべく、足の開き方(そこだけかよっ!)を変えることにした。
パターンAは、今まで通り。
左足が、「ほぼ」真正面に描かれているもの。
↑サバロフAG9 「ニコラエフ」
↑水陸両用CBアーマー、ソルティックH404S 「マッケレル(=鯖・サバの意)」
↑アイアンフットF4X 「ヘイスティ」
パターンBは、かかとを揃え、つま先を開いた足位置で、左足がかなり外側に開いたように描かれているもの。
CBアーマーは、このパターンが一番多い。
↑ソルティックH8 「ラウンドフェイサー」
↑ソルティックH8RF 「ラウンドフェイサー コーチマspl(スペシャル)」
↑頭部と足底以外の殆どの装甲を撤去して軽量化。迷彩柄の防水布を着用し、左腕に大型シールドを装備した運動性能向上型「パジャマ・ソルティック(劇中では呼称されていない)」
↑ソルティックH102 「ブッシュマン」
↑複座型の寒冷地用2足型CBアーマー
ソルティックHT128「ビッグフット」
パターンCは、パターンBの描き損じみたいな感じ。
↑アビテートT10B 「ブロックヘッド(=間抜け・でくの棒の意)」
膝の関節から無様にねじれ、さしずめバレエの足の基本位置(1番ポジション)でも、
↓これが1番ポジション。
↓ブロックヘッドの足位置がわかる背面設定。
↓これが2番ポジション。
こういう「えづら」には、ならないんじゃないの?
で、ガンダムで味を占めた、バリエーション(ちょこっと変え)展開でしのぐやり方も踏襲されたらしいが、
↑表紙から、いかにも中身がうかがい知れる、こういう本が、講談社から3冊も!
↓たぶん、その中身だと思われ……
とてもつきあいきれないので、詳しくは知りません。
とにかく大河原氏は、1983年3月25日の放映分まで、ガンダムとは別番組でも、モビルスーツのデザインバリエーションでしのいでしまい、この切り抜け方が結局、MSVへと還元されていくことになった。
言ってみれば、
「メカデザイナーほど気楽な商売はない」
って感じでしょうか。
ダグラムつながりで、おまけ。
↑(左)「ダグラム」(1981)のクラブガンナー。(右)『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(1980)のAT-AT。
ハァ…(タメイキ)
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