「やっと!」と言っても、作家集団アディクトに、具体的な突破口が開けたわけではありません。
前(1/23)にこの記事で、
TOHOシネマズの実質値上げについて、グダグダと書き綴った最後に、
マスコミは、「TOHOシネマズが値下げ」だけを、単純に報道してんじゃねーよ、バーカ!
と書いた。
それから約一月。
ようやく、同様の主旨の記事を発見!
ですがこの人の記事の方が、よほど簡潔にまとまっています。
なので転載。
東宝シネマズの姑息な値下げ発表の裏側に宿るもの
加藤鉱/アゴラ
2011年02月21日08時00分
以下は日本の映画料金(カルテル価格)の変遷である。
1957年 130円
1959年 200円
1965年 250円
1970年 550円
1975年 1000円
1980年 1400円
1995年 1800円
2011年 1500円
問題は、映画産業が斜陽となってきた1970年からの急激な値上げだろう。観客数減少分を料金値上げでまかなってきた映画界の無能、無策ぶりは見てのとおりである。
【6割以上が入場料1000円組という現実】
先般シネマコンプレックス(複合映画館)最大手のTOHO(東宝)シネマズが映画料金の値下げを発表した。現行の1800円(18歳以上)を300円安い1500円にし、18歳未満については1000円になるという。
「映画が安く観られるようになる!」
大手メディアを中心に一斉に伝えられたのは記憶に新しいはずである。映画最大手の東宝の興行部門が初の本格的な値下げを試みるということで、メディアはかなり大きく、しかも好意的に取り上げた。日本の映画料金の変遷にきわめて大きな違和感を覚えていた筆者も、今回の値下げ発表を評価した一人だ。
だが、すぐに冷水を浴びせられた。なんだか東宝が映画ファンのためにいいことをしたような報道がなされているけれど、実際は逆であったのだ。
60歳からのシニア割引(1000円)を65歳からに変更。レディースデイなどの割引をやめる、といった事実上の値上げについて、なぜか新聞はじめ大手メディアははっきりとは伝えていない。おそらく東宝ににらまれたら困るメディア側が自主規制していると思われる。
より正確に述べると、シニア割引の変更は業界紙では報道されていた。さらに、もっとも利用の多いレディースデイ割引、夫婦50割引については、変更されるかもしれないといった含みをもたせた表現がなされていた。
わたしが映画関係者に取材したところ、おおかたは「レディースデイ割引、夫婦50割引はやめるのではないか」と予測していた。東宝をよく知る業界関係者は、「競争状況に応じて、割引をやめる劇場とやめない劇場を設定するのではないでしょうか」とも語っていた。
それにしてもなぜ東宝は、事実上は値上げをしようとしているのに、メディアに「値下げ発表」をさせるような姑息な手段に出なければならなかったのか。
ここ数年間、映画業界の過当競争により、入場料単価が下がり続け、下げ止まっていないことにほかならない。
「2004年は一人当たり平均1200円でしたが、昨年は1100円を割り込んでいます。様々な割引を使って1000円で映画を見る人の割合が6割以上にもなっているのです」(映画関係者)
興行側の劇場経営者に聞くと、苦しい実情が透けて見えてくる。
「建前料金の1800円で映画を見てくれる人は全体の1割程度しかありません。東宝さんが発表されたように1500円均一になれば、入場者全体の2割程度の人には値下げになりますが、8割の人には値上げになってしまいます」
こんな顧客をだますような価格設定をしている業界は、旅行と映画だけではないのではないか。
しかし、東宝ともあろう会社がそんなせこい了見のみで今回の発表がなされたのではないと見る向きもある。掘り下げた取材を続けて、再度報告しようと思う。
ノンフィクション作家 加藤鉱
後記 最近大手紙から、TOHOシネマズでは値下げ対象劇場での各割引廃止を決め、集客に与える影響を分析する旨の発表がなされている。
この項終わり
で、転載だけで済ませるのもどうかと思うので、ここからが私の意見。
TOHOシネマズの、過去の余罪(笑)についての、私のまわりくどくて、それまくるレポートは、
こちらや、
こちらで。
19日には、TOHOシネマズ錦糸町で、NEWSの山下智久(25)が、「あしたのジョー」(公開中)の舞台あいさつを行った。
シネコンで、しかも都内でもはずれにある錦糸町で、ジャニタレが舞台挨拶するなんて、TOHOシネマズ以外にあり得ないと思われ。
先日も、日本アカデミー賞という茶番劇で、東宝配給の「悪人」には、
深津絵里の海外での受賞を踏まえて、
のきなみ俳優陣、
妻夫木聡、
深津絵里、
柄本明、
樹木希林に
賞を与えながら、
監督賞と作品賞と脚本賞は、前に「フラガール」で獲ってるからと、
李相日監督には与えられず、
あろうことか、幼稚で無責任な「告白」
(やはり東宝)に与えるなど、映画界全体の東宝天下体制には、
相当に深刻で、末期症状的なものがある。
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