アクティブエイジング アンチエイジング -53ページ目
[<抗てんかん薬>妊婦服用で生まれる子の脳に悪影響の可能性]

(毎日新聞 2015年11月20日)


九州大などの研究班は妊娠中に抗てんかん薬を服用すると、生まれる子供の
脳神経細胞(ニューロン)の生成が低下し学習・記憶機能に悪影響が出る
可能性があることをマウス実験で突き止めたと発表した。
一方で生まれたマウスが自発的な運動をすることで機能が改善することも
分かったとしている。
米科学誌ステム・セル・リポーツ電子版に19日掲載された。


九州大大学院医学研究院の中島欽一教授(神経科学)らは、抗てんかん薬
「バルプロ酸」を投与した妊娠マウスから生まれた子と、バルプロ酸の暴露を
受けていない通常のマウスの10匹ずつに、迷路を使った学習・記憶テストを
した。
5分間実施して比べたところ、通常のマウスは迷路の正解率が66%だったのに
対し、暴露マウスは50%だった。
暴露マウスは通常のマウスに比べニューロンを生成する神経幹細胞の数が
少なく、ニューロンも少ないうえに形態などの異常がみられたという。

さらに研究班は暴露マウスの飼育箱に、中に入り自ら走って回す車を設置して
運動をさせたところ、テストの正解率が66%に回復し、ニューロンの異常も
なくなった。


世界でてんかんの妊婦の約2割がバルプロ酸による治療を受けているとされ、
生まれた子供の認知機能低下も報告されているという。
中島教授は「てんかんを患った女性でバルプロ酸の投与が欠かせない人も
おり、(子供に悪影響が出た場合の)治療法の開発につなげていきたい」と
している。




【関東晋慈】




http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151120-00000003-mai-sctch







 
[高齢者の低温やけどに注意=こたつで就寝、指切断例も―消費者庁]

(時事通信 2015年11月19日)


気温が下がり、カイロや湯たんぽなどの使用が増える冬を前に、消費者庁は
低温やけどへの注意を呼び掛けている。
特に高齢者は若者に比べて感覚が鈍くなっており、気付かないまま重傷を負う
ケースもあるといい、同庁の担当者は「製品の注意書きをよく読んで、正しく
使用して」と話している。

消費者庁によると、今年9月までの6年間に、65歳以上の高齢者が低温
やけどを負った事故情報は計119件寄せられた。
うち10件は入院が必要で、こたつで就寝して重いやけどを負い、足の指2本を
切断した70代男性もいた。

原因別でみると、カイロが28件と最多。
以下、湯たんぽ(19件)、ストーブ類(18件)、電気毛布とあんかが、
それぞれ12件だった。


表面温度が44度の場合は3~4時間、46度では30分~1時間程度接し続ける
と、皮膚が損傷を受けるとされている。
熱さを感じないまま皮膚の深くまでやけどを負っているケースも珍しくないと
いい、同庁は「痛みや違和感があれば医療機関で受診して」と注意を促して
いる。




http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151119-00000020-jij-soci











 
[条虫からヒトにがん細胞が伝播 ―コロンビア人男性の例]

(HealthDay News 2015年11月4日)

HIVに感染しているコロンビア人男性に、条虫から伝播したがん細胞に起因
するがん性腫瘍が発生した症例が報告され、「New England Journal of
Medicine」11月5日号に掲載された。

米国疾病管理予防センター(CDC)によると、これはいわゆる「悪性形質
転換」の初めての症例だという。


小型条虫は、開発途上国をはじめ世界的によくみられるヒトの寄生虫。
ネズミの糞や昆虫に汚染された食物や、感染者の糞便から条虫の卵に感染
することがある。
通常は無症状だが、腸内で小型条虫が繁殖を繰り返す場合もある。

今回の症例では、HIVにより免疫力が低下していたために小型条虫の繁殖が
抑えられず、一部の条虫の細胞に蓄積された変異が最終的に宿主の腫瘍を
引き起こしたと考えられる。


2013年、コロンビアの医師からCDCに奇妙な症例についての相談があった。
41歳のHIV感染者の男性が疲労感、体重低下、発熱、咳を訴え、CT検査では
肺、肝臓、副腎に腫瘍が見つかったが、生検の結果、腫瘍はがんに似ている
ものの細胞サイズは10分の1以下と極めて小さく、ヒトの細胞には通常
みられない細胞の融合もみられた。
CDCのチームは約3カ月かけて患者の腫瘍細胞内に小型条虫のDNAを発見
したが、男性はその3日後に腎不全のため死亡した。

CDCの研究チームの1人であるAtis Muehlenbachs氏によると、条虫の細胞が
悪性化して宿主の腫瘍を引き起こした機序はわからないが、今回の症例では
患者がHIVの薬を服用しておらず、免疫力が著しく低下した状態だったと
いう。
しかし、HIVも小型条虫感染も開発途上国ではよくみられるため、類似する
症例が起こった場合、ヒトのがんと誤診されるおそれがあると研究チームは
懸念を示している。
腫瘍細胞があり得ないほど小さい場合は危険信号だとMuehlenbachs氏は
話している。


条虫由来の腫瘍の治療法は未知だが、従来のがん治療が有効と考えられる。
米国がん協会(ACS)のLen Lichtenfeld氏は、「寄生虫を含めた一部の慢性
感染症ががんリスクを上昇させることは以前から知られている。今回の症例の
解明に用いられた最新の手法によって、さまざまな感染症とがんの関係に
ついての理解が進む可能性もある」と指摘している。


Muehlenbachs氏は、この症例は条虫感染予防の重要性を強調するものだと
述べ、寄生虫の蔓延する国に渡航する際には手洗いや水、食べ物に注意する
よう助言している。





http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=6382:20151116&catid=20&Itemid=98











 
[実は毒があってキケン?
「エノキタケ」にまつわる意外な秘密と栄養士オススメの食べ方]

(All About 2015年11月18日)


旨味が多いエノキタケは、ちょっとお料理に入れても味が良くなり重宝
します。



<旨味が多く、GABA生産能力が高いエノキタケ>
エノキタケは、旨味が強いキノコとしても知られています。
旨味成分のグルタミン酸やグアニル酸が多く含まれています。

私は青菜を煮る時などは、だしを使わなくてもエノキタケを入れれば旨味
が出るので、時間がないときなどに煮物に加えます。
忙しい人ほど活用していただきたい食材です。

またグルタミン酸を多く含むエノキダケは、GABAをつくる能力が高いことが
わかっています(北海道総合研究機構)。
GABA(ガンマ-アミノ酪酸)は、神経伝達物質のひとつで、交感神経の興奮を
抑える作用があります。
このため、脳機能の活性化や、精神安定、血圧を下げるなどの作用があるの
ではないかと考えられています。

また腎臓・肝臓の働きを活発にする働きがあることから、消費エネルギー量を
高めて肥満を抑制する、脂質やアルコールの代謝を促す、などの効果が期待
されています。

科学的にはまだ十分に検証されているわけではありませんで、今後のさらなる
研究の積み重ねが必要です。



<注目される有効成分>
キノコ類に食物繊維が多いことはよく知られています。
特に近年注目されているのは、食物繊維の仲間の多糖類「キノコキトサン
(キトグルカン)」やβ-グルカンで、腸内環境の改善、血液中の脂質の
低下作用、血圧降下作用、また免疫向上など作用があるのではないかと
期待されています。

またさらなる科学的な検証が必要ではありますが、エノキタケだけに含まれて
いるエノキタケリノール酸はアドレナリン分泌を活性化させて、脂肪細胞を
減少させるのではないかと見られています。


その他にもキノコと同様にビタミンB1、ビタミンB2、日光の紫外線を
浴びるとビタミンD2に変わるエルゴステロール、ナイアシン、カリウム
などを含んでいます。



<話題になった「えのき氷」とは>
JA中野市では、エノキタケを原材料とした「えのき氷」を開発し、以前話題に
なりました。
これはエノキタケをミキサーにかけてペーストにし、約1時間弱火で煮詰め、
冷ました後小分けして冷凍したものです。
これを料理に調味料感覚で使います。

「えのき氷」は、硬いキノコの細胞壁を壊して作るため、エノキタケを
そのまま食べるよりも、有効成分をより無駄なく摂取できますし、たいへん
おいしいのです。

ヒト試験による解析の結果、「えのき氷」を料理に利用して毎日3個摂食した
試験群では、「便秘の改善」、「むくみの解消」、「冷え症の改善」などの
感想が多く寄せられました。

また血液検査では2カ月目の検査から効果が観察され、中性脂肪、総コレステ
ロール、総脂質、LDLコレステロールの値が低下し、HDLコレステロール値は上昇しました。

これらの結果から、「えのき氷」を日常的に摂食することで、脂質代謝
異常症や動脈硬化の予防に効果があるのではないかと見られ、研究に注目が
寄せられています。


この他にも干しエノキタケ茶なども話題になっており、いっけんナヨナヨと
して見える食材ですが、なかなかの存在感を示しています。



<エノキタケはサラダなどの生食に注意!>
いろいろと健康に役立つ栄養成分が含まれているエノキタケですが、食べ方に
注意が必要です。
というのは、生のエノキタケにはフラムトキシンというたんぱく質が含まれて
います。

フラムトキシンは強心作用があると考えられていますが、O型赤血球を破壊
する溶血作用もあり、中毒症状を引き起こすことがあります。
まだ一般的に、あまりこのことは知られていないように思いますので、注意が
必要です。

鮮度がよくても決して生食や半生では食べないように気をつけてください。
ただし熱に弱いので、加熱調理して食べれば問題はありません。

また食物繊維が多いので、一度に大量に食べたり、しっかり加熱してよく噛む
ようにしなければ、消化不良を起こしやすくなります。
せっかくおいしくて健康に役立つ成分が含まれているのですから、気をつけて
おいしくいただきましょう。




http://news.livedoor.com/article/detail/10845076/














 
[スポーツドリンクやレモンで歯が溶ける?
だらだら食べは「酸蝕歯」のもと]

(産経新聞 2015年11月08日)


<飲食物の酸性度>
虫歯の原因は口内の虫歯菌が原因だが、最近はスポーツドリンクやレモンなど
飲食物に含まれる酸で歯が溶けてしまう酸蝕歯になる人が増えているという。
歯が黄ばんだり、欠けたりするだけでなく、知覚過敏も引き起こす。
専門家は「酸性度の強い飲食物の摂取に注意して」と話している。
(油原聡子)


<広範囲に溶ける>
「酸蝕歯は虫歯や歯周病に次ぐ、第3の口内の疾患として最近、注目されて
います」。
こう話すのは歯科医院「キャビネ・ダンテール御茶ノ水」の安田登院長だ。

虫歯は虫歯菌の出す酸が原因で歯が溶けてしまう疾患だ。
歯の溝や歯と歯の間など汚れのたまりやすい場所で局所的に起こりやすい。

一方、飲食物の酸が原因で歯が溶けるのが酸蝕歯。
酸性度の高い飲食物を食べたり、飲んだりすると口の中全体に広がるため、
広範囲で起こるのが特徴だ。

歯の表面はエナメル質でできており、その内側に象牙質がある。
酸の影響でエナメル質が溶けると、歯が欠けてしまうこともある。
さらに象牙質が露出すると歯が黄ばんでみえ、冷たいものなどがしみる
知覚過敏につながる。



<4人に1人が…>
酸蝕歯の原因になる酸性度の高い飲食物は、酸っぱいものに限らないので
注意が必要だ。

酸性・アルカリ性を示すpH(ペーハー)値は、数値が低いほど酸性度が
強い。
虫歯の場合は、口腔内のpHが5.5以下になると歯が溶けはじめる。
酸蝕歯で歯が溶けはじめる値はまだ詳しく分かっていないが、虫歯の値を
参照し、pH5.5以下の飲食物は酸蝕歯になるリスクを高める傾向がある。

東京医科歯科大の北迫勇一助教らの調査では、コーラやミカン、スポーツ
ドリンクなどの酸性度が高かった。
「ドレッシングや栄養ドリンクなども酸性度が強い傾向にある」と北迫助教は
指摘する。

健康ブームでお酢を飲む人が増えているが、酸蝕歯の原因になるリスクが
ある。
北迫助教によると、ダイエットのために毎日コップ2杯の黒酢を原液で飲んで
いた女性は、酸が原因で前歯の象牙質が露出してしまった。

ミカンを毎日、食べていた人が酸蝕歯になった例もあったという。

和食に比べ、酸性度の比較的高い欧米の食文化が普及したり、スポーツ
ドリンクなどのペットボトルを持ち歩く人が増えたりしたことに伴い、
近年、酸蝕歯は増加傾向にある。
北迫助教が平成25年、10~80代の男女1108人を対象に実施した調査では、
4人に1人が酸蝕歯だった。



<唾液や水、お茶で>
酸蝕歯を予防するには、歯を長時間、酸にさらさないことが大切だ。
酸性度の高い飲食物をだらだら飲んだり食べたりするのはやめた方がいい。
飲み物を飲む際、ストローを使うと歯への接触を少なくすることができ、
予防につながる。

また、唾液は酸を洗い流したり、中和する作用があるほか、含まれるミネラル
成分がエナメル質を補修する。
「食後にガムをかんで、唾液を出すようにするのも予防策になります」と
北迫助教。
酸性の飲食物をとった後に、水やお茶などを飲むのも有効だ。


虫歯の予防には歯磨きが有効だが、酸蝕歯と診断されたり、疑いがあったり
する場合は、酸性度の高いものを摂取してから30分~1時間空けて磨くように
する。
食後は食品などに含まれる酸の影響でエナメル質が軟らかくなっているため、
歯磨きをすると歯が削れてしまうからだ。


北迫助教は「酸蝕歯は虫歯のない、きれいな口の中でも発症する。原因となる
飲食物を把握し、しっかりと予防してほしい」と話している。




http://www.sankei.com/life/news/151110/lif1511100008-n1.html















 
[歯周病治せば肝炎・糖尿病も改善 全身疾患と関連 解明進む]

(日本経済新聞 2015年11月15日)


歯がグラグラして最終的には抜けてしまう歯周病は、成人の多くが患っている
炎症性の病気だ。
虫歯と並ぶ歯科の2大疾患だが、影響は口腔内にとどまらない。
これまでの研究から、肝臓病や心臓病、糖尿病など全身の疾患とも密接に関係
していることが分かってきた。
歯周病を治療すれば、こうした全身疾患の症状改善にもつながる。


歯周病は歯と歯茎の間に細菌の塊である歯垢や歯石がたまり、細菌感染を
引き起こす。
この結果、歯の周りに炎症が起こる。
初期は歯茎が腫れる歯肉炎、進行すると歯を支える骨が破壊される歯周炎と
呼ばれる。軽い症状まで含めると日本人の成人の約8割が歯周病にかかって
いる。
自覚症状がないまま進行し、放置すると歯が抜け落ちてしまう。

さらにその影響は全身に及ぶ。



神奈川県在住の女性のAさん(46)は肥満などが原因で発症する
「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」を患っていた。
肝機能に障害も出て横浜市立大学付属病院を受診し、食事制限とともに
積極的に体を動かす食事運動療法に半年間取り組んだ。
薬物治療も受けたものの、「ALT」という肝機能を示す数値は異常値のまま
だった。

Aさんは歯茎に出血もみられたため、神奈川歯科大学付属横浜クリニックで
歯周病の治療をすることにした。

口の中の状態が改善すると、ALTの値がほぼ正常値まで下がった。

横浜市立大病院消化器内科と横浜クリニックで診療にあたる結束貴臣医師は
「歯周病菌が血液中にしみ出して全身を巡り、肝臓に届いて炎症を起こして
いる。歯周病の改善でこうした症状が抑えられたのだろう」と指摘する。


肝炎と飲酒は関係が深いが、NASHはアルコールをたしなまない人でも肝臓に
脂肪が蓄積する。
これまでも「食事療法や薬物投与によっても症状が改善しない患者が一部
いる」(結束医師)ことが知られていた。
こうした患者に歯周病治療を施せば、NASHの症状改善につながる可能性が
あるという。


このため、年内にも横浜市立大病院と神奈川歯科大付属病院(横須賀市)、
横浜クリニックで医師主導の臨床試験(治験)を始める予定だ。
20歳以上でNASHと歯周病を患い、食事運動療法と薬物が効かない200人が
対象になる。
歯科医が歯磨きの方法を指導したり、歯に付いた歯石を取り除いたりする。
歯周病の症状が進んだ人では、歯茎を局所麻酔して、歯根と呼ばれる歯茎で
隠れた部分に付着した歯周病菌を除去する。
こうした治療によって肝機能が改善するか詳しく調べる。



歯周病と関連があるとされる病気はほかにもある。
よく知られているのが糖尿病だ。
この病気は血糖を下げるホルモンのインスリンがうまく働かなくなったり
足りなくなったりする。
東京都健康長寿医療センター研究所の平野浩彦専門副部長(歯科医師)は
「糖尿病の人は歯周病にかかりやすく、歯周病の人は糖尿病が重症化
しやすい。相互に関係している」と指摘する。

米国の研究によると、生活習慣などから発症する2型糖尿病の患者は糖尿病
ではない人に比べ、歯周病が重症化するリスクが1.5~3倍程度高かった。
糖尿病患者は病原体などから身を守る免疫の働きが低下しており、炎症による
組織の破壊が進みやすいことなどがその理由とされている。

また、歯周病菌から出される毒素が血管内に入ると、炎症性物質がつくられ、
インスリンができにくくなり、血糖値が上がることも分かっているという。

「薬や食事のコントロールをしても血糖値が下がらない患者が、歯医者に
行くと症状が改善することもある」(平野専門副部長)。
歯周病の治療によって、インスリンの作用を阻害する炎症性物質の血中濃度が
減少するためだと考えられている。



歯周病は中年以降に多い病気だと思われがちだが、若い世代でも発症する
タイプもある。
「侵襲性歯周炎」と呼ばれている。
細菌感染で起こるのは通常と変わらないが、家族内で発症するなどの特徴から
「遺伝が関係している」と神奈川歯科大学の鎌田要平助教は説明する。

侵襲性歯周炎の人は20~30代で歯を支える骨の状態が通常の人より大きく
悪化しており、歯が抜けやすくなっている。


妊娠・出産をする女性が歯周病だと「早産や低体重児出産のリスクが高まる」
(横浜市立大の結束医師)。
妊娠前に歯科医院を訪れて口の中をチェックすることが大切だと専門家は
注意喚起している。



明確な関係性の解明はこれからだが、高齢女性に多い骨粗しょう症患者も
歯周病に気をつけた方がよさそうだ。
骨粗しょう症では破骨細胞による骨の破壊が骨の再生能力を上回ることで、
骨がもろくなってしまう。
「歯周病患者は歯周病菌の影響で骨を支える部分の破骨細胞が活発になって
いる」と松本歯科大学の宇田川信之教授は話す。

歯周病にも気をつけることが、骨折などを防ぐのに役立ちそうだ。



歯周病は、心筋梗塞などにつながる動脈硬化、慢性腎臓病、誤嚥性肺炎など
との関連も指摘されている。
口の病気だと甘く見ずに、しっかり治療することが他の病気を防ぐことに
つながる。



<「一生つきあう病気」 口腔ケア大事>
歯を十分に磨けていないと歯と歯茎の間に歯垢がたまってしまう。
その結果、歯と歯茎の間の溝である「歯周ポケット」が深くなって、さらに
歯垢がたまり、炎症が拡大する。
最終的には歯を支える土台である歯槽骨が破壊され、歯が抜け落ちる事態を
招く。

歯周病になる歯が1本ということはない。
このため「歯周病で炎症を起こした部分の面積を足し合わせると、手のひら
ほどの大きさになる」と東京都健康長寿医療センター研究所の平野浩彦
専門副部長は話す。
もし、やけどがこれほどの大きさだったら放置しないだろうが、歯科医院に
行かない人も一定数いるのが現状だ。


歯周病は歯が残っている人に起こるから自分の歯がない人は関係ないと思う
かもしれない。
しかし、近年普及している人工歯根(インプラント)を埋め込む治療でも
「インプラント周囲炎」という症状が出ることがある。
これは歯周病と同じく歯垢や歯石などが原因で起こる細菌感染による炎症だ。
「歯周病は一生つきあう病気と考えるべきだ」と専門家は口をそろえる。



(新井重徳)







http://www.nikkei.com/article/DGXKZO94018100U5A111C1TZQ001/












 
[ホウレンソウやニンジンが失明防ぐ? 米ハーバード大研究]

(あなたの健康百科 2015年11月13日)


<カロテノイドが加齢黄斑変性に関連>
体に良いといわれる緑黄色野菜の色素「カロテノイド」だが、失明につながる
恐れのある病気も予防する可能性が示された。

米ハーバード大学公衆衛生大学院のチューアン・ウー氏らは、米国の医療
従事者10万人以上分の研究データを解析した結果、カロテノイドを多く取って
いる人では、年齢を重ねることで発症しやすくなる重度の加齢黄斑変性に
かかる危険度が下がったと、10月8日発行の米国医師会の眼科専門誌「JAMA
Ophthalmology」(電子版)で報告した。
カロテノイドの中でも特に、ホウレンソウなどに含まれるルテインや
ゼアキサンチン、ニンジンなどに含まれるα(アルファ)カロテンで関連が
強かったという。



<加齢黄斑変性とは?>
加齢黄斑変性は老化現象の1つで、見ようとするところが見えにくくなる
病気。
物がぐねぐねして見えたり、暗くなったりする。
日本では欧米に比べて少ないとされていたが、高齢化や生活の欧米化などに
よって患者が増えており、50歳以上の約1%がかかっているとされる。
失明原因として欧米では第1位、日本でも第4位。

原因は、目の網膜の中心にある「黄斑」という部分が加齢によって変化する
こと。
黄斑の中心部にはゼアキサンチン、周辺部にはルテインが多く、この2つの
カロテノイドを取ると、加齢黄斑変性になる危険性が下がるとの研究結果も
報告されている。
ただし、これまでの研究結果は一貫していなかった。


そこでウー氏らは、データの精度が高いとされる、米国の女性看護師を対象と
した研究(NHS)の6万3,443人と、米国の男性医療従事者を対象にした研究
(HPFS)の3万8,603人、計10万2,046人分のデータを追跡調査した。
追跡調査の期間は前者が1984~2010年、後者が1986~2010年。
追跡調査を始めた時点で全員が50歳以上、加齢黄斑変性や糖尿病、心臓病や
動脈硬化などの心血管病、がんと診断された人はゼロだった。

なお、カロテンの摂取量は、アンケート結果から割り出した。



<ルテインとゼアキサンチンでリスク4割減>
期間中に加齢黄斑変性を発症し、視力が20/30(日本の検査法の0.6~0.7
相当)以下になったのは2,479人(中等度が1,361人、重度が1,118人)。

カロテノイド全体では、摂取量によって5つに分けたうちの最も多い
グループは、最も少ないグループに比べて重度の加齢黄斑変性になる危険性が
35%低かった。

カロテノイドの種類別ではルテインとゼアキサンチンが特に関連が強く、
摂取量が最も多いグループで40%のリスク減。
β(ベータ)クリプトキサンチン、α-カロテン、β-カロテンでも、重度加齢
黄斑変性リスクが25~35%下がっていた。

ただし、中等度の加齢黄斑変性に対しては、どのカロテノイドも関連が認め
られなかったという。

以上のことから、ウー氏らは「ルテインとゼアキサンチンを多く取ることは、
重度の加齢黄斑変性の危険性を長期的に下げることと関連していた。他の
カロテノイドもリスク低下に関連していたことを考えると、カロテノイドを
豊富に含む果物や野菜を多く食べるようにすることが、最も高いメリットが
得られる可能性がある」と結論している。





http://kenko100.jp/articles/151113003673/#gsc.tab=0













 
[ベートーベンの耳はなぜ聞こえなくなったのか?]

(MEDLEY 2015年11月15日)


<解剖記録から推定>
ベートーベンは難聴に苦しみ、晩年はほとんど音が聞こえない中で作曲を
続けたとも言われます。

その原因として鉛中毒や先天性梅毒などの説が唱えられてきましたが、死後に
行われていた遺体の解剖の記録から、ほかの病気の可能性を指摘した説を紹介
します。



<骨パジェット病によって聴神経が萎縮>
ここで紹介する論文は、ベートーベンに骨パジェット病があったとする説を
支持しています。
骨パジェット病は頭や手足などさまざまな場所で骨が変形することを特徴と
します。

ベートーベンの解剖の記録によると、頭蓋骨の厚さは正常の2倍ほどであり、
耳から音の信号を脳に伝える聴神経は、変形した骨に圧迫されて萎縮して
いました。

また、腎臓にカルシウムがたまってできる石灰化が見られました。
この論文の著者らは、骨パジェット病により骨が変形し、また骨から
カルシウムが血液に流出することにより腎臓の石灰化が起こったとする
考えを示しています。

 

<晩年のベートーベンを苦しめた多くの問題>
著者らはさらに、ベートーベンに見られた精神症状や腹痛、関節痛、不整脈
などの症状を、骨パジェット病とそれによる高カルシウム血症、また骨
パジェット病にともなって起こりうるとされる痛風によって説明しようとして
います。

加えて、直接の死因は多量の飲酒による肝硬変と慢性膵炎とされていますが、
著者らは慢性膵炎で消化機能が低下した結果、ビタミンAが不足して目の
痛みの症状が現れた可能性を挙げるとともに、以上をまとめて次のように
結論しています。

したがって、副甲状腺機能亢進症を合併した骨パジェット病、痛風、加え
てそれらの症状を和らげようとしてアルコール、キニーネ、可能性としては
サリチル酸をも使用したことが、ベートーベンの医学的問題の実質的に
すべてを説明しうる。これらの一部は彼の作曲にも影響していたように
見える。

 

骨パジェット病は日本ではまれと言われていますが、病態などについて現在
でもわかっていない部分が多く残る難病です。
今後の研究により、実態の把握が進むことが望まれています。




http://medley.life/news/item/56457af1dcc92b00038d91f4











 
[ビタミンD不足で勃起不全が有意に増加]

(メディカル日経 2015年11月13日)


ビタミンDの欠乏は、糖尿病や高血圧などの発症を介し、心血管疾患の
リスクを高めることが指摘されている。

一方、勃起不全(ED)についても、糖尿病などの心血管疾患の危険因子が
関連しているとされるが、ビタミンDの欠乏がED発症の独立した危険因子で
あるかは明らかではない。

そこで、横断研究によりビタミンDとEDとの関連を調べた結果、ビタミンDは
EDの独立した危険因子であることが示された。

米国心臓病協会学術集会(AHA2015、11月7~11日、オーランド開催)で、
米Johns Hopkins School of MedicineのErin Michos氏らが発表した。












 
[レム睡眠の意義が初めて明らかに、記憶や脳発達を促進か]

(あなたの健康百科 2015年11月11日)


<筑波大&理研の動物実験>
浅い眠りで夢を見る「レム睡眠」は、今から60年以上前に発見されたが、
その役割はいまだに謎という。

筑波大学国際統合睡眠医科学機構の林悠助教らは、理化学研究所脳科学総合
研究センターと共同で、レム睡眠には「デルタ波」と呼ばれる記憶形成や
脳機能回復の作用がある脳波を誘発させる役割があり、レム睡眠が脳の発達や
学習に関わる可能性があることを発見したと、10月22日発行の米科学誌
「Science」(電子版)に報告した。



<ノンレム睡眠中に脳発達促すデルタ波強まる>
人は睡眠中に、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」を
繰り返す。
レム睡眠とは、体は眠っているものの脳が活動している状態で、まぶたの下の
眼球が活発に動く。
この動きをレム(REM=急速眼球運動)という。
レム睡眠があるのは、複雑な脳を持つ哺乳類と鳥類だけとされている。


林助教らは今回、遺伝子操作技術を使って、マウスのレム睡眠とノンレム
睡眠を切り替える役割がある神経細胞を発見。
"睡眠のスイッチ"ともいえるこの神経細胞を自由に操れるマウスをつくり、
レム睡眠を強めたり弱めたりすることでレム睡眠の効果を調べた。

その結果、レム睡眠をなくされたマウスではノンレム睡眠中のデルタ波が
徐々に弱まり、逆にレム睡眠を増やしたマウスではデルタ波が強まることが
分かった。

デルタ波はノンレム睡眠中に発生しやすい脳波で、神経細胞同士をつなぐ
構造であるシナプスを強め、学習や記憶を定着させる効果があるとされて
いる。


今回の研究では、レム睡眠はノンレム睡眠中にデルタ波を誘発させ、脳の
発達や学習などに貢献する可能性が示された。


レム睡眠は、脳の発達が盛んな新生児期に多く、アルツハイマー病やうつ病、
睡眠時無呼吸症候群の患者は睡眠中にデルタ波が弱まるとされている。
これらの病気では、レム睡眠の低下による脳機能の低下が考えられている
ようだ。

今後は、レム睡眠の異常とその他の症状との関係を調べることで、これらの
病気のメカニズムの理解や治療法の開発などが期待される。




http://kenko100.jp/articles/151111003670/#gsc.tab=0