エノキタケの知られざる毒性 生の状態では中毒症状を起こすおそれ | アクティブエイジング アンチエイジング
[実は毒があってキケン?
「エノキタケ」にまつわる意外な秘密と栄養士オススメの食べ方]

(All About 2015年11月18日)


旨味が多いエノキタケは、ちょっとお料理に入れても味が良くなり重宝
します。



<旨味が多く、GABA生産能力が高いエノキタケ>
エノキタケは、旨味が強いキノコとしても知られています。
旨味成分のグルタミン酸やグアニル酸が多く含まれています。

私は青菜を煮る時などは、だしを使わなくてもエノキタケを入れれば旨味
が出るので、時間がないときなどに煮物に加えます。
忙しい人ほど活用していただきたい食材です。

またグルタミン酸を多く含むエノキダケは、GABAをつくる能力が高いことが
わかっています(北海道総合研究機構)。
GABA(ガンマ-アミノ酪酸)は、神経伝達物質のひとつで、交感神経の興奮を
抑える作用があります。
このため、脳機能の活性化や、精神安定、血圧を下げるなどの作用があるの
ではないかと考えられています。

また腎臓・肝臓の働きを活発にする働きがあることから、消費エネルギー量を
高めて肥満を抑制する、脂質やアルコールの代謝を促す、などの効果が期待
されています。

科学的にはまだ十分に検証されているわけではありませんで、今後のさらなる
研究の積み重ねが必要です。



<注目される有効成分>
キノコ類に食物繊維が多いことはよく知られています。
特に近年注目されているのは、食物繊維の仲間の多糖類「キノコキトサン
(キトグルカン)」やβ-グルカンで、腸内環境の改善、血液中の脂質の
低下作用、血圧降下作用、また免疫向上など作用があるのではないかと
期待されています。

またさらなる科学的な検証が必要ではありますが、エノキタケだけに含まれて
いるエノキタケリノール酸はアドレナリン分泌を活性化させて、脂肪細胞を
減少させるのではないかと見られています。


その他にもキノコと同様にビタミンB1、ビタミンB2、日光の紫外線を
浴びるとビタミンD2に変わるエルゴステロール、ナイアシン、カリウム
などを含んでいます。



<話題になった「えのき氷」とは>
JA中野市では、エノキタケを原材料とした「えのき氷」を開発し、以前話題に
なりました。
これはエノキタケをミキサーにかけてペーストにし、約1時間弱火で煮詰め、
冷ました後小分けして冷凍したものです。
これを料理に調味料感覚で使います。

「えのき氷」は、硬いキノコの細胞壁を壊して作るため、エノキタケを
そのまま食べるよりも、有効成分をより無駄なく摂取できますし、たいへん
おいしいのです。

ヒト試験による解析の結果、「えのき氷」を料理に利用して毎日3個摂食した
試験群では、「便秘の改善」、「むくみの解消」、「冷え症の改善」などの
感想が多く寄せられました。

また血液検査では2カ月目の検査から効果が観察され、中性脂肪、総コレステ
ロール、総脂質、LDLコレステロールの値が低下し、HDLコレステロール値は上昇しました。

これらの結果から、「えのき氷」を日常的に摂食することで、脂質代謝
異常症や動脈硬化の予防に効果があるのではないかと見られ、研究に注目が
寄せられています。


この他にも干しエノキタケ茶なども話題になっており、いっけんナヨナヨと
して見える食材ですが、なかなかの存在感を示しています。



<エノキタケはサラダなどの生食に注意!>
いろいろと健康に役立つ栄養成分が含まれているエノキタケですが、食べ方に
注意が必要です。
というのは、生のエノキタケにはフラムトキシンというたんぱく質が含まれて
います。

フラムトキシンは強心作用があると考えられていますが、O型赤血球を破壊
する溶血作用もあり、中毒症状を引き起こすことがあります。
まだ一般的に、あまりこのことは知られていないように思いますので、注意が
必要です。

鮮度がよくても決して生食や半生では食べないように気をつけてください。
ただし熱に弱いので、加熱調理して食べれば問題はありません。

また食物繊維が多いので、一度に大量に食べたり、しっかり加熱してよく噛む
ようにしなければ、消化不良を起こしやすくなります。
せっかくおいしくて健康に役立つ成分が含まれているのですから、気をつけて
おいしくいただきましょう。




http://news.livedoor.com/article/detail/10845076/