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[食事に含まれる不飽和脂肪酸が潰瘍性大腸炎に関連]

(HealthDay News  2009年7月23日)


潰瘍性大腸炎の全症例の推定30%は、一般的な多価不飽和脂肪酸である
リノール酸の過剰摂取が原因である可能性が、新しい研究によって示された。


英イースト・アングリアEast Anglia大学のAndrew R. Hart氏らの研究の
結果、リノール酸摂取が最も多かった被験者では最も少なかった被験者に
比べて、疼痛を有する腸の炎症および水疱形成が2倍以上認められた。

リノール酸は、赤身肉や一部の食用油、マーガリンなどに含まれる。


ただし、オメガ-3脂肪酸を多量に消費すると、潰瘍性大腸炎の発現リスクが
4分の3以上低減した。
サケやサバのような脂肪分の多い魚、アマニ(亜麻仁)、特定の乳製品は、
ドコサヘキサエン酸としても知られるオメガ-3を豊富に含む。

研究結果は、医学誌「Gut(腸)」オンライン版に7月23日掲載された。


欧州5カ国20万人以上の食習慣を検討した今回の研究では、潰瘍性大腸炎は
男女とも平均60歳で、ほぼ同様に発症することが示された。
データ分析では、喫煙、年齢、カロリー摂取、アスピリン使用など他の
考えられる条件を考慮に入れた。


リノール酸は体内でアラキドン酸に変化する。
アラキドン酸は腸内細胞膜の成分であり、その後、組織に炎症を引き起こす
さまざまな化学物質になる。
潰瘍性大腸炎患者では、腸の組織内にこれらの化学物質が高濃度でみられる。
慢性症状である潰瘍性大腸炎があると、大腸癌の発現リスクが高まる。



http://www.healthdayjapan.com/


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[高橋メアリージュン 難病指定「潰瘍性大腸炎」をブログで告白]

(共同通信  2014年3月15日)


モデルで女優の高橋メアリージュン(26)が15日、難病に指定されている
「潰瘍性大腸炎」であることを自身のブログで明かした。

過去にもツイッターなどで報告していたが「同じ病気に悩まされてる方々の
ためにも、そして病気の早期発見のためにも、少しでも多くの方にこの病気を
知っていただきたい」と詳細をつづっている。


潰瘍性大腸炎は大腸粘膜に潰瘍やびらんができる原因不明の非特異性炎症性
疾患。
厚生労働省より特定疾患に指定されている。

主に「粘血便」「下痢」を生じる場合が多い。
重症化すると「発熱」「体重減少」「貧血」などを伴う。
安倍晋三首相が第1次政権時に退陣する理由になった病気として知られる。


高橋は診断が出るまで病名も知らなかったという。
「一見“この人トイレが近いな” “お腹弱いな”で済みそうですが、常に近くに
お手洗いがないと不安で、ゆっくり買い物というのも難しくて、DVDを選んで
借りるのも一苦労。お手洗いに人が並んでる時なんてそれはもう絶望的で…」
とつらい日々を語る。

そして「理解していただきたい、そして病気に負けず前向きに生きていく
励みになりたい」と疾患者を勇気づけたいという気持ちを強調している。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患)の歯科治療]


<口腔症状>
・口内炎(再発性)
・カンジダ症
・口腔潰瘍
・ドライマウス口腔乾燥症
・歯肉炎



<ベーチェット病との鑑別>
口内炎が再発する場合、ベーチェット病や全身性エリテマトーデス(SLE)、
潰瘍性大腸炎などを疑う。
この中で、全身性エリテマトーデス(SLE)の口内炎は痛みが無いことが
多い。
痛みが強い再発性口内炎の場合ベーチェット病を疑い、血液検査を行う。
HLA-B51やHLA-A26が陰性の場合には、潰瘍性大腸炎も疑う。



<潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患)患者の歯科治療>
栄養吸収が充分で無いため、観血処置に注意が必要である。

抗生物質や消炎鎮痛剤に対して消化管症状が悪化することが多い。
特に、エリスロマイシンの場合、エリスロマイシンが胃で分解される際に
生じるヘミケタルという物質が消化管の蠕動運動を亢進するため、潰瘍性
大腸炎の症状が悪化する。

抜歯窩の治癒不全を起こしやすい。



(横山歯科医院)



 

 

 

 

 

 

 

 

 

[プロトンポンプ阻害薬の長期使用は骨折リスクを高める]

(HealthDay News  2011年5月9日)


胸焼けの一般的な治療薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期使用が
骨折リスクの増大と関連していることが、韓国の新しい研究で示唆された。

米国食品医薬品局(FDA)では2010年5月に、PPIのラベルに骨折リスクの
可能性に関する警告を追記することを決定しているが、今回の知見はFDAの
懸念を支持するものとなっている。


オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、日本国内未承認の
エソメプラゾール、デクスランソプラゾール、パントプラゾールなど、
(胃)酸分泌を抑制するPPIは、胃・十二指腸潰瘍、胃食道逆流性疾患
(GERD)、食道炎の治療に使用される。
酸分泌抑制薬は世界で2番目に多く使用されている薬剤で、米国での売上高
(2005年)は270億ドル(約2兆2,140億円)近くに達している。


韓国、ハルリム大学病院(春川)家庭医学部のChun-Sick Eom博士らは、
1997年~2011年に発表された研究11件を対象にメタ分析を実施。
その結果、PPIにより股関節骨折リスクは31%、脊椎骨折リスクは54%
それぞれ増大しており、全体的には骨折リスクが29%増大していることが
判明した。

ラニチジンやファモチジンなどH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)では、
骨折リスクと有意な関連がなかった。
ただし、H2ブロッカーによる酸分泌抑制はPPIほど強力ではなく、PPIの
推定98%に対し70%であった。

研究結果は、医学誌「Annals of Family Medicine(家庭医学)」5月/6月号
に掲載された。


Eom氏は「骨折リスクは年齢、性別、人種、民族により大きく異なるため、
何が絶対リスクかは一概にいえない。臨床医は骨折リスクの高い患者、特に
65歳以上の女性にはPPI処方を慎重に行う必要がある。PPIとH2ブロッカーは
骨代謝に異なる影響を及ぼすと考えられ、これにより骨折リスクの違いの
説明がつく」と述べるとともに、今回の研究の限界として、被験者の骨折
リスクに影響を与えた可能性のある個々の栄養素データに触れていない点を
挙げている。

本研究の付随論説は、絶対リスクと便益のバランスをとることが重要であると
指摘。

別の専門家は「今回の研究は観察研究であるが、酸分泌抑制薬を使用している
患者に対する継続的な必要性に疑問を持つよう医師に促すものである」と
述べている。




http://www.healthdayjapan.com/




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[胃薬「PPI」服用中の下痢は早急に受診を―米で勧告]

(あなたの健康百科  2012年2月13日)


<ディフィシル菌関連下痢症の可能性>
米食品医薬品局(FDA)は2月8日、胃潰瘍や逆流性食道炎などの治療で胃酸の
分泌を強力に抑える「プロトンポンプ阻害薬」(PPI)を服用中の患者に
対し、安全性情報を発表した。

それによると、PPI服用中に下痢がなかなか治らない場合、より重い
ディフィシル菌(Clostridium difficile)関連の下痢症になっている可能性が
あり、早急に医師を受診すべきだという。

ディフィシル菌は粘膜を破壊する毒素を持つ細菌で、これによる下痢症は
入院患者での集団発生がしばしば問題となっている。



<H2ブロッカーとの関連も調査中>
FDAはPPIとディフィシル菌関連下痢症に関する文献のレビューを行い、
PPI服用例では非服用例に比べディフィシル菌関連下痢症をはじめとする
ディフィシル菌感染症のリスクが高まっていたことが確認されたとしている。

ディフィシル菌関連下痢症患者の特徴として、
  (1)高齢
  (2)慢性疾患や合併症がある
  (3)ディフィシル菌関連下痢症発症との関連が指摘される
       抗生物質を使用している
などが見られ、PPI服用に加えてこれらの因子を1つ以上持っている場合、
ディフィシル菌関連下痢症の重症度が高い傾向があったという。

PPIの強力な胃酸分泌抑制作用がディフィシル菌関連下痢症や他の下痢症の
発症に関連するともいわれているが、現時点では薬剤の使用期間や量など、
ディフィシル菌関連下痢症との詳しい関連を検討できるデータはほとんど
報告されていないようだ。


しかし今回、FDAではディフィシル菌関連下痢症の重篤性を重視し、医療
関係者向けに以下の注意喚起を行っている。
 ・PPI服用者で改善しない下痢が見られた場合、
     ディフィシル菌関連下痢症の可能性を考える
 ・PPI服用期間中に治まらない水様下痢や腹痛、発熱が見られた場合、
     患者にすぐ受診するよう伝える
 ・患者の状況に応じて、PPIの使用は必要最小限にとどめる


なおFDAは、PPIと同じく胃酸を抑えるタイプの胃薬「H2ブロッカー」と
ディフィシル菌関連下痢症の関連についても評価中であることを明らかにして
おり、今回の安全性情報でも注意すべき薬剤のリストにこの薬を加えている。



<日本でもマニュアルで対策呼び掛け>
日本では2011年3月、厚生労働省が出した「重篤副作用疾患別対応
マニュアル―重度の下痢」で、関連薬の1つとしてPPIが挙げられている。

薬事法に基づく副作用報告件数では、2007年に同薬使用例における下痢が
5例報告されているという。

同マニュアルでは、薬剤による重度の下痢の早期発見のポイントとして、
薬剤使用期間中の「便が泥状か、完全に水のようになっている」「便意切迫
またはしぶり腹(マニュアル中では『裏急後重』とも表記)がある」「便に
粘液状あるいは血液が混じっている」などの症状が挙げられている。

また、早期発見に必要な検査として、偽膜性腸炎が疑われる場合には便中の
ディフィシル菌毒素の検査や内視鏡検査を行うこととされている。



http://kenko100.jp/news/2012/02/13/02




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[胃薬「PPI」で閉経後女性の骨折リスク35%増―米研究]

(あなたの健康百科  2012年2月13日)


<喫煙歴の有無でリスク異なる>
胃潰瘍や逆流性食道炎などの治療で胃酸の分泌を強力に抑える「プロトン
ポンプ阻害剤」(PPI)は、カルシウムの吸収を阻害することなどから、
長期使用が骨密度の低下を招く可能性も考えられる。
しかし、骨折リスクに関する複数の研究結果は一致していない。

米マサチューセッツ総合病院のHamed Khalili氏らは、米国の女性看護師を
対象にした研究のデータを分析し、閉経後女性がPPIを2年以上使用した
場合、大腿骨近位部(股関節に接する部分)の骨折リスクが35%上昇して
いたと、1月31日発行の英医学誌「BMJ」(2012; 344: e372)に発表した。

食事や生活習慣の関与を調べたところ、喫煙歴の有無でリスクが大きく異なる
ことも分かったという。



<使用期間が長いほどリスク増大>
Khalili氏らは、女性看護師研究の参加者7万9,899人について、2000~
2008年のPPI使用(過去2年以内に定期的に使用していたか)と大腿骨近位部
骨折の危険因子(閉経、余暇の活動、喫煙、飲酒、ホルモン補充療法、
サイアザイド系利尿薬、コルチコステロイド、ビスホスホネートの使用、
カルシウム摂取、骨粗鬆症の診断)を2年ごとに追跡した。

追跡中に893人で大腿骨近位部骨折が発生した。

PPIの定期使用は2000年には6.7%だったが、2008年には18.9%に増加して
おり、定期使用者は、BMI(肥満指数)が高く、身体活動と飲酒量が少なく、
骨粗鬆症歴を持つ割合が高かった。
また、ホルモン補充療法、サイアザイド系利尿薬、コルチコステロイド、
ビスホスホネートの使用率も高かったという。

PPI非使用者の大腿骨近位部骨折は1年間で1,000人当たり1.51人に対し、
PPI定期使用者では2.02人と高く、PPI非使用者に比べた2年以上のPPI
使用者の大腿骨近位部骨折リスクは1.35倍だった。
BMIや身体活動、カルシウム摂取などの全危険因子で調整した後もほぼ
同等で、 PPI使用の理由(胃酸逆流、胸焼け、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの
消化性潰瘍性疾患)を考慮しても変わらなかったという。

非使用者と比べた場合の使用期間別のリスクは、2年で1.36倍、4年で
1.42倍、6〜8年で1.55倍と、使用期間が長くなるほど上昇した。



<使用中止2年以上でリスク上昇は消失>
PPIの使用をやめて2年未満ではリスク上昇が残ったが、2年を超えると
非使用者と同等に低下した。また、

現在もしくは過去の喫煙者では、PPI使用により骨折リスクが50%以上上昇
していた一方、喫煙歴がない場合はリスク上昇が認められなかった。

これらの結果と10の先行研究の結果を合わせて解析すると、PPI使用による
骨折リスクは1.30となった。


同研究では、同じ胃酸の分泌を抑えるタイプの胃薬「H2ブロッカー」の
使用と大腿骨近位部骨折の関連についても分析したが、非使用者と比べた
使用者の骨折リスクは1.23で、PPIと比べてリスクの上昇は緩やかだった。


Khalili氏らは「長期の継続的なPPI使用の必要性を慎重に評価することが
重要で、特に喫煙歴がある場合は注意すべきだ」としている。




http://kenko100.jp/news/2012/02/13/01




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[胃薬「PPI」でビタミンB12欠乏症になる恐れ―米研究]

(あなたの健康百科  2013年12月19日)


<2年以上の服用で、H2ブロッカーも>
米国の医療保険システム「カイザーパーマネンテ」のJameson R. Lam氏
らは、逆流性食道炎などの治療に使われる胃酸の分泌を抑えるタイプの胃薬
「PPI(プロトンポンプ阻害薬)」や「H2ブロッカー」を2年以上服用して
いると、ビタミンB12欠乏症を新たに発症する割合がそれぞれ1.65倍、
1.25倍に増えていたと、12月11日発行の米医学誌「JAMA」(2013; 310:
2435-2442)に報告した。

ビタミンB12が不足すると、倦怠感や目まい、動悸・息切れ、手足のしびれ、
疲れやすいなどの症状が現れる悪性貧血(巨赤芽球性貧血)のほか、脳や
神経に悪影響を及ぼして認知症になる可能性が高まるとされている。

これまでの研究で、PPIやH2ブロッカーを服用しているとビタミンB12を
吸収しづらくなることが示唆されていた。



<服用中止で影響は徐々に弱まる>
Lam氏らは、カイザーパーマネンテの北カリフォルニア支部のうち、18歳
以上で1997~2011年にビタミンB12欠乏症と新規に診断された人(症例
グループ、2万5,956人、女性57.4%、60歳以上67.2%)と、性別や地域、
人種、出生年、登録期間が一致した人(対照グループ、18万4,199人)を
ランダムに選び出し、比較した。

その結果、PPIを2年以上の服用している人では、ビタミンB12欠乏症と
新たに診断されるリスクが1.65倍と高く、H2ブロッカーでも1.25倍だった。

PPIを服用する量では、最も多い1日1.5錠で1.95倍とさらにリスクが
高まったが、1日0.75錠未満でも1.63倍だった。

なお、両薬ともに2年以上服用している場合、服用期間がより長くなっても
リスクは変わらなかった。

また、PPIを最後に服用したのが1年以内でビタミンB12欠乏症リスクが
1.80倍だったのに対し、2~2.9年前では1.43倍、3年以上前では1.38倍と、
服用をやめると影響は徐々に弱まることが分かった。



<若者、女性で影響強い>
ビタミンB12欠乏症は通常、高齢者で多く見られる。

今回の研究で年齢を考慮したところ、加齢とともにPPIの服用とビタミンB12
欠乏症になるリスクとの関係は弱まったが、30歳未満で8.12倍と飛び抜けて
高く、性別では女性の方がリスクが高かった(女性1.84倍、男性1.43倍)。


Lam氏らは「今回の結果は、胃酸を抑えるタイプの薬が効く患者に服用しない
よう勧めるものではない。しかし、医師は慎重に判断し、有効性が得られる
最低量を用いるべきだ」と指摘している。



http://kenko100.jp/articles/131219002748/



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[「胸やけ」の薬で心筋梗塞のリスク2割増加、
                 1600万件のデータの分析結果が判明]

(Medエッジ  2015年6月19日)


<米国スタンフォード大学などからの報告>
「プロトンポンプ阻害薬」(PPI)は、胃酸の分泌を抑えて「胃食道逆流
疾患」(逆流性食道炎ともいう。胃酸が食道まで上がってくる、いわゆる
胸やけ)を緩和する薬として世界的に広く処方され、低用量の市販薬もある
ことから、米国では毎年14人に1人がPPIを利用している。

そのPPIが、健康な人でも将来の心筋梗塞をはじめ心臓や血管の病気になる
リスクを高める可能性が判明した。

米国スタンフォード大学を含む研究グループが、オンライン科学誌プロスワン
(PLoS One)で2015年6月10日に報告した。



<血管に影響する可能性>
PPIは、急性の冠動脈疾患の治療後に血液を固まりにくくする「クロピド
グレル」という薬を服用している人以外は安全とされ、米国では毎年1億件
以上が処方されている。
冠動脈は心臓に血液を供給する血管で、この血管が狭くなると狭心症、
詰まると心筋梗塞となる。

研究グループによると、最近の研究で、クロピドグレルとは無関係にPPIが
血管に影響を及ぼして心血管リスクを高める可能性が報告されるようになって
きていた。

血管の健康を維持するための仕組みに変化が起きるためと見られている。
血管を形作る内皮細胞では一酸化窒素と呼ばれる物質が作られている。
この生成がPPIによって妨げられるというものだ。


研究グループは、医者のメモを含む膨大な量の電子データから医薬品の健康
影響を探ることができる「データマイニング」という新しい手法を使い、
さまざまなデータベースから290万人に関する1600万件以上の医療記録を
調べ、胸やけでPPIを服用した人としなかった人で心臓発作の発生率を比較
した。



<H2ブロッカーは関連せず>
その結果、胃食道逆流疾患でPPIを使用した人は、使用しなかった人よりも
心筋梗塞になる確率が16〜20%高かった(分析の手法によって数値が
異なった)。
45歳未満の他に病気のない人でも、PPI使用者は確率が高かった。

さらに、胸の痛みや息切れのある1500人を対象とするある観察研究の結果を
分析したところ、PPI使用者は心停止や脳梗塞などの心臓血管の病気による
死亡率が2倍で、この関連性はクロピドグレルの使用とは無関係だった。

やはり胃食道逆流疾患の薬としてPPIより先に出回り、現在もPPIに次いで
多く使用されている「H2ブロッカー」は、心臓血管の病気のリスクと関連
しなかった。



<必ずしも中止はしなくとも再考を>
研究グループは、これらの関連性を因果関係と呼ぶことはできないし、単純に
服用を止めることを勧めるものではないとしつつも、頻繁に、しかも長期間
服用することの多い薬であるため、医者も患者も服用を決める前に少し再考
するべきと述べている。




http://www.mededge.jp/a/oper/14747




 

 

 

 

 

 

 

 

[意外な「薬」で意外な「副作用」、
            胃薬で心臓発作、風邪薬で認知症など気にしたい]

(Medエッジ  2015年6月21日)


<ビッグデータで関連を探る新しい動きも>
意外な薬で意外な副作用が判明することがある。
一見、副作用が少ないからと、むやみに薬を使い続けるのは避けたい。



<1600万件のデータを分析>
このたび米国スタンフォード大学を中心とした研究グループから出された研究
報告は世界的に注目された研究の一つだろう(「胸やけ」の薬で心筋梗塞の
リスク2割増加、1600万件のデータの分析結果が判明を参照)。

胃薬で、胃酸の出すぎを抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)と呼ばれる
薬で、一見、全く関係のない心筋梗塞が2割も増えると裏付けられたという
ものだ。

オンライン科学誌であるプロスワン(PLoS ONE)誌で2015年6月10日に
報告された。

「データマイニング」と呼ばれる手法で、1600万件もの大量の情報から
関連性を抽出していく研究のなかから判明した。



<心臓の血管が詰まる>
一見関係がないとはいえ、従来、危険性がある可能性をうかがわせる情報は
あったようだ。

プロトンポンプ阻害薬を使っていると、「急性冠症候群」の起きた後に問題に
なることがあったからだ。
急性冠症候群とは、心臓に血流を供給する血管である冠動脈が狭くなったり、
詰まったりする病気。
血液を固まりにくくする薬である「抗血小板薬」を使っている人で病気の
再発といったトラブルが起きやすくなると報告されていた。

さらに、心臓の健康な人でも潜在的にリスクがあるのではないかと疑われて
いた。

研究グループは大量の医療データを解析して、関連性を分析したわけだ。



<心臓や血管関係の死亡は2倍に>
結果として、胃食道逆流疾患(GERD)と呼ばれる、いわゆる「胸焼け」の
ためにプロトンポンプ阻害薬を使っている人で、心筋梗塞が1.16倍に増えて
いると判明した。

追跡調査によって生存との関係を調べると、心臓や血管の病気によって死亡
する人の割合が2倍にも高まっていることも分かった。

かねて抗血小板薬のクロピドグレルの使用と関係があると報告されていたが、
今回の分析の結果ではこのクロピドグレルという薬とは無関係に病気や病気に
よる死亡の増加は確認できた。

同じ胃薬のH2ブロッカーでは同じような問題は起きなかった。



<胃で細菌が増える報告も>
プロトンポンプ阻害薬も含めた胃薬では胃の細菌が増えるといった現象も
副作用と言えるかもしれない。

2014年8月には子どもの胃の中の細菌を増やすと報告された(胃薬が
原因で、肺や気管の病気になりやすい可能性を参照)。
胃から口へと逆流して、肺炎のような問題を起こす可能性を指摘している。

子どもを対象として検証したところ、胃酸を抑える薬を使っていると、
使わない場合よりも、胃の中で細菌が増えていると確認。
胃液の中に「ブドウ球菌」や「連鎖球菌」といった細菌が増えていた。
胃から食道への逆流が起こって、肺の細菌も増えるとも分かった。



<風邪薬も含めた薬も問題に>
今年は、ごく身近な風邪薬のような薬でアルツハイマー病をはじめ認知症の
リスクを高めるという報告も注目された(風邪や花粉症など、身近な薬が
アルツハイマー病を増やす、飲むほど影響、米国グループ報告を参照)。

抗コリン作用と呼ばれる効果を持つ薬で、総合感冒薬や鼻炎薬、胃腸薬、
一部の抗精神病薬、抗うつ薬などが関係している。
神経伝達のために体内で一般的に働いている「アセチルコリン」を邪魔する
薬だ。

65歳以上の3000人以上を平均7年以上にわたって追跡調査したところ、
10年間の期間の中で、標準的な1日の用量を91日分から365日分使っていると
危険度は1.19倍。さらに366日から1095日使った場合1.23倍、1096日を
超えると1.54倍と危険度が高まるという結果だ。

1年間のうちで9日くらい関係した薬を飲んでいる人から関係してくる
わけで、幅広い人に関係するところもあり大きく注目された。


必要な場合には薬は強力なサポートになるとはいえ、必要以上に使わない
よう、あるいは必要がないときには使わないよう心掛けると良いのだろう。

Medエッジでも薬についての好ましくない影響についての研究報告があれば
随時、取り上げていく(副作用関係の記事はこちらを参照)。



http://www.mededge.jp/spcl/14807





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[胃薬と認知症に関連性はあるのか]

(MEDLEY  2016年2月29日)


<75歳以上の73,679人を対象に>
高齢化社会が進むにつれて、薬の使用量も年々増えてきています。
そんな中で、薬による副作用や予期せぬ影響が問題となっています。

本研究では、胃薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)と認知機能の低下に
関係があるか検討しました。



<2015年8月~11月までの診断データを検証>
ドイツの医療保険のデータベースのうち、2015年8月~11月までの薬物
処方と診断のデータを基に分析を行いました。

PPIの胃薬に属するオメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、
オメプラゾール、またはラベプラゾールの使用と認知症の発生との関連を
調べました。

 

<胃薬により認知量のリスクの増加>
次の結果が得られました。

75歳以上の73679人の認知症がなかった患者を調査した。
定期的なPPIの胃薬を使っている患者(n=2950;平均[SD]年齢、83.8[5.4]歳;
その内77.9%が女性)とPPIの胃薬を使っていない患者(n=70729;平均年齢
83.0[5.6]歳;その内73.6%が女性)を比較したところ、認知症リスクの有意な
増加がみられた。(ハザード比1.44[95%CI、1.36から1.52]; P<0.001)。


PPIを使っていた人の中では、使っていなかった人よりも認知症が多く発生
していました。

研究者たちは、「PPIを薬物治療で使わないことは、認知症の発症を予防する
ことができる可能性がある」と結論しています。





https://medley.life/news/item/56cf1f50face7514008b8a5c