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海を愛する組織開発・人事・教育・総務コンサルタントのブログ

※人事・総務、組織開発、ファシリティマネジメント
※「コミュニケーションを加速する」をテーマに、幅広い商品開発
を手掛ける「アクロス株式会社」代表のブログ

プレゼンスマネジメント
鈴木義幸(著) 日経BP社

仕事は「外見」で決まる! コーチングのプロが教えるプレゼンスマネジメント

これも私が悩んでいた時に、コーチから紹介された1冊。

最初、コーチにお会いした時に頂いて、パラパラとめくると「アイコンタクト」「アイスパン」「ペーシング」など見慣れた言葉が並んでいたので、結構知っている内容かもしれないなぁ・・と思いました。

その後、自分を見つめ直す中で、明らかに自分の得意領域もあるが、知っているけれどできていない領域があること(特に仕事の場ではなく日常生活において)を実感したので、素直に「自分はできているか?」と考えながら読みました。

また、読み進めていると、仕事の場での実例が多く書かれてはいますが、いわゆるプレゼンテーションの技巧本ではなく、日常のあらゆるコミュニケーション場面に活かせる内容が書かれていることがわかりました。

私は、本を読むとき、自分にとって大切なことが書かれているページの端を折るのですが、読み終わってみると、やたら折られているページが多かったです。


内容ですが、「見てくれ(ハードウェア)」としての「外見」ではなく、視線や声のトーン、姿勢、距離間といったノンバーバル(非言語的要素)のパフォーマンス(ソフトウェア)としての人間の外見の重要性、またそれを「自分の意思」でつくりあげるにはどうすればいいか、について書かれています。

構成としては大きく「基本」「実践」「定着(心構え)」の3つのパートからなっています。

印象に残ったのは、著者の日本舞踊の師匠の言葉
「まずは「入れ物」をつくりなさい。気持ちを入れるための。「入れ物」がしっかりしていないと結局はそこに何も注ぎ込むことができない」
という形の重要性についての言葉。

「立ち居振る舞いや声の出し方などあらゆる「形」について隅から隅まで意識を浸透させ、鍛錬を重ねる。そのうえで初めて「ほんとうの中身」を実現できる。」と著者は言っています。


具体的なところでは、前置きをして断定表現を避けること、聞き姿、「第二の輪」で話す事例としてのクリントン大統領のスピーチ、感動を伝える時には客観描写をすること(著者の自己紹介の例)などが印象に残りました。

「中身が自然と外見ににじみ出るものだ」という考えもあるでしょう。
この本では中身がよくて仕事もできる、相手の立場に立っているのに、まったくそれが伝わらないどころか、逆に損をしている実例がいくつも出てきます。

私たち自身も、出会って短い時間(期間)で人にレッテルを貼っていることがよくあります。
だからこそ、内側だけでなく外側の形も自分自身でマネージすべきであるのです。

私はここに書かれていることに加えて、コーチから言われた「相手のために」の心構えについての話を考えながら読んだので、自分にとっては発見の多い1冊でした。

先日、親しくしている人事の方のご好意で、羽田にある全日本空輸株式会社の整備工場(機体メンテナンスセンター)を見学させて頂きました。

話をうかがったら、飛行機の整備士は、現場で邪魔にならないレベルになるまで5年はかかるそうです。
そういう意味では「一人前」になるまでの期間が、比較的長い仕事と言えます。
複雑で高度な機器が多い機体を「安全に」飛ばすためには、勉強することが多いのでしょう。

安全の意識ということでは、整備士の使う道具の管理は徹底されています。
当たり前ですが、どこかに置き忘れたということが絶対に許されない世界です。
そのため道具の貸し出し管理をする専門の関連会社があるくらいです。

さて、そんな中でも「トレーサビリティ」の徹底具合に驚きました。
というわけで、今日はトレーサビリティについて書きたいと思います。

「トレーサビリティ」・・追跡可能であること。製品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態(Wikipediaより)のことを言います。最近では農林水産省が普及に向けた活動をしているので卵や牛肉などの生産・流通履歴が、消費者に分かるようになってきました。


航空機を構成する部品は、600万点とも言われています。
安全性を最優先課題としている航空機は、トレーサビリティに基づく安全性・信頼性の管理がされています。
ボーイングやエアバスといった機体メーカーがトレーサビリティを確保することは当然ですが、実は安全という意味では、運行現場の検査・整備が大変重要なのです。

というのも、航空機は一定時間使用したら特定の部品を交換することを条件に、軽量化するためにある程度強度を下げています。
(と言ってももちろん安全上はまったく問題のない範囲ですが)

メーカーが基準としている部品の使用期間があるのですが、全日本空輸では、部品によってもっと短期間で交換が必要であるとか、部品によってはもっと長い期間使えるなど、ユーザー視点からメーカーに意見をしています。
また航空機自体を機体メーカーと共同開発したりしています。

そのように航空機の安全性においては、運行現場の検査・整備が非常に重要なのです。
そのためユーザーである全日本空輸もトレーサビリティの確保を徹底しています。

先ほど書いた整備道具の管理のみならず、部品の出し入れを管理するグループ会社を有し、管理を徹底しています。
ネジ1本にいたるまでどこでいつ製造されたものか、誰によっていつ整備されたか分かるようになっています。

そして驚いたのは、直接機体に関係のないビニールテープまでトレーサビリティタグがついていないと、例え新品でも捨ててしまうらしいのです。

ここまで徹底して安全を守っていること、それを決してアピールせず当たり前に行っている姿を垣間見ることができて感動しました。


最近、食品などはトレーサビリティを確保し、産地情報などを積極的に開示することで「ブランド化」に繋げているところもあります。

トレーサビリティの確保やISOなど、私達の仕事の中には、直接の日常業務とは別に(ほんとは別ではないが)非常に労力を要する仕事があります。

ただ、どうせやるなら徹底してやり、それを開示することで、お客様の安心や自社のブランド化に繫げてみてはいかがでしょうか?
いろいろと気づきの多い大人の社会科見学でした。
前回に引き続き、花王株式会社からトピックを頂きます。
今回のテーマは「マイスター制度」

マイスター制度が出てきたのは少し前になります。
段階の世代が一斉に退職をすることで発生するであろう問題の総称「2007年問題」というのがありました。

特に製造業では、製造現場力の低下、特に職人的作業における技術・技能がなくなるのではという危機感を持っていました。

その頃、若い世代へ積極的に技術・技能を伝承する取り組みのひとつとして「マイスター制度」が積極的に導入されました。

これは技能士、技能指導者、卓越技能者などと呼ばれる熟練工を「マイスター」として会社が認定し、彼らが若手に技能を伝承することを目的としたものです。
これは、技能が社内に残るだけでなく、育成体系の構築、現場リーダーの育成といった具合に相乗効果を期待することもできるものです。

そしてまた、この制度は複線型人事制度の一環としての効果も期待できます。
つまり、人や組織のマネジメントには向かないけれど、技術は高いものを持っている現場の人、いわゆる職人気質な人を処遇することができるのです。
現場オペレーターの目標となる社員、立場を作ることで、彼らのモチベーション策のひとつになるというわけです。

先日、見学させて頂いた花王の東京工場には各部門に1名マイスターがいらっしゃいます。
そして、それぞれが1人ずつ弟子を持っていて、技術を伝承しています。
化粧品という人の肌に付けるものの最後の品質は、やはり職人の技術によるところがあるそうです。

マイスター制度は、制度の名前こそ違え、いろいろな会社で導入しています。
アサヒビール、戸田建設、東京電力、東芝、トヨタ、セイコーエプソン、三菱重工業・・などなど。


この制度の導入のポイントのひとつは「納得性」です。

導入当初は、役員の面接や現場からの推薦でマイスターを決める会社が多いです。

彼らには一時金や手当ての支給、制服へのマイスターを表すラインの追加などで処遇するわけですが、どうしてその人が選ばれた(あるいは解任された)のかという根拠に納得性・公平性がなければ、現場の士気に影響してしまいます。

そこで、社内技能検定を導入する会社が多いわけです。

ところが、もともと人事などの制度企画側には技能・技術のどこが卓越しているのか、具体的かつ定量的に把握するのが難しいところがあります。


では、どうしたらいいでしょう?

私は、2つのことをヒントとして書きたいと思います。

(1)マイスターに聞く。
社内認定制度の構築・整備をするにあたり、制度企画側が主導するものの、マイスターに聞くことです。
最後の最後の官能的な技術以外は定量化できるはずです。
じっくりとマイスターにヒアリングして、それを人事などの制度企画側が言語化、体系化していくようにしましょう。最初はパワーが必要ですが、重要な仕事です。

(2)可能な限り定量化する。
とはいえ、社内検定の中身を定量化するのが難しいと思います。
これには、定量化できないものはほぼないという意識で、現場の技術員の力を借りながら進めていくしかありません。

私は、流通(GMS・スーパー)の非正規社員の社内審査システムがヒントになるのでは?と思っています。

いわゆる出世コースとは別で、現場のモチベーションを高め組織力を強めるということでは、非正規社員が現場の戦力の大半を構成している流通業(GMS・スーパー)のマネジメント、特に非正規社員の社内認定制度がヒントになると思います。

例えば私が以前話を聞いたあるスーパーでは、鮮魚の担当者の受ける社内認定試験は、何枚切っても刺身の厚みが〇mm~△mmに収まる、切り身の盛り付け角度が〇度以上~△度未満、どことどこを結んだ線の角度が〇度といったように、驚くほど細かく定量化されています。

つまり、感覚的な「見た目に美味しい刺身の盛り合わせ」でさえ、見事に数字化されているのです。
そしてそれが、社員のランクごとに見事に体系化されていました。

機械でも測定できない最後の最後の官能的な部分以外は定量評価ができると信じ、マイスターや技術員の力を借りながら、認定試験の納得性を高めることが大切です。

日本には小さな町工場でも、世界的レベルの技術を持っているところがあります。
その技術が後継者不足によって、存続の危機となっているそうです。

小さな工場だから、中小企業だからと諦めず、伝承の道を探りましょう。
その努力が、技術の日本復活に向けての一歩と信じて。


先日、花王株式会社で親しくさせて頂いている人事の方のご好意で、亀戸にある「すみだ事業場」を見学させて頂きました。

すみだ事業場(東京工場)では化粧品を研究・製造しています。英知を意味する“SOFIA”から派生した「SOFINA」、フランス語で“夜明け”を意味する「AUBE」といった皆さんの良く知っている製品を製造されています。

工場と同じ敷地内に「総合美容研究所」があり、世界中の美容についてのトレンドを調査していたり、実際に美容師がモニターさんに新商品をテストして使い心地の調査などをしているそうです。


面白かったのは、国によってシャンプーの香りに関する嗜好というか文化が違うこと。

アジア圏ではさわやかな香りが好まれていますが、ヨーロッパでは、バニラやメープルシロップの香りなどがラインナップされているとのこと。

私達が使うと、クリームというかお菓子で頭を洗っているような感じがして、違和感を覚えてしまうそうです。
確かに・・。


驚いたのは、お客様を大切にする姿勢です。

お客様の疑問に出来る限り答え、お客様の意見を商品開発に反映する。
それもスピーディに。

そのためのデータベースシステム「エコーシステム」について教えてもらいました。
B to C のCRM(※)を真摯につきつめていると感じました。

同社には、お客様の声が1日平均540件、年間12万件寄せられるそうです。

お客様から電話があった時に、オペレーターはエコーシステムと呼ばれるデータベースにアクセスして対応します。

お客様が問い合わせた商品をオペレーターが検索すると、その商品のあらゆる角度から見た画像が画面に出てきて、商品を手に電話してきたお客様と同じ目線で話ができるようにしています。

また、テレビCMのデータベースもあり、使われている音楽や俳優、撮影場所や方法といった情報が入っているそうです。

そして素晴らしいと感じたのは、いずれのデータもお客様をお待たせしないために“3秒以内”に画面に出るようにしているとのこと。

実はこれ、簡単なようでいて難しいことです。

というのも、年をおって各種データの量が増えることや、最大同時アクセス数に余裕を持たせなければいけないことなど、企業としては、それに割く労力や予算などかなりかかるからです。

このシステムを利用して、お客様の声をデータベース化、商品開発にスピーディに反映するというわけです。
実際に、ビオレの「毛穴すっきりパック」は約半年の間に5~6回の商品改良がなされたそうです。


豊富な資金のある大企業だからデータベースを構築できるのだと考えるのは簡単ですが、ここで学ぶことがあります。それは、

(1)クレーム・意見を商品開発に繋げる意識
(2)クレーム・意見を自社のファン開拓に繋げる意識

です。
不満を感じてもクレームを言わないお客様は、ただ商品を買わなくなったり、ただお店に来なくなったります。
そう、知らないうちに、気づかないうちに。

クレームを言ってくれるお客様(いわゆる「クレーマー」や「モンスターペアレント」は別ですが)は情報の捉え方や対応によって、商品開発や改良に繋がったり、自社やお店のコアなファンになってくれる可能性があります。

この意識を持って、自社にできることは何だろうと考えてやれることを愚直にやることが大切です。

ここ数年、クレームは「宝の山」と商品開発に繋げる有用性が言われていますが、花王さんではだいぶ前から愚直にお客様に向かい合ってきたのだなあと感じました。

私達も今一度、アンケートのフォーマットを見直したり、店先でのお客様との会話に注意を払うことでいろいろなヒントが隠れていると思います。

あと、個人の人間関係も似たようなところがあるなと思いました。
いいところはどんどん自分にも取り入れましょう!

※CRM
Customer Relationship Management (以下、IT用語事典より)
情報システムを応用して企業が顧客と長期的な関係を築く手法のこと。
詳細な顧客データベースを元に、商品の売買から保守サービス、問い合わせやクレームへの対応など、個々の顧客とのすべてのやり取りを一貫して管理することにより実現する。
顧客のニーズにきめ細かく対応することで、顧客の利便性と満足度を高め、顧客を常連客として囲い込んで収益率の極大化をはかることを目的としている。

「話し方」とか「思いを伝える~」ではなく、ずばっと「口のきき方」という一見 挑発的なタイトルが目にとまり、手に取ってしまいました。

中身をパラパラとめくると、自分に響くところがあるような気がして即購入しました。
実は、これも自分自身を変えようと思った時に読んだ本の1つです。

相手の心をつかむ人、仕事ができる人のうまい「口のきき方」―365日に差がつく!「言葉の心理術」

相手の心をつかむ人、仕事ができる人のうまい「口のきき方」
山﨑武也(著)  三笠書房

著者はビジネス書の中でも、人間関係についての本を多く執筆されている方です。

相手に不快な思いをさせずに人間関係を構築するための視点から、
・「惹きつける技術」
・「質問する技術」
・「うなずかせる技術」
・「切り抜ける技術」
・「高感度を上げる技術」
・「<タイプ別>話し方のコツ」
・「大勢の人の前で話す技術」
と7章だてになっています。

タイトルの「口のきき方」だけでなく、人の話を聞くということがどういうことかについても詳細に書かれています。

今までの私だったら手に取らなかったであろうジャンルの本ですが、今回は思うところあって読んだだけに、いろいろとグサグサきました。

私が、コーチにも言われている相手の立場にたった(相手の思いを察する)コミュニケーションについて、著者ご自身の体験を中心とした実例をあげて書かれています。

私自身、今回いろいろと考え実行するまでは、山﨑氏の言う「おしゃべりな人」(ネガティブな意味)「自己顕示欲の強い人」でしたし、目上の人に対しても単刀直入なものの言い方をする人間でしたので、読んでいて(いい意味で)怒られているような、人生の先輩から叱られているような気がしました。


こういう内容の本ですから、当然なのですが、いろいろなケースで「相手はこう受け取る」というようなことが書かれており、著者は日頃からかなり細かく人間観察をされているなと感じました。

もし、お会いしたら、いろいろと見られてしまいそうで怖いくらいです。
仮にお会いすることがあったら・・、もっと修行してからがいいです。


私自身が自分を変えたいと考えている時なので、この本のどこにグサグサきたとか、うまく所感は書くことができません。また、書評なんてもってのほかです。
今回はあくまで紹介です。はい。

ただ、今回読んで私自身が意識したいと思ったページは全て折り目をつけました。
今回、これを書いている時もそうでしたが、折り目をつけたところは、たまに読み返して、これからも意識して自分なりに「学習」していこうと思っています。

おそらく人生の節目になるであろう時に読んだ1冊でした。