CRM (花王株式会社) | 海を愛する組織開発・人事・教育・総務コンサルタントのブログ

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先日、花王株式会社で親しくさせて頂いている人事の方のご好意で、亀戸にある「すみだ事業場」を見学させて頂きました。

すみだ事業場(東京工場)では化粧品を研究・製造しています。英知を意味する“SOFIA”から派生した「SOFINA」、フランス語で“夜明け”を意味する「AUBE」といった皆さんの良く知っている製品を製造されています。

工場と同じ敷地内に「総合美容研究所」があり、世界中の美容についてのトレンドを調査していたり、実際に美容師がモニターさんに新商品をテストして使い心地の調査などをしているそうです。


面白かったのは、国によってシャンプーの香りに関する嗜好というか文化が違うこと。

アジア圏ではさわやかな香りが好まれていますが、ヨーロッパでは、バニラやメープルシロップの香りなどがラインナップされているとのこと。

私達が使うと、クリームというかお菓子で頭を洗っているような感じがして、違和感を覚えてしまうそうです。
確かに・・。


驚いたのは、お客様を大切にする姿勢です。

お客様の疑問に出来る限り答え、お客様の意見を商品開発に反映する。
それもスピーディに。

そのためのデータベースシステム「エコーシステム」について教えてもらいました。
B to C のCRM(※)を真摯につきつめていると感じました。

同社には、お客様の声が1日平均540件、年間12万件寄せられるそうです。

お客様から電話があった時に、オペレーターはエコーシステムと呼ばれるデータベースにアクセスして対応します。

お客様が問い合わせた商品をオペレーターが検索すると、その商品のあらゆる角度から見た画像が画面に出てきて、商品を手に電話してきたお客様と同じ目線で話ができるようにしています。

また、テレビCMのデータベースもあり、使われている音楽や俳優、撮影場所や方法といった情報が入っているそうです。

そして素晴らしいと感じたのは、いずれのデータもお客様をお待たせしないために“3秒以内”に画面に出るようにしているとのこと。

実はこれ、簡単なようでいて難しいことです。

というのも、年をおって各種データの量が増えることや、最大同時アクセス数に余裕を持たせなければいけないことなど、企業としては、それに割く労力や予算などかなりかかるからです。

このシステムを利用して、お客様の声をデータベース化、商品開発にスピーディに反映するというわけです。
実際に、ビオレの「毛穴すっきりパック」は約半年の間に5~6回の商品改良がなされたそうです。


豊富な資金のある大企業だからデータベースを構築できるのだと考えるのは簡単ですが、ここで学ぶことがあります。それは、

(1)クレーム・意見を商品開発に繋げる意識
(2)クレーム・意見を自社のファン開拓に繋げる意識

です。
不満を感じてもクレームを言わないお客様は、ただ商品を買わなくなったり、ただお店に来なくなったります。
そう、知らないうちに、気づかないうちに。

クレームを言ってくれるお客様(いわゆる「クレーマー」や「モンスターペアレント」は別ですが)は情報の捉え方や対応によって、商品開発や改良に繋がったり、自社やお店のコアなファンになってくれる可能性があります。

この意識を持って、自社にできることは何だろうと考えてやれることを愚直にやることが大切です。

ここ数年、クレームは「宝の山」と商品開発に繋げる有用性が言われていますが、花王さんではだいぶ前から愚直にお客様に向かい合ってきたのだなあと感じました。

私達も今一度、アンケートのフォーマットを見直したり、店先でのお客様との会話に注意を払うことでいろいろなヒントが隠れていると思います。

あと、個人の人間関係も似たようなところがあるなと思いました。
いいところはどんどん自分にも取り入れましょう!

※CRM
Customer Relationship Management (以下、IT用語事典より)
情報システムを応用して企業が顧客と長期的な関係を築く手法のこと。
詳細な顧客データベースを元に、商品の売買から保守サービス、問い合わせやクレームへの対応など、個々の顧客とのすべてのやり取りを一貫して管理することにより実現する。
顧客のニーズにきめ細かく対応することで、顧客の利便性と満足度を高め、顧客を常連客として囲い込んで収益率の極大化をはかることを目的としている。