続いてはギャップ幅と投げ出し、ストリングスが伸びきるまでの変化も考えてみます。
ストリングスの太さも考慮して考える必要があるのでちょっとそこから考えます。
一般販売されている物の太さが直径2㎜前後
Cベアリングの幅が4.7625㎜、実際のギャップとしては4.3~4.7㎜程度でしょうか。
後はパッドの厚さとパッドの深さなんですが大体ギャップ幅と同じかやや深いぐらいのものが多いかと思います。とりあえずギャップ幅と同じと考えてみましょう。
適当に持ってきたシェイプの画像です。
パッドに触れるまでストリングを巻き付けるには何周巻く必要があるでしょうか。
単純にギャップ幅÷ストリングの太さ
なので4.5÷約2㎜=2.25
大体2周と少し、凹型ベアリングでも多少増えますが大体3周、3本分も幅があればパッドに触れる計算になります。
3本分絡む時と言えば
バインドする時
なのでこの幅の設定って絶妙なんですね。
3本目がパッドに触れて食い込むと戻ってくる素晴らしい発明です。
これが今度スローするときにはちょっと別の問題になります。
ストリングの長さ全てが回転力として伝わらなくなります。
前回の計算式が当てはまるのは
パッドとストリングがしっかりと当たってヨーヨーの回転運動として伝わっている時だけです。
(となると前回の計算ってパッドの径で換算した方が良いのかもしれませんが)
つまりパッドに触れなくなると
ヨーヨーはただ投げた方向に飛んでいくだけです。
それを踏まえて実際にスロー時の引っ張られ感は
投げる→①ヨーヨーに回転が加わりつつストリングがほどける区間→②パッドとストリングの接触が減少する区間→③パッドとストリングが完全に離れている区間→④ストリングが伸び切る瞬間
と変化するはずです。
ストリングに加わる張力の強さと合わせて張力が発生する時間も影響するのでこれが長いほど引っ張られ感は感じます。
またギャップが狭い、ストリングが太くなるほどストリング同士、パッドとの摩擦からくる抵抗感も無視できない要素になります。
番号に合わせて要素を踏まえていくと
①の時(巻きついたストリングがほどける段階)
慣性モーメントが大きい(回転力大きい)
実重量が重たい
ストリングが細い、もしくは長い
ベアリングが小さい
ほど引っ張られ感(張力)が強くなる、もしくは張力が長く発生します。
②の時(パッドからストリングが離れていく段階)
慣性モーメントが大きい(回転力大きい)
パッドの摩擦が強い
ギャップが狭い
ストリングが太い
程ここでも張力が残りやすくなるはずです。
ここで大きな差はストリングの太さの条件が逆転することです。
太いほどパッドにストリングが食い込むことになるので
摩擦力の差が表れやすくなります。
③の時(パッドとストリングが完全に離れた段階)
ここは折り返したストリングが抜ける状況になります。
ここでの最大の違いは前に行ったバインド操作の折り返しが大きい(深い)ほど
この区間が大きくなります。この段階は完全に回転力として伝わらないのでエネルギーとしても損失になります。
④の時(伸びきった瞬間)
実重量が重い
慣性モーメントが小さい
ストリングが固い
ほど衝撃が強くなります。
投げ出しのフィーリングは結構な要素が絡んでくるので単純に回るようにすることよりも難しいところですね。各メーカーこの辺りも上手に設計されていると思うので色々比べて見ても面白いですね。