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ゼネコン君

某大手建設業社員のブログ

建設業には 色んな資格があるのですが 資格に関してこんなニュースがありました


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建築施工管理技士の替え玉受験で2人を起訴

 建築施工管理技士の検定試験で、替え玉受験したとして、大阪地方検察庁は12月5日、大阪市にある資格学校「建設業技術協会」の足立憲治容疑者と西垣健次容疑者の2人を有印私文書偽造・同行使の罪で起訴した。

 足立被告は同協会の実質的な責任者で、西垣被告は講師を務めていた。足立被告は2008年2月、協会の30代の受講生が一級建築施工管理技術検定試験に申し込む際、「受検申請書」に西垣被告の顔写真を張って偽造した疑い。6月の学科試験では、受講生に代わって西垣被告が試験を受けた。

 ところが、10月に実施する実地試験の前の書類審査で、西垣被告の顔写真が30代に見えなかったことから不正が発覚した。西垣被告は55歳だった。建築施工管理技士の資格を所管する国土交通省が、大阪府警に告発していた。

 大阪府警では、両被告が協会の受講生の替え玉受験を繰り返し、1回当たり数十万円の報酬を得ていたとみて、さらに捜査を進める。

 建築施工管理技術検定試験は一級と二級があり、国交相から試験機関として指定を受けた建設業振興基金が学科試験と実地試験を実施している。両試験に合格すれば、一級建築施工管理技士や二級建築施工管理技士の資格が得られる。

 一級建築施工管理技術検定試験の場合、07年度の試験結果は学科試験の合格者が1万1088人で合格率は46.4%。学科試験に合格した人などが受ける実地試験の合格者は6212人で合格率は34.1%だった。



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土木施工管理技士でも替え玉受験、資格学校の2人を再逮捕

大阪府警は12月8日、土木施工管理技士の検定試験で替え玉受験したとして、大阪市にある資格学校「建設業技術協会」の足立憲治被告と西垣健次被告の2人を有印私文書偽造・同行使の疑いで再逮捕した。

 両被告は、建築施工管理技士の検定試験でも替え玉受験していたことが判明。大阪地方検察庁が12月5日に起訴している。足立被告は同協会の実質的な責任者で、西垣被告は講師を務めていた。

 大阪府警によると、両被告は2007年4月、(財)全国建設研修センターが実施する一級土木施工管理技術検定試験に同協会の受講生が申し込む際、西垣被告の顔写真を使用。同年7月の学科試験と10月の実地試験を、受講生の代わりに西垣被告が受験して合格した。両被告は、受講生から謝礼として数十万円を受け取っていたという。

 (財)建設業振興基金が実施する建築施工管理技士の検定試験で、西垣被告による替え玉受験が発覚したのは2008年9月ごろ。建築や土木などの施工管理技士の資格を所管する国土交通省は、試験機関に指定している各財団法人などに、過去の受験申込書などで西垣被告の顔写真が使われていないかどうかなどを調べるよう指示していた。

 国交省は既に、調査結果を大阪府警に提出している。国交省は内容を明らかにしていないが、替え玉受験はほかにも判明しているとみられる。

 2007年度の一級土木施工管理技術検定で実地試験の合格者は1万2899人、合格率は36.7%。実地試験に先立って受ける学科試験の合格者は2万1458人、合格率は50.8%だった。

 施工管理技士は、建設会社が工事現場に置かなければならない主任技術者や監理技術者を務められる国家資格。建設会社が営業所ごとに専任で置かなければならない技術者にも求められる。土木と建築のほかに、管工事と造園、建設機械、電気工事の各施工管理技士の資格があり、国交省はそれぞれ試験機関を指定している。


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替え玉に応じるこの2人に言葉も無いが こいつらに替え玉受験を頼んだ側はもっと情けないやつだなー
こんな替え玉受験でもらった資格で仕事しようなんて なんてばかなやつがいるんだろう

資格は重要であるが、資格だけで仕事ができるわけではなく そこに実力が伴わなければ 資格自体に意味は無い
資格試験自体に実際の仕事と多少の乖離はあるが 広い知識・経験の必要な建設の仕事での実力がある程度あれば資格試験は 替え玉で金を出して得るほど難しいものではないんだけど・・・・

資格の学校が 裏家業でやっていた稀な事件なのか   それとも 氷山の一角なのか

前者であってほしい・・・・・
先日ここで紹介した 神奈川での杭の隠蔽事件に関して 新しい記事がありましたので 紹介します


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写真の差し替えや鉄筋の切断も、さがみ縦貫道路の不正行為が明らかに

 国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所は12月1日、さがみ縦貫道路の橋梁工事で施工記録に改ざんが見つかった問題で、施工を担当する大成建設に行ったヒアリング調査などの結果を発表。工事写真を差し替えたり協議せずに鉄筋を切断するなどの不正行為があったことを明らかにした。

 最も多かった不正は、工事写真の差し替えなどによる施工記録の改ざん。例えば、施工個所の工事写真を破棄してほかの杭の工事写真と差し替えたり、工事用の黒板の数値を設計通りの値に書き換えて撮影したりしていた。施工した108本の場所打ち杭のうち、23本の杭で、こうした改ざんを加えた不正な報告を確認した。

 横浜国道事務所と協議せずに切断した鉄筋は、11本の場所打ち杭で確認した。このうち、10本の杭では鉄筋の切断と併せて、工事写真を差し替えるなどしていた。残る1本は写真の差し替えなどはなかったが、協議せずに鉄筋を切断していた。

 横浜国道事務所は今後、施工済みの杭から56本を選んで調査する。56本の内訳は、不正を確認した24本と工事写真が不鮮明な20本、無作為に選んだ12本。鉄筋が設計通りに配置されているかなど、専門家に意見を聞きながら調査する。必要があれば、補強などの対策を大成建設に求める。

 再発防止に当たっては、これまで全体の3割の杭を対象としていた段階確認を、全数に拡大して調査する。加えて、杭頭の処理の施工状況などを、ビデオカメラを使って全数確認する。毎日の施工状況についても、現場代理人か監理技術者による報告を義務付ける。

 不正があったのは、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部となるさがみ縦貫道路の「宮山高架橋下部(その17)工事」。22基の橋脚などに加え、直径1.2m、長さ30~40mの場所打ち杭を136本築く。横浜国道事務所と大成建設は2008年10月31日、工事写真と施工管理記録に違いが見つかったことなどを公表していた。


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国交省が大成建設の書類改ざんと断定/さがみ縦貫道路の施工ミス隠ぺい問題

 さがみ縦貫道路(首都圏中央連絡自動車道)の橋梁(きょうりょう)打ち杭(くい)工事で施工ミスの隠ぺいがあった問題で、国土交通省は一日、工事を請け負った大成建設が書類を改ざんしていたことを確認したと発表した。

 十月の発覚時は、寒川町内で地中に打ち込んだ百八本の杭(長さ約三十メートル)のうち十六本でミスがあったとされていたが、計二十四本に問題があったことが判明。いずれも、現場担当者らが工事用黒板の数値を書き換えたり、写真データの消去やカメラの撮影日の操作で記録を改ざんし、国交省に虚偽の報告をしていたという。

 国交省は今後、施工状況のビデオ撮影などを同社に義務付けるほか、強度に問題があった場合は補強工事を行わせる方針。同社は「同種工事をすべて調査したが、ほかに問題はなかった。(再発防止策は)国交省の指導に従う」などとしている。

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記事中にあるように 事件公表時点では 108本の杭のうち16本でミスがあったとされていたが、計24本に問題があったことが判明したようです
おそらく企業として記者会見をおこなったくらいですから 社内に於いて調査の上で 公表したはずですがそれが間違っていたということは、事態の重大さを 調査に当たった大成建設自身が 軽視していたのでしょう
あるいは もっと極端な見方をすれば 公表時点に於いて 大成建設は 総てを明らかにしたのではなく 自分達に都合のいいように 事実を曲げて いたのかもしれません
見せかけの 謝罪会見だったとしたら この企業の 体質を根本から疑いたくなりますね

機械生産品ですら不良率があるのですから 人が作る建築物に於いて何らかのミスがあるのは当然だと思いますが、そのときの対応で その人・企業の本質が見えるような気がします

この事件は 同じ建設業に勤めるものとして ほんとに 寂しい限りです 
先日 建設業の動態指標となる 10月の住宅着工統計が発表されました


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住宅着工の改正建基法施行による反動増が失速、10月は前年比20%増

 国土交通省が11月28日、2008年10月の新設住宅着工戸数は前年同月比19.8%増の9万2123戸と発表した。08年7月以降、住宅着工戸数は改正建築基準法施行の影響で激減した前年同月を大幅に上回る状況が続き、8、9月はそれぞれ50%あまり増えたものの、08年10月は控えめな増加となった。

 激減した07年後半の水準と比べてもさほど増えていないのは、平年並みの着工戸数をかなり下回っていることを意味する。06年10月の着工戸数11万8360戸との比較では、22.2%減だった。

 なかでも持ち家が振るわず、07年10月の着工戸数と比べても4.3%減の2万6533戸となり、4カ月で前年同月を下回る状況に戻ってしまった。貸し家は35.4%増の4万2940戸、分譲は28.9%増の2万1963戸だ。分譲住宅のうちマンションは前年同月比96.3%増だったが、戸建ては11.8%減と、持ち家と同様に前年同月比で4カ月ぶりにマイナスとなった。

 分譲マンションの着工戸数の動向には地域差がある。首都圏の6047戸が前年同月比124.6%増、近畿圏の2917戸が82.2%増だったのに対し、中部圏の691戸は31.8%減となった。


20081129


国土交通省 建築着工統計調査報告(平成20年10月分) 発表資料
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前年比率としては +になっているが 建築基準法の改正に伴う 大幅に停滞した着工数との比較での+であって 件数としては 依然低空飛行が続いているようです
改正建築基準法による 官製不況 そして 立ち直る間もなく 世界的な金融不安による 不況 と 第一波波* 第二波波* と 不況の波波により 完全に 飲み込まれている状況です

11/28 モリモト
11/26 オリエンタル白石
11/14 ディックスクロキ
11/11 勝村建設
10/31 ダイナシティ
10/30 山崎建設
10/16 井上工業

10月11月と依然 建設・不動産の倒産は 衰えることなく続いています

冬の気配が一日と深まり寒くなってきてますが 建設業は 既に冬真っ只中の 猛吹雪吹雪が続いているようです
今回取り上げるのは 金属製建具工事です

金属製建具といっても その材質により 幾つかに分かれます

スチール製建具
軽量スチール製建具
アルミ製建具
ステンレス製建具
シャッター
カーテンウォール   など

スチール製建具 は イメージしやすいのは 防火戸 でしょうか

軽量スチール製建具 は基本的にスチール製建具なのですが 室内用の軽量のスチール建具です

アルミ製建具 は 錆びないアルミの特性を活かし 主に外部用の建具です

ステンレス製建具 は アルミ同様錆びない(錆びにくい)特性を活かし 主に外部用の建具です
  アルミと異なるのは 鏡面等の表面処理として エントランスなどの 自動ドア等に使われていることが多いです

シャッターは 防火用・防炎用・防犯用 等の 用途 扉の代用として使われる建具です

カーテンウォール は 建物の外部に面して取り付けられる非耐力壁のこと です
 最近の高層建物の外壁の殆どは このカーテンウォールというやつです
 外壁重量の軽量化、建物のしなりによるゆがみの影響を極力小さくするために、建物の荷重を直接負担しないガラスの壁がよく見られるものです

またそれぞれの建具は
 スチール:S 軽量スチール:LS アルミ:A ステンレス:SS + ドア:D 窓:W
  Ex. SD LSD AD AW SSD 等
カーテンウォールは:CWとか ACW(一般にアルミが多いのでアルミカーテンウォール)
シャッターはSS
等と 表記されます

通常 扉や窓は 溶接で固定されます
カーテンウォールは  ガラス部分が多いので 地震時にそそれ自身が ある程度の動きが必要なので 動きを想定して ボルトのみの固定の場合もあります

建具に関しては 
耐風圧性 S-1 ~ S-7
気密性  A-1 ~ A-4
水密性  W-1 ~ W-5
遮音性  T-1 ~ T-5
断熱性  H-1 ~ H-5 
といった等級があります
(ちなみにそれぞれ数字が大きいほうが 高性能です)

一般的な建具に関しては 各メーカーとも 自社の標準品があるので そんなに違いは無く、適正に施工していれば 水漏れなども殆どありません

カーテンウォールに関しては 各メーカー ある程度標準部材・標準納まり等がありますが、建物により異なる部分も多くあります
取付け方・層間変位の追従性・結露水などの処理経路・止水対策など の多くの検討項目があり ゼネコン君の技量によっては 極稀に漏水などの不具合が出ることもあります

でも最近は 各メーカーとも 独自の技術センターなどを持ち 高い技術力を持っているので メーカー側がゼネコン君の技術不足を補ってくれることもあります
(↑↑↑ ホントは ゼネコン君としては これではいけないのですけどね・・・・・)

最後に 金属製建具のメーカーですが
 新日軽㈱・トステム㈱・YKK AP㈱・三協立山アルミ㈱・不二サッシ㈱・三和タジマ㈱・三和シャッター工業㈱・文化シャッター㈱・東洋シャッター㈱・トステム鈴木シャッター㈱ 等 まだまだ 沢山あります

各メーカー サッシに メーカー名を表示してますので 暇な時にでも 皆さんの家のサッシ どこのメーカーか 見てはいかがですか? 






先日 大手4社(竹中工務店は非上場)の第2四半期の決算発表がされましたが 大成建設・大林組・鹿島建設に続き 結局 清水建設も 第2四半期決算と同時に 業績予想を下方修正しました

金融不安・急激な円高など 複数の要因により建設業だけではなく ソニー・東芝・シャープ・トヨタ・ホンダなど 各業界 業績予想の下方修正が 続き 経済自体が 停滞している状態では仕方の無いことですが 建設業界 スーパーゼネコン全社がそろっての 業績下方修正は 深刻度が高いことを現しているのではないでしょうか


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ゼネコン大手4社、今期純利益7割減 軒並み下方修正

 ゼネコン(総合建設会社)大手4社の2008年4―9月期連結決算が12日出そろった。国内民間建築の不振と資材価格高騰が響き、鹿島、清水建設、大林組が最終減益、大成建設は赤字になった。4社は09年3月通期の業績予想をそろって下方修正、合計純利益は前期比で7割減る見込み。景気低迷による住宅市場冷え込みがゼネコンの業績を直撃、建材や耐久消費財など周辺産業にも影響が広がっている。

 12日には清水建設が今期の純利益予想を前期比41%減の160億円(従来予想は240億円)に下方修正。大林組も増益予想から一転、同9%減の170億円に下方修正した。すでに鹿島と大成建設は修正済みで、4社合計の純利益は前期比71%減の320億円になる見通し。これは、1361億円の最終赤字となった02年3月期以来7期ぶりの低水準となる。

(2008.11.12 日経新聞より)
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ちなみに 各社修正した2009年03月期 最終業績予想は ↓↓ な感じです
              売上高      営業利益      経常利益      純利益    (単位:百万円)
1801 大成建設㈱  1,710,000 (△0.1)   1,000 (△98.0)  △8,000 ( - )  △13,000 ( - )
1802 ㈱大林組    1,770,000 ( 4.5)   30,000 (  4.6)   35,000 (  8.3)   17,000 (△8.6)
1803 清水建設㈱  1,950,000 ( 15.7)  32,000 (△38.8)  30,000 (△37.9)   16,000 (△40.8)
1812 鹿島建設㈱  1,940,000 ( 2.4)   18,500 (  2.2)   20,000 (△32.1)   12,000 (△70.5)
 ():対前期比増減率

各社 売上高は確保しつつも 利益には結び付かず 厳しい状況が見て取れます
以前にも 紹介しましたが 大成建設 の業績は飛び抜けて厳しい状況になっています
一部では 今期悪条件を出し尽くし 良い判断もあるようですが 来期どれだけ回復できるか注目なところです

各社 厳しい状況の中で 大林組は 利益率がよく 建設業独特の体質 が 改善できつつあるのかもしれませんね

まだまだ 不動産・建設業者の 倒産などの ニュースが絶えないですが こういう情勢だからこそ 見えてくる各社の特徴があるのかもしれませんね
かなーり久しぶりですが 今回取り上げるのは  金物工事 です

金物と一言で言っても 色々なものがあります

「既製金物」「製作金物」 に大別できます

既製金物 というのは 商品として既に存在している金物 の工事
 身近なところで例を挙げれば カーテンレール・ピクチャーレール・新聞受け・物干し金物・換気レジスター・宅配ボックス・ノンスリップ(階段の段鼻のところについているやつ)・床点検口・グレーチング(側溝や排水溝などに敷いてある溝蓋みたいなやつ)など 

製作金物 というのは 既製品ではなく その建物毎にあわせて 作られる金物 の工事
 例えば、ビルなどの カーテンボックス・ブラインドボックス・金物手すり・建具の額縁 など 多種多様にあります

既製金物であれば 商品としてあるものを 取り付けるだけなので 商品+取付施工費=工事の値段はある程度 決まった金額になります

しかし 製作金物は、一品生産品で しかも 設計者との打ち合わせの中で、意匠的なこだわりの有無や取り付け方の難易により 製品のグレードがピンからキリまであり 値段に関しても それ相応に ピンからキリまであります
 手摺 を例にとって言えば 
   材質 スチール・ステンレス・アルミ
   仕上 スチール:錆び止め塗装(+塗装工事で塗装)・溶融亜鉛メッキ仕上げ
      ステンレス:HL(ヘアライン)仕上・鏡面仕上
      アルミ:工場焼付塗装・アルマイト仕上
   部材形状 FB(フラットバー)・丸パイプ・角パイプ・型材・各部材の組み合わせ
   手摺形状 手摺の高さ・手摺子(中桟)の数
   取付方法 埋め込み・持ち出し・ボルト固定・溶接固定
など 色々な選択肢があり、つまりは 製品の値段も 色々になります
製品のほかにも 施工条件によって工事の値段が変わることもあります
 延べm数で100mの手摺があったとします
 2mの手摺が50個あるのか 20mのものが5個あるのかによって 取付費がかわってきます

ピンきりのグレードの中から  設計者や時には 発注者との打ち合わせの中で ゼネコン君がうまく主導権を握って 要求される性能(機能面・意匠面など)を満足したものを いかに安く出来るかが ゼネコン君の腕の見せ所でもあります
時には 当初のものと 最終決定のものと まったく違っていたということも あります

蛇足ですが こんな風に 機能を満たし 価値を向上させる行為の事を VE といって 建設業ではよく行われることです
そしてこの VEという手段が ゼネコン君の利益&赤字の回復 の秘密の一つです

手摺一つで 色んな検討項目があるのですが、こんなものが 一つの建物で沢山あり、こういった構成要素の集合体として 一つの建物が出来ています


今度機会があったら 建物で使われている 金物 探してみてひよ下さい
たくさんありますよ~
先日紹介した 大成建設の 相模縦貫道の工事での 虚偽報告に関しての 記事です


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さがみ縦貫道の工事で大成建設が虚偽報告、杭の数値が写真と資料で異なる

 国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所は10月31日、神奈川県内に建設中のさがみ縦貫道路の橋梁工事で、下部工事の施工記録に虚偽の報告があったと発表。施工を担当する大成建設の工事関係者に対して、偽って報告した経緯や実際の施工の状態などについて調べている。

 工事は、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部となるさがみ縦貫道路の「宮山高架橋下部(その17)工事」。22基の橋脚などに加え、直径1.2m、長さ30~40mの場所打ち杭を136本築く。工期は2008年2月9日から2009年3月31日まで。工事費は8億3580万円。

 報告に虚偽があったのは、場所打ち杭の施工管理記録。管理記録に記された数値と施工写真に写った黒板の数値とに、異なる個所があったことから発覚した。これを受けて、横浜国道事務所は10月23日、大成建設に対して虚偽の記載内容について確認するよう指示。27日、同社から報告を受けた。

sagami


 不正が判明した杭は、施工を終えた108本の場所打ち杭のうちの16本。報告によって判明した施工管理記録の不正は以下の3点だ。

 (1)9本の杭で設計の数値を読み違え、杭の鉄筋を135mm高い位置に設置。コンクリートの打設後に鉄筋を切断していた。

 (2)コンクリートの打設時に、鉄筋かごの“あがり”などがあった杭が7本。このうち、2本の杭で飛び出した鉄筋を切断していた。

 (3)これら16本の杭の施工写真をほかの杭の写真と差し替え、元の写真を破棄していたものがあった。

 大成建設からの報告を受けて、横浜国道事務所は施工状況の確認や工事関係者へのヒアリングを開始した。施工管理記録に虚偽の記載をした経緯や実際の施工の内容、杭が強度不足になっていないかなどについて、改めて調査している。必要に応じて、施工済みの杭も調べる。同事務所は調査結果や今後の対処方法について、2週間をめどにまとめる予定だ。

 大成建設は11月1日、不正に対して同社のホームページ上で謝意を表明した。設計通りに施工しなかった杭は、現場の作業所が強度上の問題がないと判断。設計通りに施工したように、数値を書き換えて施工写真を撮影していたと説明している。

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2008.11.01 大成建設の発表資料

大成建設ほどの会社が、杭工事の施工管理に関して、杭の施工に不具合があったときの対処方法・対策など 分かりきったものであったはずです
この現場の当事者であった 担当者・所長も決して入社数年の若年社員ではなく 40代・50代の ベテランです
施工の不具合による構造補強等の費用と 改ざんし隠蔽した時の社会的責任を比較したら どちらを選択すべきか 火を見るより明らかであるように思いますが、隠蔽を選択したことは (建築・土木の違いはあるにせよ)同じ建設業界に身をおくゼネコン社員としては残念です

スーパーゼネコンでさえこの程度の社員のモラルというのは悲しいですね
昨年末 ゼネコン各社による施工ミス等が続発し、最近は 殆どニュースとして聞く事も無くなり、金融不安に端を発する 倒産等に 興味が移りつつあったのですが 今まであった 施工ミスを教訓とすることなく また新たな ニュースがありました


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打ち杭施工ミスし虚偽報告/さがみ縦貫道路橋梁工事で大成建設

 国土交通省横浜国道事務所は三十一日、さがみ縦貫道路(首都圏中央連絡自動車道)の橋梁(きょうりょう)打ち杭(くい)工事で、大成建設が施工ミスした杭の深さを偽って報告していたと発表した。大成建設も同日会見し、隠ぺいがあったことを認め、謝罪した。同事務所は同社への処分を検討するほか、強度に問題があれば補強などで対応させる方針。

 問題になっているのは、大成建設横浜支店が二〇〇八年二月~〇九年三月の工期で請け負い、寒川町倉見の相模川沿いで行われている基礎工事。

 地中に打ち込んだ百八本の杭(長さ約三十メートル)のうち十六本で、設計図の読み違いなどが原因で深さに最大十七センチのずれなどが生じたが、同社は余った鉄筋を切断するなどして対処。さらに現場で撮影した施工管理記録の写真を破棄し、黒板の数値を規格値に書き換えて撮り直した写真と入れ替えるなどして、同事務所に虚偽の報告をしていたという。

 九月に「工事に不具合がある」と匿名の情報提供があり、同事務所があらためて同社に記録提出を求めたところ、本来の写真と、撮り直した虚偽の写真の二種類が存在することが発覚した。通常は施工ミスがあった場合、業者からの報告を受けて、強度に問題があれば補強工事などを施させているという。

 同社によると、担当者(41)の判断で写真を撮り直していたが、作業所長(57)ら上司も認識していた。少なくとも十四枚の不正写真が確認されており、本来の写真の大半はデータ消去されていた。

 会見した同社の小林将志専務は「安易に判断して数値を書き換えてしまった。不正報告はあってはならないことで慚愧(ざんき)に堪えない」と述べた。社内調査では強度に問題はなかったというが、同事務所から指示があればコスト負担を含めて補強工事などを行うほか、施工中のすべての同種工事を調査する。

【2008.10.31 神奈川新聞】





圏央道の工事でくいを虚偽報告 大成建設が国交省に
 大成建設(東京)は31日、神奈川県寒川町の圏央道高架橋の橋脚基礎工事をめぐり、一部のくいに不具合があったにもかかわらず、規格内とする虚偽の報告を発注者の国土交通省横浜国道事務所にしていたと発表した。

 同社の土木本部長小林将志専務が横浜市内で記者会見し「横浜支店の現場監督が安全上問題ないと安易に考えた。ただ強度に問題はないと判断している。現在、施工中の同種の工事についても確認する」と説明した。

 同社と国道事務所によると、くいは鉄筋コンクリート製で長さ30―45メートル、直径約1.2メートル。橋脚の土台の基礎として136本を施工する計画だった。

 施工済みの108本のうち16本が図面を読み違えたことなどが原因で、鉄筋部分の深さが最大約17センチ不足した。しかし、施工記録を改ざんした写真を撮影したり、くいの一部を切断したりして工事が正しく行われたように国道事務所に報告したという。

 9月下旬、工事で不具合があると匿名の連絡があり、国道事務所が大成側に調査を指示していた。
【2008.11.01 毎日新聞】



圏央道:橋脚基礎工事で施工ミスを改ざんし報告…大成建設
 ゼネコン大手の大成建設(東京都新宿区)は31日、圏央道の橋脚基礎工事で、施工ミス部分の数値を改ざんして発注者の国土交通省横浜国道事務所に報告したと発表した。社内調査では強度に問題はないと判断したが、国道事務所は詳細な調査を指示した。

 両者の発表によると神奈川県寒川町の一部区間(約600メートル)で、鉄筋コンクリート製のくい108本(長さ約30~40メートル)のうち、16本の鉄筋を設計図より最大17センチ浅い位置に設置。設計図通りに施工したように装い、現場を写真撮影する際に黒板などに記入する数値を改ざんして報告書に添付していた。小林将志・大成建設土木本部長は会見で「あってはならないこと」と陳謝した。

 国道事務所に9月下旬、匿名電話で指摘があった。悪質と判断すれば指名停止処分なども検討する。

【2008.11.01 読売新聞】

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今回のは 施工不具合があったものを 意図的に 改ざんし 隠蔽しようとしている点で今までのものより ひどいですね

無いに越したことはないのですが 人の手で創られる以上 施工ミス・間違いというものは 発生するのは仕方の無い事だと思いますが、それを隠蔽しようとするのは別問題です 

昨年末から 色々と 施工ミスなどが続発し それより以前では 耐震偽装問題などもあり 建設業の体質自体のあり方が問われている 時に スーパーゼネコンが 改ざん・隠蔽を行ったという 事実は とても重く受け止めるべきだと思います

建設業だけではなく 食品偽装など 連日のように報道されている 状況の中で 改ざん・隠蔽を行うという企業体質をもった大成建設  ゼネコン業界に身をおくものとして 寂しいかぎりです

大成建設には 猛省が必要ですね
9/25 大成建設 10/9 大林組と 業績の下方修正があったのは 以前紹介しましたが 10/21に 今度は鹿島建設も業績の下方修正をしました


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10月21日
鹿島、純利益72%減 09年3月期
 鹿島は21日、2009年3月期の連結純利益が前期比72%減の120億円にとどまる見通しになったと発表した。従来予想の250億円(41%減)から減益幅が拡大する。大型民間建築での追加工事や設計変更、資材高などが重なり大幅に採算が悪化した。子会社の架空循環取引に絡む特別損失を37億円計上することも響く。

 連結ベースでは2009年3月期の売上高が 3%増で当初の見込みより700億円増え1兆9600億円に、営業利益は155億円減の185億円に、経常利益は180億円減の200億円に、当期純利益は130億円減の120億円に、それぞれ修正した。

 単体では、売上高は900億円増の1兆4600億円に、営業利益は130億円減の80億円に、経常利益は120億円減の100億円に、当期純利益は70億円減の10億円に、それぞれ修正した。

 業績を修正したのは、子会社の不正な取引による損失の発生も影響している。
 営業利益は1%増の185億円で、従来予想の340億円から下方修正した。国内建築の落ち込みと採算悪化を補いきれないうえ、米国の不動産開発物件の売却が遅れた影響も出た。
 鹿島の子会社の大興物産(東京・千代田)の架空循環取引に関する損失は69億円に上った。それに伴う04年3月期から08年4―6月期までの過年度決算訂正の概要も発表した。

 不適切な取引を行ったのは、建設資材や建設機械、設備機器などの販売および輸出入などを手がけている大興物産の元常務取締役執行役員。同社には鹿島が79.6%出資している。

 元常務は1998年、取引先のA社からソフトウエアの開発に関して資金繰りが苦しいので、仲介取引に参画して3カ月から4カ月間、一時的に立て替えをしてほしいと頼まれた。元常務はこれを承諾。しかし、ソフト開発が予想より遅れたために、融資した資金の回収が遅延した。
これが社内で発覚することを恐れた元常務は、別の案件を前倒しで発注して受注に計上。新たに計上した案件に対する支出の名目で支払い、この資金を遅延債権に充当した。
これを契機に元常務は次々と架空取引を行い、大興物産を起点として将来は同社に戻ってくる架空循環取引を開始した。

 同時に複数の会社がこの架空循環取引に参加した。当初は資金が回っていたが、ある会社の社内でこの架空循環取引が発覚した。これが契機になって2008年7月末に、架空循環取引全体が破たんした。

 その結果、鹿島グループにおいて、過年度の分も含めて約69億円の損失が発生した。

 鹿島は社内と社外に調査委員会を設けて調査した。社内調査委員会は、鹿島の代表取締役副社長を3カ月間、30%の減俸にするなど役員6人を減俸処分にした。同時に代表取締役社長ら4人が報酬の一部を返上した。

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2008.10.21 鹿島建設の発表資料

子会社の不適切な取引に関する調査結果について

(別紙)1 社内調査委員会報告書

(別紙)2 社外調査委員会報告書



この業績の下方修正を受けて 格付けも 厳しい判断がされたようです ↓↓↓↓


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ムーディーズが鹿島の格付け見通しを下方修正、収益力を懸念

 格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービス(以下、ムーディーズ)は10月23日、鹿島の無担保長期債務格付けの見通しを「Baa1安定的」から「Baa1ネガティブ」に下方修正した。

 ムーディーズはAaaからCまで9段階に格付けしており、Baaは上から4番目の位置にある。

 今回の下方修正は、厳しさを増す建設市場のなかで、鹿島の収益力が引き続き圧迫を受けていくであろうというムーディーズの懸念を反映したものだ。

 公共工事に関する市場慣行が変化していることに伴って、鹿島の建設事業の収益性は近年、低下している。これは鹿島だけの問題ではない。「日本の公共工事の収益性は、かつては民間工事の収益性を大きく上回っていた。しかし、近年は受注競争の激化と入札に関する透明性の向上によって、その収益性は急速に低下している」とムーディーズは指摘している。

 ムーディーズは日本の建設会社が直面している困難な事業環境、特に公共工事の状況は、建設業界全体の構造的な問題ととらえている。鹿島を含む建設会社が、最近まで維持してきた収益性およびキャッシュフローの水準を回復することは、恐らく困難であろうと考えている。

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建設業全体が厳しい状態なのは分かっているのですが その中で比較的ダイジョーブと思われていたスーパーゼネコンもかなり厳しい環境にあるんですねー

これで 株式公開していて 持ちこたえているスーパーゼネコンは 清水建設さんだけ?

 
大成建設が 9/25に 業績の下方修正をしてから スーパーゼネコンの 下方修正が相次いでいるようです


まずは 10月9日に 大林組

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大林組、9月中間純利益が一転減少 大型工事の完成ずれ込み
 大林組は9日、2008年4―9月期の連結純利益が前年同期比10%減の45億円になったようだと発表した。従来予想は20%増の60億円で、一転して減益となる。大型工事の一部の完成時期が後ろずれし、売上高が期初予想を下回ったことが響いた。
 売上高は21%増の7850億円と、従来予想を850億円下回る。建築や土木で顧客の要望を受けた設計変更や追加工事が発生。一部の大型工事の完成時期が10月以降にずれ込んだことや、工事の進ちょくが期初予想を下回ったことが売上高を押し下げる要因となった。
 営業利益は10%減の65億円。資材高は期初時点から織り込み済みで、単独の完成工事総利益率は4.7%とほぼ期初予想(4.5%)通りだった。経常利益は1%増の100億円。
 4―9月期の配当(中間配当)は前年同期と同じ4円と従来予想を据え置いた。2009年3月期通期の業績予想については精査中で、11月中旬に予定してる4―9月期決算発表時に公表するとしている。


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2008.10.09 大林組の発表

先行した 大成建設 のように 最終赤字 というほどの悪化ではないようですが スーパーゼネコンが続けて 業績の下方修正を強いられるほど 業界は厳しい状況にあるようです 


続いて 10月21日 鹿島建設も 下方修正したのですが それはまた次回に ~