先日ここで紹介した 神奈川での杭の隠蔽事件に関して 新しい記事がありましたので 紹介します
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写真の差し替えや鉄筋の切断も、さがみ縦貫道路の不正行為が明らかに
国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所は12月1日、さがみ縦貫道路の橋梁工事で施工記録に改ざんが見つかった問題で、施工を担当する大成建設に行ったヒアリング調査などの結果を発表。工事写真を差し替えたり協議せずに鉄筋を切断するなどの不正行為があったことを明らかにした。
最も多かった不正は、工事写真の差し替えなどによる施工記録の改ざん。例えば、施工個所の工事写真を破棄してほかの杭の工事写真と差し替えたり、工事用の黒板の数値を設計通りの値に書き換えて撮影したりしていた。施工した108本の場所打ち杭のうち、23本の杭で、こうした改ざんを加えた不正な報告を確認した。
横浜国道事務所と協議せずに切断した鉄筋は、11本の場所打ち杭で確認した。このうち、10本の杭では鉄筋の切断と併せて、工事写真を差し替えるなどしていた。残る1本は写真の差し替えなどはなかったが、協議せずに鉄筋を切断していた。
横浜国道事務所は今後、施工済みの杭から56本を選んで調査する。56本の内訳は、不正を確認した24本と工事写真が不鮮明な20本、無作為に選んだ12本。鉄筋が設計通りに配置されているかなど、専門家に意見を聞きながら調査する。必要があれば、補強などの対策を大成建設に求める。
再発防止に当たっては、これまで全体の3割の杭を対象としていた段階確認を、全数に拡大して調査する。加えて、杭頭の処理の施工状況などを、ビデオカメラを使って全数確認する。毎日の施工状況についても、現場代理人か監理技術者による報告を義務付ける。
不正があったのは、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部となるさがみ縦貫道路の「宮山高架橋下部(その17)工事」。22基の橋脚などに加え、直径1.2m、長さ30~40mの場所打ち杭を136本築く。横浜国道事務所と大成建設は2008年10月31日、工事写真と施工管理記録に違いが見つかったことなどを公表していた。
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国交省が大成建設の書類改ざんと断定/さがみ縦貫道路の施工ミス隠ぺい問題
さがみ縦貫道路(首都圏中央連絡自動車道)の橋梁(きょうりょう)打ち杭(くい)工事で施工ミスの隠ぺいがあった問題で、国土交通省は一日、工事を請け負った大成建設が書類を改ざんしていたことを確認したと発表した。
十月の発覚時は、寒川町内で地中に打ち込んだ百八本の杭(長さ約三十メートル)のうち十六本でミスがあったとされていたが、計二十四本に問題があったことが判明。いずれも、現場担当者らが工事用黒板の数値を書き換えたり、写真データの消去やカメラの撮影日の操作で記録を改ざんし、国交省に虚偽の報告をしていたという。
国交省は今後、施工状況のビデオ撮影などを同社に義務付けるほか、強度に問題があった場合は補強工事を行わせる方針。同社は「同種工事をすべて調査したが、ほかに問題はなかった。(再発防止策は)国交省の指導に従う」などとしている。
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記事中にあるように 事件公表時点では 108本の杭のうち16本でミスがあったとされていたが、計24本に問題があったことが判明したようです
おそらく企業として記者会見をおこなったくらいですから 社内に於いて調査の上で 公表したはずですがそれが間違っていたということは、事態の重大さを 調査に当たった大成建設自身が 軽視していたのでしょう
あるいは もっと極端な見方をすれば 公表時点に於いて 大成建設は 総てを明らかにしたのではなく 自分達に都合のいいように 事実を曲げて いたのかもしれません
見せかけの 謝罪会見だったとしたら この企業の 体質を根本から疑いたくなりますね
機械生産品ですら不良率があるのですから 人が作る建築物に於いて何らかのミスがあるのは当然だと思いますが、そのときの対応で その人・企業の本質が見えるような気がします
この事件は 同じ建設業に勤めるものとして ほんとに 寂しい限りです