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某大手建設業社員のブログ

9/25 大成建設 10/9 大林組と 業績の下方修正があったのは 以前紹介しましたが 10/21に 今度は鹿島建設も業績の下方修正をしました


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10月21日
鹿島、純利益72%減 09年3月期
 鹿島は21日、2009年3月期の連結純利益が前期比72%減の120億円にとどまる見通しになったと発表した。従来予想の250億円(41%減)から減益幅が拡大する。大型民間建築での追加工事や設計変更、資材高などが重なり大幅に採算が悪化した。子会社の架空循環取引に絡む特別損失を37億円計上することも響く。

 連結ベースでは2009年3月期の売上高が 3%増で当初の見込みより700億円増え1兆9600億円に、営業利益は155億円減の185億円に、経常利益は180億円減の200億円に、当期純利益は130億円減の120億円に、それぞれ修正した。

 単体では、売上高は900億円増の1兆4600億円に、営業利益は130億円減の80億円に、経常利益は120億円減の100億円に、当期純利益は70億円減の10億円に、それぞれ修正した。

 業績を修正したのは、子会社の不正な取引による損失の発生も影響している。
 営業利益は1%増の185億円で、従来予想の340億円から下方修正した。国内建築の落ち込みと採算悪化を補いきれないうえ、米国の不動産開発物件の売却が遅れた影響も出た。
 鹿島の子会社の大興物産(東京・千代田)の架空循環取引に関する損失は69億円に上った。それに伴う04年3月期から08年4―6月期までの過年度決算訂正の概要も発表した。

 不適切な取引を行ったのは、建設資材や建設機械、設備機器などの販売および輸出入などを手がけている大興物産の元常務取締役執行役員。同社には鹿島が79.6%出資している。

 元常務は1998年、取引先のA社からソフトウエアの開発に関して資金繰りが苦しいので、仲介取引に参画して3カ月から4カ月間、一時的に立て替えをしてほしいと頼まれた。元常務はこれを承諾。しかし、ソフト開発が予想より遅れたために、融資した資金の回収が遅延した。
これが社内で発覚することを恐れた元常務は、別の案件を前倒しで発注して受注に計上。新たに計上した案件に対する支出の名目で支払い、この資金を遅延債権に充当した。
これを契機に元常務は次々と架空取引を行い、大興物産を起点として将来は同社に戻ってくる架空循環取引を開始した。

 同時に複数の会社がこの架空循環取引に参加した。当初は資金が回っていたが、ある会社の社内でこの架空循環取引が発覚した。これが契機になって2008年7月末に、架空循環取引全体が破たんした。

 その結果、鹿島グループにおいて、過年度の分も含めて約69億円の損失が発生した。

 鹿島は社内と社外に調査委員会を設けて調査した。社内調査委員会は、鹿島の代表取締役副社長を3カ月間、30%の減俸にするなど役員6人を減俸処分にした。同時に代表取締役社長ら4人が報酬の一部を返上した。

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2008.10.21 鹿島建設の発表資料

子会社の不適切な取引に関する調査結果について

(別紙)1 社内調査委員会報告書

(別紙)2 社外調査委員会報告書



この業績の下方修正を受けて 格付けも 厳しい判断がされたようです ↓↓↓↓


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ムーディーズが鹿島の格付け見通しを下方修正、収益力を懸念

 格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービス(以下、ムーディーズ)は10月23日、鹿島の無担保長期債務格付けの見通しを「Baa1安定的」から「Baa1ネガティブ」に下方修正した。

 ムーディーズはAaaからCまで9段階に格付けしており、Baaは上から4番目の位置にある。

 今回の下方修正は、厳しさを増す建設市場のなかで、鹿島の収益力が引き続き圧迫を受けていくであろうというムーディーズの懸念を反映したものだ。

 公共工事に関する市場慣行が変化していることに伴って、鹿島の建設事業の収益性は近年、低下している。これは鹿島だけの問題ではない。「日本の公共工事の収益性は、かつては民間工事の収益性を大きく上回っていた。しかし、近年は受注競争の激化と入札に関する透明性の向上によって、その収益性は急速に低下している」とムーディーズは指摘している。

 ムーディーズは日本の建設会社が直面している困難な事業環境、特に公共工事の状況は、建設業界全体の構造的な問題ととらえている。鹿島を含む建設会社が、最近まで維持してきた収益性およびキャッシュフローの水準を回復することは、恐らく困難であろうと考えている。

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建設業全体が厳しい状態なのは分かっているのですが その中で比較的ダイジョーブと思われていたスーパーゼネコンもかなり厳しい環境にあるんですねー

これで 株式公開していて 持ちこたえているスーパーゼネコンは 清水建設さんだけ?