〇構成
番外編 zombiepowdersnow
〇巻頭ポエム解説
四行目と五行目の間に大胆な空白が挿入されているのは「空」を表しているのかもしれない。
人の爪はクリーム色をしており、「爪」とは曇天を示すか。若しくは、細長い形状の雲の暗喩か。
軋むとは「固い物がこすれ合って音を立てる」と言う意味。つまり、雲が固形のように見え、なおかつそれらの雲が空を埋めているという情景を表現していると思われる。巻積雲が空をしきつめているというイメージが妥当といえそうだ。
我ら人間は翼を有しておらず、空に浮かぶ雲を掴むことが出来ない。
つまり、空を見上げることは、「自分は上空の雲すら掴むことができない」というような無力感に繋がる。
久保のこのポエムは、空を抑圧の対象と捉える発想に基づいており、そのような発想は常人には到底、思い浮かばない代物だといえよう。
〇分析
・カバーの情報から、特別読切「BAD SHIELD UNITED」は少年ジャンプH8年51号に掲載されたと読み取れる(H8年は平成8年なので1996年となるはずだが、本作は1997年に掲載されたという情報もある。このH8年は平成8年度という意味なのだろうか)。番外編「zombiepowdersnow」は赤マルジャンプH12年2月4日増刊号掲載。ゾンビパウダーtrack22~track for cut downはH12年のジャンプに連載。
・カバーには「いつかこの断章に僕が手を付ける日が来るまで」とある。断章は「詩や文章や作品などの断片」という意味だが、今のところゾンビパウダーの続編が発表されるという情報はない。
・タイトルはWalk this endless way like a zombie (この名もなき道をゾンビのように歩く)というもので、ゾンビとは「呪術によって生き返った死体」のこと。英語版のタイトルはWalk Like a Zombieとかなり短縮化されている。
・人物紹介17 エンジェルに記載されている情報によると、エンジェルには学歴がない模様。エンジェルの帽子に「FKYU」とあるが、これは「FUCK YOU」という意味である。FUCKは英語圏で有名な卑語の一つであり、Fワードともいう。