〇タイトル

track26 beLIEve.

第四巻 p96~115

 

〇分析

★p95

エンジェルはエルウッドに「あたしはガンマの愛人」と言う。

 

p96

ゾンビパウダーではなく「ゾンビパウダァ」と書いてあるが、これは久保の「極力ネイティヴの発音に近い表記を用いる」という方針による。powderのアクセントはpówderであり、ネイティヴの発音では「パウダァ」の方が「パウダー」よりも近い。久保はヴ行の発音の外来語はバ行の片仮名ではなくヴ行の片仮名で表記することが多い。ミルク瓶にはDIEとLIVEという相反する動詞が書かれている。伏字の意味は「どうして誰も私に(伏字)しないの?」という意味。

 

★p97~99

エルウッドがガンマと一緒に旅をしていると知り、驚くエンジェル。エンジェルは近くにガンマがいることを匂いで察してガンマのもとへジャンプする。p99の最後のコマをよく見ると、ガンマの靴が見える。

 

★p100

ガンマは滞在しているホテル(track25p75参照)の屋上で独り回想していた。回想シーンはtrack25の第四巻p83の続きだと思われる。

スミスはガンマに「どうして他の『人間』を信じてあげられないんだ?」「何のためにチェインアーツを習得したんだい?」「何のために鎧を打ち込んだんだい?」「『フェイレン』と訣別するためじゃなかったのかい?」と問うていた。ガンマは「わかってんだよ…そんなことは」と呟く。

 

『フェイレン』が具体的に何を指すのかは作中で明かされなかったが、個人的な考察を以下で述べる。おそらく、『フェイレン』は「非人(拼音:fēirén)」という中国語由来の用語である。その根拠は少なくとも四つある。一つ目は中国語の発音をカタカナで音写すると「フェイレン」となること。二つ目はp100のスミスの発言でこの単語が『人間』と対になる意味で使われていること。三つ目はp102で「非」とよく似た漢字らしき文字が見えること。四つ目は火輪斬術のようにガンマの武術が東洋由来であり、漢字圏であること。この四つが根拠である。

 

★p101~103

ウルフィーナが鍋とトライポッド・オヴ・ジャスティスを持ったまま、屋上への階段を上っている。ウルフィーナが屋上に着くと、ガンマが悪夢にうなされていた。この悪夢はp82で述べられていた「粘着質の夢」のことだろう。

 

★p104~108

ガンマが辛そうな様子で寝ていたことを気にするウルフィーナ。ウルフィーナは「ガンマと会ってからまだ一月(ひとつき)しか経ってないが、それでも毎日、顔を突き合わせているのだから、もっと自分のことを信用してほしい」と言う。

 

★p109~111

拗ねてしまったウルフィーナにトライポッド・オヴ・ジャスティスで攻撃されるガンマ。すると、エンジェルが突撃してきた。エンジェルの足にはエルウッドの姿が。(スミスの野郎 黙ってやがったな)とは、「エンジェルが薬を届けに来ることを」という意味だろう。

 

p112~115

エンジェルはチェインアーツを使ってガンマとスミスとエルウッドとウルフィーナとエミリオを一気にナズナのいるジェミニ研究所まで運ぶことにした。

 

 

★総評

このタイトルはBLEACH474話でも使われた。「believe(信じる)」という動詞の中に「lie(嘘をつく)」という動詞が含まれていることに着目した天才的なタイトル。このタイトルはスミスの「どうして他の『人間』を信じてあげられないんだ?」発言にかけている。