この記事にたいしておかしなコメントが多数届いています。批判的コメントをくださる場合は、わたしの主張(記事を読んで)を理解した上でお願いします。

 

まずはきちんと記事を読んでください。

 

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2023年4月27日、フジテレビ「奇跡体験アンビリバボー」というテレビ番組で「前代未聞! 街のど真ん中にクマ出没」が放送されたそうです。

 

我が家にはテレビはありませんが、動物擁護活動をされているaliceさんのインスタグラムで報道を知りフジテレビのHPを見ると番組の概要が書いてあったので、内容を読んだ感想を書こうと思います。

 

 

 

北海道の市街地にクマが現れた出来事についての番組ですが、北海道猟友会札幌支部のハンター斉藤氏は「クマふぁでてくるなどまずありえない場所」と言っており、札幌市のクマ対策調節担当係長、清尾氏は「昔は~『春グマ駆除』ということで積極的に駆除が行なわれてきた~」と述べています。この『春グマ駆除』によって人身被害は減少していたと主張しています。

 

これは「駆除」には効果があるという根拠を示す発言ですが、「駆除」によって被害を軽減する方法は持続可能ではなく一時的なものであり、そもそも、熊を殺すこと自体が自然生態系の破壊であり持続不可能なものです。

 

また、市街地にクマが現れたのは、自然保護に役立っている緑地帯がひとつの原因であるとい述べられていますが、これを考える前に、過去から現在に人間が介入した自然環境の分析等を綿密に行なうべきです。緩衝地帯ともなる場所は野生動物と人間との衝突を回避すると海外の報告でも述べられています

 

清尾氏はクマに麻酔銃を使用するのは、人間にとって危険だと以下のように述べています。

 

画像出展 alice Instagram

 

「麻酔銃というのは、すぐ効果があるというふうに思われる方もいるかと思うんですが、麻酔が注入されてから、効き目があるまでちょっと時間がかかってしまうので、その間ですね、クマが興奮して、さらに街中を走り回ってしまう恐れがあります。あとは麻酔銃を撃つには、他の猟銃とかと違って、近づいてですね、撃たなきゃいけないというようなリスクもありますので、なかなか選択肢として今のところ現実的ではないかというふうに札幌市では考えています。」

画像出展:alice Instagram

 

これはとんでもない発言です。クマを興奮させ、街中を走り回らせてしまっているのは報道関係者やその他のクマを追い立てる人間であるにもかかわらず、「麻酔は危険なので使用を難しい」という主張は通りません。

 

 

以前、クマに麻酔をしない理由が書かれた記事を読みましたが、麻酔を使わないための言い訳ばかりが書かれていたので唖然としたことを覚えています。

 

●記事はこちらです↓↓↓

 

 

他の国では、クマに麻酔をするのは難しくない認識であり、クマの麻酔について非常に詳しく書かれているサイトでは、クマに麻酔をすることで人間が危険に遭遇するとは書かれていません。それより、クマの健康を気にしたクマを思いやった扱いの説明など書かれており、クマへの麻酔は人間にとってもよい(クマによる被害を回避できる)と書かれています。他の国ではクマへの麻酔は一般的なのです。

 

●こちらのサイトにクマへの麻酔に関する内容が詳しく書かれています↓↓↓

 

 

https://www.ivis.org/library/zoological-restraint-and-anesthesia/anesthesia-of-bears

 

 

札幌市は「ヒグマとの共生」として以下の活動を行なっています。

 

「ヒグマは草むらなどを隠れて移動し、何もない空間を嫌う習性があるため、人里との境目には、進入防止の緩衝帯が設けられている。 札幌市は、その草刈りなどの整備を推進。 住宅地に近い畑や果樹園は電気柵などで囲み、人里におりてくるきっかけを作らないよう対策を強化」。

 

いくらこのような対策をしても、根幹である大規模な自然環境保護が行なわれていなければ問題は解消しにくいのではないかと思います。クマと人間が平和共存できる緩衝地帯のあり方(どのような自然環境であれば野生動物は人間の活動域に現れにくいのか)の詳しい研究なども行なわれていないのではないでしょうか。野生動物との問題は根本的解決に向けた議論がなされるべきことです。

 

記事には、「なぜクマを殺すんだ」という抗議が殺到したと書かれており、その抗議は「現地の状況を知らない道外からの連絡だった」と斉藤氏は語っています。

 

現場主義あるあるの発言だと思いましたし、北海道に住んでいないのに「意見してくるな」と同義語ではないかと思いました。クマ被害があるからクマを殺す対策が正しいとは限りませんし、殺していいとはなりません。倫理的、道徳的は普遍的なもので、倫理的、道徳的からも他者の殺害は正しくありません。

 

番組説明には「学習放獣」は効果があるとのことが書いてまとめられていますが、この学習放獣はクマに人間の危険さを学習させることで、クマが人間を襲うようになることがあると国内外の研究者らは語っています。

 

クマへの学習放獣を行なっている軽井沢のピッキオは犬をリードで繋いで人間が一緒に行動るすもので、犬がクマを直接襲うことはありません。しかし、日本熊森協会が北海道全土で行なおうとしているベアドック導入は、そうとは限りません。熊森協会が共同にベアドッグ導入に向けて話を進めているベアドック育成施設は、犬にリードを付けずに犬に熊を追わせるという非常に危険な方法を採用していますし、数々のつがなりがあり平穏ではありません。今回の報道でベアドックの評価をされていることに違和感を感じます。

 

●熊森協会北海道支部 ベアドッグ採用検討についての記事はこちら↓↓↓

 

 

 

 

 

今回の報道では数名の野生動物の専門家の意見が出てきますが、報道の自由度(対象180カ国・地域のうち、日本は昨年から4つ順位を下げて)71位である社会で一般的に言われている内容ばかりで、どの専門家も「自然環境の破壊・汚染・介入・侵入」に言及していません。

 

最大の問題は、人間が自然環境を侵略し続けていることや介入であり、その問題と向き合わなければ、野生動物と人間との問題は増え続けていきます。その度に野生動物「殺せ!」と言って、集団で少数の弱者である野生動物たちを大虐殺し続けるのですか?

 

そのような日本であることをわたしは大変悲しく思いますし、この社会に絶対的な危機を抱いています。

 

このような報道がされる背景が必ずあるので、その背景(今どのようなプロパガンダが行なわれているか・社会・力の構造など)をしっかり見極める目を多くの人たちに持ってもらいたいと思っています。

 

このままだと、日本で生活する野生動物たちは日本人によって、ますます殺され、死体はジビエや屠体給餌等に利用され、それに群がる者たちは潤い、野生動物搾取がこの先ずっと続くことになるでしょう。

 

今の社会のあり方を見てもなお、この国は平和と言えるのでしょうか?

 

みなさんはどう思われましたか?

 

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