犬の春ちゃん(♂11歳)の散歩コースは公園なのだがその一角に愛護センター(保健所)がある。今日もそのコースを歩き、愛護センター裏口から公園へ入る3メートルほど手前で、春ちゃんが急に激しく引っ張り出した。

 

急にどうしたのだろうか?と思いつつ、早足でその場を通り過ぎようとする春ちゃんを落ち着かせながら愛護センター裏口の階段をのぼろうとした。

 

すると、そこにダンボールが置かれてあり、その中に犬の遺体が入っていた。

 

春ちゃんは死臭を感じ混乱していたことが分かった。

 

愛護センターに方にこのことを伝えに行った際、「他にこのようなことはありますか?」と尋ねてみた。すると、愛護センターの方は「生きた犬を愛護センター敷地に繋いであったり、生きた鶏をそこに置いてあったり、結構あるんです」と言っていた。

 

わたしたちはこのようなことを初めて見たのでおどろいたが、お散歩を再開し少し気分が落ち着いた。春ちゃんもリカバリーが早くホッとした。

 

犬やその他の動物たちは、匂いなどから誰かが死亡したこと、していることをしっかり理解している。そして、個々動物たちは死を独自に感じる。

 

昨日は熊森協会がベアドッグを検討していることを書いたが、今日もその続きと、熊森協会の他の見解とわたしの意見も書き添えたい。

 

北海道新聞にはこう書かれていた。

ベアドッグには国天然記念物の北海道犬を採用して「犬の血統維持とヒグマ保護」を両立させたい考えで、当面は先進地視察や勉強会を重ね、養成所設立の時期など計画を具体化させていく。

北海道犬をベアドッグにするのは難しいのではと思う。理由は洋犬の使役犬と気質が異なるからだ。それをよく知っているのが訓練士ではなかろうか。日本犬に服従訓練(強制訓練とも言う)を行うと、攻撃性が増しやすく少しの刺激で大興奮してしまうことがあるため、柴犬などを訓練するときは、中途半端な服従訓練ではなく「魂抜き」ということを行うようだ。魂を抜くということは、犬の心を完全に破壊するということだ。

 

熊森協会はなぜ、北海道犬を採用しようと思ったのだろうか?日本犬は6種で日本犬保存会という組織がある。日本犬保存会の以前の会長は岸信夫氏(安倍晋三氏の弟)で、秋田犬保存会の会長は遠藤敬氏であり、2019年の動物愛護法改正にあたり影響を与えた。

 

そのため、犬猫の福祉を考えた規制(8週齢規制)、生後56日以下の子犬・子猫の販売を禁ずる規制に日本犬だけが8週齢規制の対象外となり、大きな批判が起こった。

 

●犬猫の8週齢規制については、朝日新聞記者の太田匡彦記者の記事を参考にしてほしい。↓↓↓

 

 

熊森協会が北海道犬をベアドックとして採用を検討していることは、権力に取り込まれたことを意味すると思っている。

 

日本犬保存会は猟犬を養成しており、子猪を犬に襲わせるなどとんでもなくひどいことを行っている。

 

北海道犬を採用するということは、日本犬保存会、猟友会と繋がることになり権力と繋がる。

 

【追記】

●日本の動物をとりまく状況の構造についてこちらの記事を参照ください。

↓↓↓

 

 

 

熊森協会との話で、ベアドックの話から飛躍しさまざまな話をしたが、特に気になった熊森担当者の考えは以下。

 

「法律を変えても意味がない」

「人を変えることはできない」

「とよくん(熊森が飼育している熊)には野生復帰プロジェクトはしなくていい」

「日本は昔、自然環境を大事にし、野生動物と共存してきた」などどれもモヤモヤする内容だ。

 

わたしたちの社会秩序を維持し、わたしたちの生活をよりよくしていくのが法律であり、わたしたちは法律の下生活を送っている。その法律を変えても意味がないとはどういうことだろうか?この社会に住んでいる人々の生活が保障され誰もが取り残されないようにするは法律にしかできない。そのため、ヨーロッパでは子どもの頃から法律の教育を受ける。法律のどこをどう変えるともっとみんなの暮らしが楽しくなるのか?困らなくて済むのか?など子どもたちが考えるのだ。法律は時代に適したものにしていくことが大事だ。

 

「人を変えることはできない」というのは、たしかにおとなの根付いた思考を変えるのは困難なことだと思う。しかし、すべてのおとなに対してそうとは言い切れないし、子どもたちへの教育を行うことで、人の意識は変化していく。ヨーロッパやカナダ、韓国など子どもたちに環境教育を行っている。自然環境とそこに棲む生物たちを知り、理解をし、意識の距離を縮めることで、自然環境や野生生物などに配慮し、思いやりある行動ができるようになる(=共存できるようになる)。

 

現在、狭い檻にいるとよさんについて環境改善を要望したが、熊森協会は「本当はとよくんは自然に返してあげたい」と言っていた。その際、わたしは「野生復帰プロジェクトが必要ですね」と言ったが、熊森協会担当者は「とよくんは野生で生活していたのでその必要はない」と言う。とよさんは2014年錯誤捕獲により熊森協会に保護されてから、現在に至り檻の中で暮らしている。そのとよさんを野生復帰プロジェクトなしに山に置き去りにするのは虐待的である。なぜなら、檻の中での生活により、とよさんの筋力・体力・嗅覚など劣ってしまっているからだ。野生で生きるに必要な能力回復は、野生復帰には不可欠である。アメリカやカナダ、スペイン、オランダなど、他の国では、保護した野生動物を自然環境へ復帰させる場合、入念に計画をたて、野生復帰に必要な能力回復を実現できる環境を動物たちに提供している。長期的に確実に野生復帰プロジェクトを進めリリースしている。

 

そして、「日本は昔から自然・野生動物と共存してきた」ということについては、「日本は自然環境と野生動物と共存・共生してきた歴史はない」というのが正確だ(小さく見て地域で共生を意識した人びとがいたとは思う)。明治期には社会の様子が一変しているが、それ以前に日本の山には木々が育生しておらず、いたるところではげ山が広がっていた。また、676年の「肉食禁止令」から18世紀頃まで、動物保護法令等あったが、対象動物は限定されていることから、対象外の動物たちは殺生をされていたという。607年~1180年頃まで大規模建設ブームで森林伐採が進み、1590年頃から1710年代頃までも森林破壊が起り、北海道や急斜面の奥山を除いて天然林はほぼ消失。そのことにより、災害(土砂流出、洪水などが発生)し、森林保護政策がとられた。戦中である1894年からは、野生動物たちは食糧、毛皮等の利用で大虐殺され個体数が著しく減少。1941年から1955年頃までは軍需用材としてさらに多くの木を伐採。その後、植林ブームが起きている。

 

●日本の自然環境の歴史はこちらのサイトがわかりやすく解説してくれているので興味のある方は読んでほしい。

↓↓↓

 

浮世絵から知る歴史はおもしろい。

 

 

今回わたしが話をした熊森協会担当者は研究員ということだが、知識の正確性をもっと重視してほしいと思ったし、人権や福祉などの意識もしっかりと持ってほしいと思った。

 

法律を変えても意味がない、人を変えることはできないということからベアドッグ採用ということなのだろうか?よくわからない。

 

今回の熊森協会との会話で協会の様々なことがわかった。これもまた経験のひとつとして今後に生かせることができればいいなと思う。

 

わたしたち人間が介入しなくてもいい自然環境(自然動植物の関係)のあり方を目指すことができる社会になればいいなと思う。

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