今日はおどろく記事を読んだ。
トウキョウサンショウウオ研究会事務局、東京都西部の里山での生物調査・保全活動をしている、川上洋一氏の記事、「出没!都市と野生動物 なぜアライグマは里山の脅威になったのか?」が排除主義内容で衝撃を受けた。
記事には、トウキョウオオサンショウウオの個体数が減少している原因を調査し、アライグマによる捕食がみられたと書かれている。
なので、アライグマは駆除をしなくてはいけない、これが人間の責任だということだ。
しかし、おかしな点がいくつもある。
川上氏の記事には、根本的な原因(大きな問題)について、まったく触れられていない。
オオサンショウウオがアライグマに捕食されているという事実はあるが、その以前に、この地域では、高度経済成長のころに大規模開発がされ、バブル期にわずかに残った自然をめちゃくちゃに破壊されたという、大規模な自然環境破壊の問題がある。
川上氏は、野生化したアライグマの頭数が増えたのは、「ペットの飼育管理についての人々の意識が、あまりにも低いことがあげられる」と言っているが、これは飼育者だけの問題ではない。
アライグマを販売できる社会システムになっていることが問題だ。
言うならば、「これからは野生動物の輸入をしないことが重要」と言うべきではないのだろうか。
そして、トウキョウオオサンショウウオはアライグマが日本にいなくても、このまま自然環境破壊、汚染が続くと、いつかは絶滅するのではないだろうか。
現在行われているリニアや大規模ソーラー、リゾート開発(いまどき)などをやめることをすべきだ。
アライグマは完全にスケープゴートだ。
・スケープゴート→集団内の不平や憎悪を他にそらすため、罪や責任をかぶせられ迫害される者。
記事にアライグマは、人間の管理下にない限り日本にいてはいけない動物なのです」。と書かれているが、なんと傲慢なことかと思う。
その前に生態系について最新の科学的知見を取り入れてほしいと思う。そして、まず生物多様性への理解を深めてほしい。参考https://www.weforum.org/agenda/2020/11/ugly-species-deserve-biodiversity-protections-too/
現在、「在来種」「外来種」と分けて考えるのは生物多様性、自然生態系の観点から脱落しており、自然環境の保全と排除主義は相反するものだ。
さらに、「在来種」`「外来種」と分けることは差別を含み、自然生態系に組み込まれた生物の真の姿を知る弊害となる(なっている)。
川上氏は、「罪はないが害はある」生物を「~しかし害を受ける生物を放置するわけにはいきません」。「駆除という手段も含めて管理下に置くことは、動物の意思関係なく移入して人間の責任ではないでしょうか」。と書いているが、あまりにも視点がずれていると思った。
他種動物からの「害」というのは、ケン・トムソン著『外来種のウソ・ホントを科学する』の242~249ページ、侵入にまつわる5つの「神話」の中のひとつにある。
「害」というが、その害がどの範囲でどのような内容なのか、どのような影響をどこにどれだけ与えているのかなど、すべての研究において必ずしも明らかになることはない。
動物の意思関係なく、利用し駆除するのが人間の責任などということがまかり通ることは、わたしたちの社会が暴力を容認し、権利侵害を行ってもよいというひどいメッセージになる。
人間以外の生物の扱いは、わたしたち人間社会のあり方とか重なっていることも忘れてはいけない。
わたしたち人間の責任は、これ以上、他種動物を殺さない!自然環境破壊をしない!汚染をしない!ということだ。
それに加え、迅速な自然環境の回復だ。
行うべきことは、アライグマ殺しや駆除ではない!
野生で生きる者たちの相互関係(生活)にわたしたち人間が個体数管理など行い介入すべきではないとわたしは考える。
生物にとって最も大事な生息地を確保し、彼らの生活をサポートし、見守ることが大事だ。
繰り返しになるが、自然環境、生態系に「害」を与えているのはわたしたち人間だ。
他の種の生き物たちではない。
川上氏の記事内容について、さらに整理したいことがあるので、明日、続きを書こうと考えている。
わたしたち人間がやっていることに目を向けてみよう。偏見や差別ある目から野生生物の真の姿はわからない。
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