昨日の記事「アライグマは日本にいてはいけない!?」の続きで、「出没!都市と野生動物 なぜアライグマは里山の脅威になったのか?」という川上洋一氏の記事について整理したい。
川上氏は、特定外来生物と言われているアライグマに対し、「日本にいてはいけない動物」と言っている。
そして、「罪はないが害がある」とし、害がある動物を放置できないとして「外来種を駆除という手段も含めて管理下に置くことは(中略)移入した人間の責任ではないでしょうか」と記事に書いている。
「日本に『いてはいけない動物』」というのは、排除主義であり、この排除の考え方は、里山ナショナリズムと明確に結びついている。
「里山」ナショナリズムには、日本特殊性・固有種を守るという働きがあり、「在来種」とみなした生物種だけを守る考えが膨張する。
「里山」とは、梅原猛やその他の人たちの思想で、「里山」は実際にはない脳内イメージだ。
・「里山説」について→https://ameblo.jp/a-voice67/entry-12649201666.html
その脳内イメージの「里山」説を社会に導入することで、その後は勝手に拡大して、なんとなく世間に受け入れられていくことに血の気が引く。
以前からある、よき故郷(「里山→実際はなかった」)を守る=「在来種」とみなした生物を守るということになる。
ナショナリズムは排外主義と表裏をなしている。
このようなことは、自分に影響を無自覚で受ける。
自然環境や野生生物を守りたいと思っている人も、いつの間にか、その中に取り込まれていることが多い。
なので、いちいち調べることが大事になってくる。
「里山説」についてもそうだし、自然生態系の保全に関してもそうだ。
情報は常に更新されている。最新の科学的知見を知り、世界の動きを確認しながら、自分自身の思考を柔軟にし、知識を増やしていけるといいなと思う。
そして、社会のあり方に目を向けるべきだと思う。
社会はどのように作られているのか?
その中で、力はどのように働いているのか?といった、力の構造も学ぶ必要がある。
力の構造がわかれば、他者を苦しめる負の力に取り込まれずに立っていられるのではないかと思う。
このようなことを学ぶことで、幻想を追いかけることもなくなり、現実を見て、実際は?ということを追求できるのではないだろうか。
日本の場合、科学的知見を取り入れていないことが多くあり、(自然生態系のことでも)各分野で思想や誰が言い出したかわからないあやふやなことを基に一般化されていることが非常に残念に思う。
英国ヨーク大学の生態学者であり、進化生物学者クリス・D・トーマスが言う、「生物多様性の真の姿」を知るには、科学的知見が不可欠だ。
時代は次のステージに入っている。
人間活動によって、生物多多様性がすさまじい勢いで減少している現在、「外来生物」が空いた空間を埋め、新たな進化の時代へと進んでいる。
わたしたちは偏見や差別を手放し、身軽になり、受け入れるべきことは受け入れ、純粋に公平に物事を見る目に磨きをかけることができるといいなと思う。
そして、多くの発見ができればいいなと思う。
ある日の、のぞみちゃん(♀推定3歳)。
脚カバーが取れたので、わたしにそれを言いに来た。
「脚のカバーつけて~」
わたしが室内で準備していると・・・
「まだ、準備できないの~?」と、のぞみちゃん。
のぞみちゃんは、いつも、準備ができ確認ができてから室内に入ってくる。
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