■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654




■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/



===================================================================





「そうです。時間に署長室へ行って下さい。それでは・・・」



「あのぅ、警察署はどこにあるのですか?」



「言い忘れました。駅のタクシーを使って下さい。料金はかかりませんので・・・では」





何だ、携帯電話のことではないのか?それにしても何だろう?





署長が何の用事なのだろう?





その夜も、寝つきの悪い日となった。





翌朝、駅のタクシーに乗り警察までと告げると、運転手は「何かやったのかい?」

と、聞く。




「いえ、署長さんに来いと言われて・・・だから」



「お客さん、それを早く言ってくれないと困るなぁ・・・あんたの名前は?」



「山田茂ですが?」



「山田、山田茂さん・・・あっ、これだ・・・」と、何やらノートを見ている。



そして「署長さんからだね。二階の部屋だから・・・それと、無料だよ」



タクシー運転手が僕のことを知っている。何なのだ?





「あのぅ・・・」



「警察に呼ばれている人は、毎日連絡があってね。それが普通なんだよ。あんたは新人だろう?署長からの呼び出しなら、いいことがあると思うよ。運のいい人だな」



運がいいとは何なのだろうか?




大通りを過ぎて、田園風景が続いている道を走る。途中に各学校が並んで建っていた。



そして大きな二階建の警察署が見えてきた。とても立派な作りだ。



こんな田舎警察の建物とは思えない。



タクシーから降りると受付に行き署長の部屋を尋ねた。七時五分前になっていた。





「署長さんから呼ばれているのですが?」



「山田さんですね。二階の奥になります」と、小奇麗な女が言う。



僕のことはすでに知っているのだろう。二階へと階段を上ると署長室と書かれていた。



ドアをノックすると中から、どうぞ・・・と署長の声がした。



「山田さんか・・・ご苦労。とりあえず座ってくれ。君を呼んだのは、君と美幸との結婚のことだ。美幸は問題ないと言っている。君も異論はないな?」



「えっ、いきなり結婚と言われても・・・僕にはそんな気持ちは・・・」



「ないというのか?」



「ないというよりも、あまりにも突然なので・・・」



「結婚というものは突然のことなのだよ。この街では当たり前のことだ。この街で暮らしていきたいのじゃないのか?それならば、結婚しなさい」



「しかし、急に言われても・・・美幸さんの気持ちは?」



「さっき言っただろう。美幸は結婚してもいいと言っている。何の問題もない」



「二日前に会っただけです。どういう人なのかも知りません」



「どういう人?俺がいいと言っているんだ。つべこべ言わずに結婚しろ」



「・・・考えさせてもらっても・・・」



「煮え切らない男だな。この街で暮らしていきたいのだろう?」



「結婚しないと暮らしていけないのですか?」



「いけないな・・・当たり前だ。この街には家族の日というものがある。それは知っているだろう。この街のルールなのだよ。家族の日というのは、逆の意味では早く結婚して家族を作り安定した生活を送るということだ。早ければ早いほうがいい。独身の奴らは早く結婚して家族を作る。そういうことだ。独身でいるとろくなことはない」



「どういう意味ですか?」



「教えてやろう。独身は住民税が異常に高いのだ」



「そうですか。でも、美幸さんは二十六才まで何で結婚しなかったのですか?」



「相手がいなかったということだ。この街の若い奴らは早く結婚するから、美幸の相手がいなかったということだ。それで、君に白羽の矢を立てた。結婚するな?」



「・・・一つ聞いてもいいですか?住民税が高いということですが、どれぐらい高いのですか?」



「君の場合は、六十万円の給料だ。とすると半分が住民税になる。つまり、色々と引いてみると手取りとしては二十万円以下になるだろう。結婚したなら、住民税は二万円だ。どうする?」



「えっ、そんな差になるのですか?」



「街のルールだ。考えることはないだろう。それと、結婚したなら男としての処理も問題ない。女も喜ぶ。街には風俗店というところはないし、女が売春をしたなら罰金が三千万円だ。さらに、相手の男も同じ額の罰金だ。そうすると、他の町に行って処理しようとする奴らがいるが、それが発覚したなら罰金五千万円だ。それと、そういうことをした奴らを告発すると街から褒賞金として一千万円が出る。まぁ、今まで一回もないが・・・ハハハ。つまり、そんなバカなことをする奴はいないということだ。欲望の処理のために、そんな罰金を払いたくないだろう?」




僕は、数日したら他の町の風俗に行って処理してもらおうかと思っていたのだ。




そんなルールがあったのだ。しかし、誰にも言わなければバレルことはない。




「署長さん、誰にも秘密で行けば?・・・」













■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/




■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html


■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html

■勝汰章HP  http://katsuta.yu-yake.com/


■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記 1 前代未聞の車爆破トリック  TOPより

http://blog.goo.ne.jp/suiri-katsuta/e/1cab9d7b1b3aa6c227aa0afb2788b6f7

■中古車屋探偵  雪田正三の殺人日記 2 溶けない死体 TOP

 http://blog.mag2.com/m/log/0000239491/109403557.html


■かあさんの裁縫箱と、とうさんのライター TOPより

http://blog.goo.ne.jp/a-katsuta/e/34a6bc7911df19ebd352e2cdb6fd641b

■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654




■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/



==============================================================





転入することによってお金や保険に入れることは理解した。



仕事の斡旋についても納得した。但し、他の町よりも信じられないくらいの高給。



夜間八時以降の外出は禁止、十五日は家族の日でテレビ等は見られない。



寄付することによって何やら特典がある。



スーパーで何かを買うとポイントがあるが何のポイントなのか?



色々な疑問は役場に聞くこと。他人のことを詮索してはいけない・・・



何かおかしいのか?




素晴らしい街ではないか?




分からないことは多々あるが生活に何の支障もない。



知らないことは、どこの街に住んだとしてもあるではないか?



考えてみると、所得や寄付以外では何もおかしくない。素晴らしい街だ。



その夜、久しぶりに昔の友人に電話してみた。中野という高校の時からの友人だった。




「中野、元気か?」



「夜逃げしたという噂があったけど?」



「自己破産したんだ。もう大丈夫だから」



「どこにいるんだい?」



「小さな街だよ。名前を言っても知らないと思うけど・・・皆は元気か?」



「元気だよ。お前のことを心配しているよ。一度、会いたいな。時間は作れるかい?」



「仕事が見つかったばかりだから、落ち着いたら会いたいよ」



「小さな街って言ったな?どこの街なんだい?」



「うん、小さな街だよ。今度、会った時に話すから・・・」



「じゃぁ、元気で・・・」簡単な会話であった。僕のことは皆知っていて噂になっているということは知っていた。街の名前を言おうかと思っていたが何となく言えなかった。




僕が借金を背負ってしまった時に、誰も助けてくれなかったことを思い出し、この街のことを知らせることに躊躇したのだ。こんな素晴らしい街を知らせたくないと・・・





突然、電話が鳴った。





「山田さん、こちらは電話局です。今夜の通話料金は三万円になります。街以外のところに電話をかけると高額料金になります。今後は注意して下さい。明日も仕事を頑張って下さい」と、一方的に電話は切れた。何?電話局・・・三万円・・・とんでもない金額だ。



たかが、三分間しか話していないのに・・・それよりも、僕がどこに電話をかけたかが分かるというのか?何となく不気味な感覚を覚えていた。



そして、好奇心のままに、携帯電話を手に取り、さっきの友人にかけなおしてみることにした。



「聞き忘れていたことがあるんだ。お前の彼女は元気か?」



「そんなこと・・・元気だよ。夏に結婚する・・・」



「そうか・・・また、電話する」





携帯にも電話局から折り返し電話がかかってくるのではないかと?




何分待ってもかかってこない・・・つまり、携帯は大丈夫なのだ。




僕は安心していた。携帯は関係ない・・・




突然、ドアを叩く音。僕の体は硬直していた。そして、ドアに近づき・・・




「誰ですか?夜間は外出禁止ですよ」



「警察です。開けて下さい」




僕は嫌な予感がしていた。携帯電話のことで何か言われるのだと直感した。

すると「山田さん、明日、午前七時に警察に出頭してもらいます。署長が待っています」





「えっ、出頭?」












■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/


■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html


■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html

■勝汰章HP  http://katsuta.yu-yake.com/


■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記 1 前代未聞の車爆破トリック  TOPより

http://blog.goo.ne.jp/suiri-katsuta/e/1cab9d7b1b3aa6c227aa0afb2788b6f7

■中古車屋探偵  雪田正三の殺人日記 2 溶けない死体 TOP

 http://blog.mag2.com/m/log/0000239491/109403557.html


■かあさんの裁縫箱と、とうさんのライター TOPより

http://blog.goo.ne.jp/a-katsuta/e/34a6bc7911df19ebd352e2cdb6fd641b


■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654




■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/

==================================================================



「署長に逆らったからよ、あなたも気をつけなさいね。それにしても、何であんなことを言ったのかしら?あの人は、ここに来て五年にもなるのに・・・それにしても・・・」



「お母さん・・・あの人、可哀想・・・奥さんもいるのに・・・」



「まぁ、それはそれ。今夜のために少し休憩しましょうか?山田さんもお疲れ様」



「いえ、何もしていないので・・・あのぅ、永井さんは?」



「今日は戻って来ないわよ。そういう日なのよ」



「そういう日?何ですか?」



「山田さん、また、悪い癖よ・・・」



「そうよ、山田さんは探偵のようね。気をつけないと・・・ウフフ」と、美幸さんが笑った。



「そうですかね?知らないことが多すぎて・・・」



「だから、気をつけるのよ」と、女将は言う。





その後、まかないの昼食になったのだが、僕には大きな疑問や不審感が膨れていた。



その夜は雨になり客足は伸びない。七時になったところで店を閉めて、夕食をとることになった。



まかない夕食は僕が作ることになり、女将も美幸さんもおいしいと言って食べてくれていた。




「少しお酒でも飲みましょうか?」と、女将が言う。



美幸さんも頷き、僕も久しぶりのお酒が飲めるということで嬉しい気持ちになった。




お酒も入っていたせいであろうか?




「山田さんは、どうしてこの街に来たの?誰かの紹介?それとも・・」と、女将が初めて僕のことについて尋ねた。



「何となくなのです。お金もないし家賃が安くて・・・それと、自己破産しているので誰も知らない人がいる街がいいと思って。この沿線を探していたら、条件にピッタリの街がここだったのです。でも、信じられないことばかりで驚いています」



「そうだったの?この街には、そんな人が多いのよ。実は、私たち親子もそうなの。主人が事業に失敗してこの街に流れてきたのよ。主人は必死で働いたけど運悪く交通事故でね・・・もう三年になるわ」



「交通事故?この街で?」



「違うわよ。この街では交通事故はほとんどないわ。店を開いてから、隣町に食材の仕入れに行っていた時に・・・隣町なんかに行かなければよかったのよ。珍しい食材があると聞いてね。その帰りに・・・隣町で」



「お母さん、お父さんのことは・・・」と、美幸さんが言葉をさえぎった。



そんなことがあったのか?それで、美幸さんは話したくないのだろうと思った。




「悲しいことを思い出させてすいません。僕の父と母も死んでいません。小さいころに・・・心中したのです。僕は親戚の叔母に引き取られて暮らしていたのです。借金だったと聞いています」



「苦労したのね?でも、これからは楽になるわよ。この街なら・・・」



「はい、そう思います。ここで一生暮らしていけたならと思います。みんな優しい人ばかりだし、これからは街のことをもっと知っていきたいと思います。まだ、色々なことがあるのですよね?」



「色々なこと?そうね、色々あるわよ。でも、知らないほうがいいこともあるし、知ってもどうしようもないこともあるわ。だから、自然の流れで暮らしたならいいのよ」



「はい、一生懸命に働きますから・・・」



「ありがとう。それと、親族の人はいるの?」と、尋ねてきた。



「はい、叔母と叔父がいますが年金生活です。二人とも子供がいないのでこの街で暮らしたならいいと思っています」



「それは一番よ。年金があって、この街の福祉や介護があれば天国のようなものよ。今度、教えてあげなさい」



「お母さん、そんな・・・山田さんも困るわよ」と、美幸さんが言う。



「いえ、子供のころにお世話になったので、恩返ししたいと思っていたのです。今度時間を作って会いに行ってみようと思います。老後がこの街なら心配ないと思っていますから」




二人は、僕の言葉に頷くだけであった。






やがて、八時になろうとしていた。



「今日はご苦労様。さっ、閉めて帰りましょう」と、女将。



「あのぅ、女将さんは、どこに住んでいるのですか?」と、尋ねてみた。



「近くよ。車で三分。さっ、帰りましょう」



僕は、帰りながら色々な疑問をまとめてみたいという衝動にかられていた。



昨夜と同じように街全体が異常なほど明るい。どこにでも街路灯が設置されている。



車は昨夜よりは多いように感じたが、歩いている人はまばらだ。



しかも、若い人だけであった。確かに、僕の仕事上において八時が終了時間であるし、その前に住民は家路についているのだろう。そう思うと不自然ではないと自分に言い聞かせた。




お酒を飲んでいるので足元がおぼつかない。昨夜よりも帰る時間がかかりそうだ。





駅前にさしかかると、数人の人が電車から降りてきていた。



そして、皆、迎えの車やタクシーに乗っている。スーツ姿の人が多い。



そこで何気に車のナンバーを見た。この街の名前になっている。昨日までは気づくことはなかったのだが、この街のナンバーだ。ということは、この街には自動車登録所つまり、車検場があるということだろうか?




こんな小さな街なのに車検場がある。一万人程度の街で・・・




それだけしっかりとした街なのかもしれない?





お金を貯めて車の一台も買いたいと思っていた。



風呂に入り、疑問や理解できない事柄を書き出してみることにした。









■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/




■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html


■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html

■勝汰章HP  http://katsuta.yu-yake.com/

■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654




■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/

===================================================================



「署長、最近は楽になってきましたね?もう、何があっても大きな問題は起きないと思いますが?」



「交通課長の言う通りだな。警察署のランクではトップだと連絡が入っている。これで、この警察署も安泰だ。これも、課長のおかげだ。課長のアイデアがなかったら困ったことになっていたかもしれん。住民も喜んでいる。まぁ、一杯・・・」



「ありがとうございます。署長の許可がなかったなら出来ませんでしたよ。これも、署長のおかげです。私の転勤もなくなったし、全てが順調です」



「いや、俺だけではない。街長の尽力もあった。それと何よりも住民の反対が何もなかったということだ。皆が安心して暮らせる街を目指しているということが一番だな」



「その通りです。しかし、一つだけ問題があります。信号機が欲しいという陳情がありました。年寄りが渡るには車が多いというのです」



「大通りの端の電気屋のところだろう?それと、近くの蕎麦屋か?」



「はい、そうです。どうしましょうか?」



「まだ、そんな奴がいるのか。無視していたらいい。何年もこの街に住んでいるのに何も分かっていない。自分のところの年寄りだけを考えることしか出来ないんだな。今度、俺が行って話しておく。課長は何の心配もしなくていい。しかし、困った奴らだ。誰かが手を引いて渡らせればいいことだ。それも一日に何回もないのだろう?」



「はい、一日に一回だそうですが・・・」



「分かった。俺が説得する。それと、生活安全課長、先日、別の町から来た浮浪者で住民登録をしていない男を発見したということだが、その後、どうした?」



「はい、登録するように説得してみたのですが、転出届を持っていないのです。それで、届けをしなかったということです。住所不定ということでした。それで、例の施設に入れたのです。転出届がないと処理出来ないのですが?どうしましょうか?」



「その男は何才かね?」



「本人が言うには五十八才らしいのですが?」



「役場は何と言っている?俺の権限か?」



「いつものように署長の権限でと・・・」



「そうか、こういうことは役場の奴らは逃げるな。ハハハ・・・役場がそういうのなら戸籍を作ってくれ。但し、指紋を採取して前科がないかどうかを調べなさい。前科があったなら金を渡して、いつものように街から追い出してくれ。何もないなら仕事とアパートを世話してやりなさい。いつものところでいい。次に、警備課長、今のところは何もないか?」と、焼酎を一気に飲み干した。




「何もありません。例の問題も解決しました。一応、関係者には口止めしています・・・」



「口止め?口止めではないだろう・・・ハハハ・・・それは納得したということだ」



「すいません。間違えました。納得したのです」



「それでいい。何事も納得してくれる。そういうことになる。次、地域課長、夜間の外出禁止についてはどうなっている?」



「はい、ここのところは何の問題もありません。住民は守ってくれています。ただ、署長に相談があります。昨夜の報告なのですが、誰かは知りませんが、食べ物がなくて歩いていたという男がいたというのです。夜間に店を開いてみてもいいかと?一軒でも店が開いていたなら住民も喜ぶと思いますが?」



「お前は、ここに来て何年になる?バカなことを言うんじゃない。昔に戻してみろ、大変なことになるぞ。それは許可できないし、これからもない。お前のような奴がいるから問題が起きるんだ。後で、署長室に来るように・・・次、刑事課長」と、突然、鬼の形相になっていた。





その言葉で、店の中の空気は一変していた。





その男というのは、もしかしたなら僕ではないのか?



僕の体は小刻みに震えていた。




そして、刑事課長が「特に何もありません。ここ半年は犯罪もありませんし、他の町から手配容疑者が逃げ延びてきたこともありません」



「それでいい。今後も注意してくれ」




そして、他の課長以下の警官とも談笑していた。




こんな店で、こんなことを話すのだろか?僕には理解できない。



理解というよりも、何を言っているのかということさえ分からない。

何とも不思議な街だ。




二時間が経過しようとしていた。副署長らしき男が署長の耳元で何かを囁いた。




僕は、何もすることがないので、厨房の中からただ見ていることしか出来ない。




女将も、テーブルの上の飲み物を出したり、引っ込めたりしていただけだ。



美幸さんも女将と同じことをしていた。





「女将、帰るぞ」と、署長の声。どうやら署に戻るらしい。



「ありがとうございます。また、是非・・・お疲れ様でした」



「副署長、タクシーは呼んであるか?」



「店の前で待っています」



「さっ、行くか・・・」と、席を立ち店を出た。





皆、署長の後に付いて出たが、一人だけ浮かない顔で出て行った、それは、地域課長であった。





署長に叱責されてからは、一言も話していない。そんなに酷いことを言ったとは思えないが?




「さぁ、片付けましょう」と、女将。



「お母さん・・・地域課長は?」



「例のところへ左遷ね。仕方ないわよ」



「仕方ないよね」何だか変な会話をしている。



「あのぅ、左遷って何ですか?」と、僕が尋ねると。












■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/




■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html


■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html

■勝汰章HP  http://katsuta.yu-yake.com/


■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記 1 前代未聞の車爆破トリック  TOPより

http://blog.goo.ne.jp/suiri-katsuta/e/1cab9d7b1b3aa6c227aa0afb2788b6f7

■中古車屋探偵  雪田正三の殺人日記 2 溶けない死体 TOP

 http://blog.mag2.com/m/log/0000239491/109403557.html


■かあさんの裁縫箱と、とうさんのライター TOPより

http://blog.goo.ne.jp/a-katsuta/e/34a6bc7911df19ebd352e2cdb6fd641b


■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654




■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/

=================================================================




「すいません、何も知らないものですから、今後も色々と教えて下さい」



「仕事以外は駄目です。自分で経験していくのです。皆、そうして暮らしているのです。何かあったなら役場で聞いて下さい。それがルールです」



「すいません・・・何も知らない・・・ものですから、すいません・・・」



僕は妙に萎縮していた。女将の強い口調が萎縮させたと思う。




普段は優しい人だと思っていたが、この街のルール違反になるようなことだと人は豹変する。




しかし、永井さんは何のために役場に行ったのだろうか?



あれから一時間半になろうとしていた。





ランチの時間が迫っている。



僕の作っていたツマミも完成した。女将に味見してもらうと問題ないということであった。



ほどなくして警察署の人達が来られた。店の外には本日貸切という張り紙が張ってあるので一般の客が入ることはない。



「女将、ご無沙汰しているな。元気か?」と、署長らしき男が言う。



年のころなら三十台後半の若い人であった。



「いらっしゃいませ。お待ちしていました。元気でやらせていただいています。署長さんもお元気そうで何よりです。奥様とお子様は?」



「あぁ、元気だよ。美幸ちゃんも元気かい?」



「えぇ、署長さんのおかげです。感謝しています」と、美幸さんは深々と頭を下げた。




感謝?何かあったのであろうか?それにしても・・・




「ビールですか?」



「もう少し待とう。まだ来ていないのがいるから・・・」



「かしこまりました。では、オツマミだけでもテーブルに・・・」



と、僕の顔を見た。僕はツマミをテーブルに並べるために席に向かう。

すると「新人さんかい?」と、尋ねる。





「はい、昨日から・・・」



「そうか、この街はいいだろう。こんなに良い街はないぞ。それに、あんたは若い。若いということは何でも出来るということだ。なぁ・・・女将?」



「全くそうですね。若いということは・・・」と、僕の顔を見たのだが何か異様な感じがした。



「この街は若い・・・若い人で成り立っているんだ。ハハハ・・・名前は何だ?」



「山田茂と言います・・・」



「いい名前だ。何才かね?」



「三十一です」



「家族は?」



「いません・・・独り者です」



「いない?それは困るな。家族を作れ、俺が誰か女を紹介してやろうか?」



「えっ、署長さんが?役場に家族担当という係りがあると聞いたのですが?」



「あぁ、あれか。俺も同じだ。今年になってから三人を仲人した。あんたもどうかね?ここの娘の美幸はどうだ?可愛い女だ。美幸には彼氏はいなかったな?」と、美幸さんのほうを見た。



「署長・・・山田さんが困っていますよ。署長さんが仲人なら安心ですが・・・」



「そうだろう、そうだろう・・・俺は役場と同じだからな、なぁ、女将・・・」



「そうですが・・・この話はまたの機会に・・・もう、皆さんがお着きになられましたよ」



「よし、始めてくれ・・・」




と、警察署の人のランチタイムが始まった。しかし、どうみてもランチというよりも宴会だ。




僕は厨房の中で聞き耳をたてていた。




この街の何かが分かるかもしれないと思ったのだ。





追加の料理もなく宴会は進んでいる。大量のビールやお酒、焼酎がテーブルに並んでいる。



昼間からこんなに飲んでもいいのだろうか?こんな警官を見たことがない。



署長には大きな権限があるらしく他の警官は署長の言葉に逆らうことはない。

署長の言うことに対して全て頷いていたのだ。



何か違和感というよりも、絶対権力を持った男とその男に従う下僕のような感じだ。



その中で一つの会話に興味を持った。





その会話というものは・・・










■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/




■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html


■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html

■勝汰章HP  http://katsuta.yu-yake.com/


■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記 1 前代未聞の車爆破トリック  TOPより

http://blog.goo.ne.jp/suiri-katsuta/e/1cab9d7b1b3aa6c227aa0afb2788b6f7

■中古車屋探偵  雪田正三の殺人日記 2 溶けない死体 TOP

 http://blog.mag2.com/m/log/0000239491/109403557.html


■かあさんの裁縫箱と、とうさんのライター TOPより

http://blog.goo.ne.jp/a-katsuta/e/34a6bc7911df19ebd352e2cdb6fd641b



■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654




■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/




==================================================================


「すいません、余計なことを思い出させてしまったようで・・・」



「いえ、大丈夫です。父は家族に楽しい思い出と・・・・あっ、そこの道を左に曲がって下さい。そして、突き当たりを右です」



「はい・・・」




美幸さんは何を言いかけたのだろうか?



その後、無言になり外の景色を見ていた。



やがて車は肉屋に着き、僕は頼まれていた豚と鳥の肉を買った。



買ったというよりもツケでいいのだと言われた。



車は今来た道を帰る。しかし、人や車とすれ違うことはない。




一万人もいる街なのに・・・





「美幸さん・・・この街の人は外に出ないのですか?」



「・・・あんまり・・・出ないと思います」



「どうしてなのですか?」



「昔からです・・・」



「朝早く駅前のスーパーに行ったのですが沢山の人がいましたよ。スーパーには行くんでしょ?」



「多分・・・」と、何かそっけない返事だ。




「そうですか、それと一つ聞いてもいいですか?何も知らないものですから・・・」



「何でしょうか?」



「昨日の家族の日というのは何なのでしょうか?」



「家族の日です。家族で一緒に団欒を楽しむ日です」



「それは分かったのですが、テレビやラジオが・・・」



「必要ないものはいいのです。役場のルールですから、それと、家族の日以外にも色々とあるんです。いずれ分かると思いますよ」



「そうですか、でも、テレビぐらいは・・・電話も・・・」



「そこの道を右に入って下さい。近道ですから・・・」




何かをはぐらかすような感じで言ったような気がした。





車は店の前に着いた。戸を開けると。



「山田さん・・・どうでしたか?あそこの肉屋はよく使いますから覚えておいて下さい。それと、肉屋の並びには八百屋があります。明日は八百屋に行ってもらいますから・・・」と、女将が言う。



厨房に入りツマミの準備に取りかかった。永井さんは店内の掃除をし、美幸さんは、女将の作る料理を手伝っている。



皆、無言だ。何か変?何の言葉もかわしていない。



確かに、昨夜も同じように感じた。客との会話はあるのだが・・・



無言の状態が続く。僕は何か耐えられなくなり・・・口を開いた。



「女将さん、ツマミは豚と鳥の煮込みのようなものでいいですか?それに野菜を入れて・・・それと、冷蔵庫の中のある海草を使った酢料理も・・・」



「豚と鳥だけでいいのよ。私は豚と鳥としか言っていないはずよ。それに署長さんは酢の物が嫌いだし、野菜も嫌いなのよ。肉だけの煮込みでいいから・・・余計なことはしないで」



「・・・」





そして、また皆が無言になった。一時間が経過していた。



永井さんは店内の掃除が終わり、椅子に腰掛けて一服している。



僕も休憩しようと店内の椅子に腰掛けて永井さんに話しかけた。



「永井さんも料理をするのですか?」



「しない」



「飲食店は長いのですか?」



「ここが初めて」



何かぶっきらぼうな返答だ。昨夜は忙しくて何の話もできなかったので話しかけてみたのだが。



「この街は長いのですか?」



「いや・・・さて、女将、役場に行ってくるからタクシーを呼んでくれないか?」



「分かったわ。今日だったわよね?」厨房から女将の声がした。



ほどなくしてタクシーが来て永井さんは店を出た。



僕も厨房に戻り仕事を始めた。



「山田さん、色々と永井さんに聞いては駄目ですよ。永井さんだけではなく、この街に住んでいる人を詮索しては駄目です。決まりごとなんですから・・・」




確かに、人のことを色々と詮索する悪い癖があった。



前の店でも、その詮索で客が怒りトラブルになったのだった。












■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/




■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html


■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html

■勝汰章HP  http://katsuta.yu-yake.com/


■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記 1 前代未聞の車爆破トリック  TOPより

http://blog.goo.ne.jp/suiri-katsuta/e/1cab9d7b1b3aa6c227aa0afb2788b6f7

■中古車屋探偵  雪田正三の殺人日記 2 溶けない死体 TOP

 http://blog.mag2.com/m/log/0000239491/109403557.html


■かあさんの裁縫箱と、とうさんのライター TOPより

http://blog.goo.ne.jp/a-katsuta/e/34a6bc7911df19ebd352e2cdb6fd641b


■第二章  強引な結婚

■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654




■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/

=============================================================




他のカードの客の名前を呼ばれて支払いをしている。現金の客も名前を呼ばれている?


現金の客もカードを出していた。


どうやら、カードにポイントが貯まるシステムのようだ。


店内に大きくポイントを貯めよう・・・みんなのために・・・とポスターがある。


みんなのためのポイント?



その時は何の疑問も持たずに店を出た。



よくあるスーパーのポイント制度なのだろうと思っていた。


初春の朝の爽やかな風が頬を伝う。今日も、あの店の仕事が始まる。

朝食が終えて部屋を出る。駅前から大通りに向かう。



僕の感覚であれば、多数の人が会社や学校に通う光景が普通だ。



しかし、閑散としている。駅前を通ると数人がホームで電車を待っていた。



この街唯一の駅であるが、電車の時刻表には上り下りが七時から九時までに合わせて十本しかない。人口が少ないというのが理由なのかもしれない。

急行電車も止まらない駅だ。




駅の前にはバスの停留所があり数人が待っていた。



そのバスも電車と同じ時間ならば五本しかない、それも隣町へ行くものだけであった。



タクシーもあるのだが三台しか止まっていない。



昨日のことがあったので小冊子を持ち歩くことにした。



その中に人口についての項目があったのを思い出したのだ。




開いてみると、男・五千二百人 女・五千五百人と記載されていた。




一万人以上の人がいるということだ。それならば仕方のないことなのかもしれない。




大通りに入ると何人かの子供が並んで登校している。ランドセルを背負っているので小学生だ。その後ろには灰色の学生服を着た人が歩いていた。中学か高校生だろう。僕は、小冊子を開き、学校の項目に目をやった。



第一小学校、第一中学校、幸福高校、幸福短期大学と記載されている。



短期大学もあるのだ。しかも、街が運営していると追記されていた。

さらに、皆同じ住所の百合町一丁目になっている。



これだけ財政が豊かであれば、これぐらいのことは出来てもおかしくない。



ほどなくして店・幸福屋が見えてきた。外では、女主人が打ち水をしている。



「おはよう。昨日は疲れたでしょう?ゆっくり眠られた?」



「・・・何とか・・・十五日というのは不思議な日なのですね。色々と経験しました。他の街と違うので驚いてしまいましたよ。何も知らないので・・・」



「そう・・・それはいいとして、今日のランチは貸切になるから早く準備してね。警察署の人たちが来るのよ。署長さんも来られるから、粗相のないようにしないといけないの。十三人で予算は一人五千円なのよ。お酒も出るからツマミを作ってね。ご飯とおかずは私が作るから・・・それと、ツマミの豚と鳥肉が足りないかもしれないから娘と一緒に買いに行ってくれる?山田さんなら肉に詳しいでしょ?娘だけだと無理なのよ」



「はい、それでは昨日の片付けをして・・・」



「それは永井さんにお願いしたから・・・早く行ってね」



と、優しい顔で僕を見た。本当に優しい女将だ。




娘も女将に似て可愛らしい。料理は下手のようであるが接客は上手だ。



僕は店内に入り娘の美幸さんに声をかけた。




「美幸さん・・・お肉を買いに行きましょう?」



「はい、ちょっと遠いのですが、山田さんは運転できますか?」



「はい、大丈夫ですよ」



ということで店の車に乗り出かけた。



美幸さんは運転免許を持っていないということだ。



「どうして免許を取らないのですか?」



「母が危ないからと言うのです。それとこの街にいる限り車は必要ないし・・・何かあったならタクシーを使いますから・・不便はないのです」



「タクシー?高いでしょう?」



「高い?この街のタクシーは、どこまで行っても基本料金の五百円だけですよ」



「五百円?それ以上はかからないのですか?」



「そうです。ただし、隣の町に出たなら普通に料金がかかります。でも、この街から他の町へタクシーで行く人はいません」



「タクシーって駅前の三台だけでしょ?」



「いえ、役場と警察署と学校などにあります。全部で五十台はありますよ。だから、電話で呼んだらすぐに来てくれるのです。何の不便もありません」



「そうなんですか、それはいいですね。何も知りませんでした。とうことは車を持っている人は少ないということですか?昨日から普通の車をあまり見ないのですが?」



「それはあると思います。うちも車は必要なかったのですが、父が車好きだったので、この車があるのです。父の思い出の車なのです」



「お父さんは、何かで?」



「えぇ、事故で・・・死にました」と、横顔が曇っていた。













■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/




■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html


■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html

■勝汰章HP  http://katsuta.yu-yake.com/


■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記 1 前代未聞の車爆破トリック  TOPより

http://blog.goo.ne.jp/suiri-katsuta/e/1cab9d7b1b3aa6c227aa0afb2788b6f7

■中古車屋探偵  雪田正三の殺人日記 2 溶けない死体 TOP

 http://blog.mag2.com/m/log/0000239491/109403557.html


■かあさんの裁縫箱と、とうさんのライター TOPより

http://blog.goo.ne.jp/a-katsuta/e/34a6bc7911df19ebd352e2cdb6fd641b

■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654





■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/

=====================================================================



「山田さん、生きていますか? 警察と消防ですが?」と、外で大きな声がした。



恐る恐るドアを開けると、そこには警官と消防士が立っていた。



その警官は、さっき踏み切りで会った人であった。



「生きていましたね?いたずらは止めて下さい。また、こんなことがあると逮捕しないといけなくなります。分かりましたか?」


「すいません、電話がどこにも繋がらないので故障したかと思って・・・」


「今夜は無理ですよ。家族団欒の日ですから・・・」


「テレビもラジオも駄目なのですか?」


「当たり前です。小冊子に書いてあります。よく読んでくれないと困ります」


「一つ聞いてもいいですか?」


「また、一つですか?いいですが?・・・」


「テレビやラジオは電波ですよね?だったら?」


「この街は違います。全て役場からのものです。つまり、ケーブルテレビとケーブルラジオです。放送局のアンテナから遠いので役場からしか無理なのです。衛星放送は電磁場の関係で無理です。だから、役場に感謝しなさい。いいですか?」


「電話は?」


「またですか?いいでしょう。電話も同じで役場です。それと、今夜・・・つまり、毎月十五日は家族の日です。電話は必要ないでしょう。小冊子を読んで下さい」



と、不機嫌な顔をして去って行った。




もっと、質問したかったのであるが、警官の態度を見ると、それも出来ない。

すぐに、小冊子を開いた。


さっき、読んだのに、そんなことは書かれていなかったと思う?


すると、小冊子の裏表紙に、テレビ・ラジオ放送や電話について・・・と。


毎月十五日は、家族の日として午後八時から翌日の午前六時までは中止。


電話についても同じ。但し、緊急の電話は関係ありません。




さらに、家族の日の過ごし方・・・



家族が一番です。家族と共に楽しく過ごすことをお願いします。


家族のいない方は、家族を作るように指導しています。


遠慮なく、住民係の家族担当までお問合せ下さい・・・と。




こんなことで空腹感もなくなり今度は睡魔が襲ってきた。


風呂に入ろう。温かい風呂に・・・


ガスは使えるのであるから風呂には入られる。


湯船につかると、一日の疲れ・・・肉体ではなく精神の疲れが消え去る感覚だ。


この街に越して来て良かったという気持ちと、少しの不安が交差していた。


少しというのには理由がある。



生活に困ることはないだろうが、何か不自由さというものを感じないことはない。



気持ちを入れ替えればいいだけのことかもしれない?



不自由というものの裏に楽な生活が存在している。



この街の不自由は、もっと楽な生活をするために仕方のないことだと思い込んだ。




一日が終わり、寝床についた。



翌朝六時にテレビをつけると、いつものようにテレビは映像を流している。



ニュースも見られるし、何の問題もない。



毎月十五日の夜だけを我慢すればいいだけなのだ。



これぐらいの我慢があるから、高給を貰えると思ったならいい。



そういうふうに考えると空腹感が押し寄せてきた。



僕は、部屋を出て近くのスーパーに向かうことにした。朝の七時になっていた。



こんな早くに店は開いているのだろうか?もし、駄目なら仕方ない。



スーパーは開いていた。沢山の人が集まっている。



何故?こんなに早い時間に・・・すると、どうやら早朝割引の垂れ幕がある。


店内は若い人で混雑していた。小さな店であるから仕方ないと思い、いくつかの惣菜と米を買いレジに並んだ。


住民カードで買い物をする人を初めて見た。勿論、現金の人もいる。



僕も住民カードを出し支払いをしようとした時に・・・



「初めてのカードですね?ありがとうございます。三千四百円を引かせていただきます。山田茂様・・・」



このカードで何でも分かるのだ。不思議と名前を呼ばれることの快感があった。







■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/

■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html

■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html

■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654




■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/

=================================================================



しかし、何か変だ。まるで発展途上国の夜間外出禁止令のように感じたが、それはそれで大きな問題はない。それよりも日々の暮らしが裕福なほうが一番だと思うしかなかった。



空腹のままに部屋に着き、小さなカップラーメンにお湯を注ぐ、そしてテレビをつけてみようとしたが、いつも見るチャンネルが砂嵐になっている。



テレビは壊れてしまったのだろうか?昨日の夜は何の問題もなく映っていたのに・・・




リモコンチャンネルのボタンを色々と押してみる。


突然、あるチャンネルに映像が現れた。




そこには、今夜は家族の会話の夜です。家族で楽しく会話をして下さい。


明日の開始は、朝の六時からです。町役場より・・・


家族?僕は一人暮らしだ。家族はいない。家族のいない人はどうすればいいのだ?




一つの妙案が浮かんだ。ラジオだ。ラジオなら・・・スイッチをひねってみた。



やった・・・ラジオは大丈夫だ。


ラジオから流れるクラッシック音楽・・・うん? 何? 


どこの放送局も同じ音楽だ。どこも同じ・・・何かのクラッシック音楽だけだ。



何分聞いていても同じ曲の繰り返しだ。



そして、この放送は地震や緊急のためのものです。今夜は、家族の会話の日ですから音楽を放送しています。住民の方は楽しい夜を過ごして下さい。

その声が五分に一回流れていた。




この街は一体どうなっているんだ。テレビもラジオも駄目だ。


でも、テレビとラジオは電波ではないのか?



この街だけがそういうことになるということは信じられない。



誰かと話したい・・・まるで、囚われの身になったような感覚だ。


電話なら・・・昔の友人に電話をかけようとした。



何度ボタンを押しても繋がらない。別の友人にかけても同じだ。


変な音色の音がしている。話し中の時の音とは違う。



それなら、携帯だ。携帯で友人にかけてみるが同じだ。



僕は、次第に不安というよりも恐怖心が大きくなっていた。


何とかならないのか?そして、また、一つの妙案が閃いた。


警察か救急だ。それならば、繋がるはずだ。



勇気を持って警察・・・一一〇番にかけてみた。二回ほど呼び出し音が鳴って。



「警察です。山田茂さん、何かありましたか?」


「えっ、あっ、すいません、間違えました・・・」



繋がる・・・しかし、僕の名前を呼ぶ。僕がかけたことを知っている?



次は、一一九にかける。




「事故か病気、火災ですか?山田茂さん?」


僕は、すぐに電話を切った。




繋がる・・・こういうことには繋がる・・・


そんなことをしていてカップラーメンは伸びてしまっていた。


スープを吸って膨れた麺の味は最悪であった。


不思議だ? 小刻みに体が震えている。




さっきまでの空腹感がなくなり、何が起こっているのかということに恐れを抱いた。



すると、ドアをノックする音だ。





誰だ?










■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/





■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html




■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html





■勝汰章HP  http://katsuta.yu-yake.com/

■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記 1 前代未聞の車爆破トリック  TOPより

http://blog.goo.ne.jp/suiri-katsuta/e/1cab9d7b1b3aa6c227aa0afb2788b6f7


■中古車屋探偵  雪田正三の殺人日記 2 溶けない死体 TOP

 http://blog.mag2.com/m/log/0000239491/109403557.html

■かあさんの裁縫箱と、とうさんのライター TOPより

http://blog.goo.ne.jp/a-katsuta/e/34a6bc7911df19ebd352e2cdb6fd641b


■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31865654




■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/

=================================================================



その日の仕事は、八時きっかりに終わり後片付けもないままに店を出た。



どうやら、八時以降は仕事をしてはいけないようだ。



外に出ると異常に明るいことに気づいた。つまり、街路灯が、そこかしこにあり、まるで昼間のような明るさだ。そして、不思議なことに人がほとんど歩いていない。


小さな街であるから仕方のないここだとは思ったが、それにしても人がいない。



さらに、車の往来もない。たまに通る車はタクシーであった。



しかも、そのタクシーには客は乗っていない。回送という電光文字が光っていた。



春先の夜は、少しは肌寒いが何か気持ちのいいものだ。




アパートへ向かう道には、色々な家並みがあり、その家からの光が洩れていた。


店からアパートまでは徒歩で十分ぐらいだ。大通りを歩き駅前の商店街らしきところを歩く、しかし、商店の全ては閉まっていた。


午後八時までの仕事ということが徹底されていると思う。


そこで、僕は一つ大変なことに気づいた。今夜の食事がないのである。




越して来たばかりで、冷蔵庫の中には何もない。唯一あるのは、小さなカップラーメンだけだ。これだけでは満腹にならない。




僕は空腹のおもむくままに、どこかに店の一軒ぐらいはないかと探してみることにした。


駅の反対側に行くことにし、線路を渡ろうとした時に、昼間と同じように誰かが声をかけた。


振り向くと、そこには、自転車に乗った警官の姿があった。



「何をしているのですか?八時を大部過ぎていますよ。早く帰って下さい」


「えっ、お店を探しているのです。食べ物がないので・・・」


「駄目です。早く帰って下さい。あなたは、この街の人ですか?一応、住民カードを見せてもらいます?」


「これですが・・・」と、手渡した。


「間違いないようですね。とにかく、開いている店は一軒もありませんから帰って下さい。これ以上外にいると逮捕することになります。さっ、早く家に帰って下さい」


「食べ物が・・・ないのです」


「それは、あなたの責任です。この街のルールを守って下さい。分かりましたか?」



僕は、逮捕という言葉に敏感に反応していた。過去に、自分の店で客とのトラブルで怪我を負わせてしまい逮捕され書類送検されたことがあったのだ。



あの時の記憶が蘇ってきた。



ここは素直に従うしかない。しかし、大きな疑問がある。そして・・・


「はい、これから帰りますが、八時以降は出歩いてはいけないということは昔からなのですか?」


「今の役場街長が決めたことですし、警察署長も了承しています。この街の決まりです」


「そうですか?それと、もう一つだけ聞いてもいいですか?」


「一つだけですよ」


「運転免許の住所変更は?」


「あなたは最近ここに来られたのですね?それは、役場です。役場で手続きをして下さい。さっ、早く帰って・・・」



と、自転車は早いスピードで、その場から去って行った。



この街の全ての機能は役場なのだ。









■クリックして頂くと励みになります。小説ブログ ミステリー・推理小説

クリック⇒ http://novel.blogmura.com/novel_suiri/



■無言の街 あなたも殺人者になる街? TOP

  http://ameblo.jp/a-rm/entry-10182821701.html




■ベシタブルウォーズ TOP

 http://ameblo.jp/a-rm/entry-10107178880.html



■勝汰章HP  http://katsuta.yu-yake.com/

■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記 1 前代未聞の車爆破トリック  TOPより

http://blog.goo.ne.jp/suiri-katsuta/e/1cab9d7b1b3aa6c227aa0afb2788b6f7


■中古車屋探偵  雪田正三の殺人日記 2 溶けない死体 TOP

 http://blog.mag2.com/m/log/0000239491/109403557.html

■かあさんの裁縫箱と、とうさんのライター TOPより

http://blog.goo.ne.jp/a-katsuta/e/34a6bc7911df19ebd352e2cdb6fd641b