■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

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「署長、最近は楽になってきましたね?もう、何があっても大きな問題は起きないと思いますが?」



「交通課長の言う通りだな。警察署のランクではトップだと連絡が入っている。これで、この警察署も安泰だ。これも、課長のおかげだ。課長のアイデアがなかったら困ったことになっていたかもしれん。住民も喜んでいる。まぁ、一杯・・・」



「ありがとうございます。署長の許可がなかったなら出来ませんでしたよ。これも、署長のおかげです。私の転勤もなくなったし、全てが順調です」



「いや、俺だけではない。街長の尽力もあった。それと何よりも住民の反対が何もなかったということだ。皆が安心して暮らせる街を目指しているということが一番だな」



「その通りです。しかし、一つだけ問題があります。信号機が欲しいという陳情がありました。年寄りが渡るには車が多いというのです」



「大通りの端の電気屋のところだろう?それと、近くの蕎麦屋か?」



「はい、そうです。どうしましょうか?」



「まだ、そんな奴がいるのか。無視していたらいい。何年もこの街に住んでいるのに何も分かっていない。自分のところの年寄りだけを考えることしか出来ないんだな。今度、俺が行って話しておく。課長は何の心配もしなくていい。しかし、困った奴らだ。誰かが手を引いて渡らせればいいことだ。それも一日に何回もないのだろう?」



「はい、一日に一回だそうですが・・・」



「分かった。俺が説得する。それと、生活安全課長、先日、別の町から来た浮浪者で住民登録をしていない男を発見したということだが、その後、どうした?」



「はい、登録するように説得してみたのですが、転出届を持っていないのです。それで、届けをしなかったということです。住所不定ということでした。それで、例の施設に入れたのです。転出届がないと処理出来ないのですが?どうしましょうか?」



「その男は何才かね?」



「本人が言うには五十八才らしいのですが?」



「役場は何と言っている?俺の権限か?」



「いつものように署長の権限でと・・・」



「そうか、こういうことは役場の奴らは逃げるな。ハハハ・・・役場がそういうのなら戸籍を作ってくれ。但し、指紋を採取して前科がないかどうかを調べなさい。前科があったなら金を渡して、いつものように街から追い出してくれ。何もないなら仕事とアパートを世話してやりなさい。いつものところでいい。次に、警備課長、今のところは何もないか?」と、焼酎を一気に飲み干した。




「何もありません。例の問題も解決しました。一応、関係者には口止めしています・・・」



「口止め?口止めではないだろう・・・ハハハ・・・それは納得したということだ」



「すいません。間違えました。納得したのです」



「それでいい。何事も納得してくれる。そういうことになる。次、地域課長、夜間の外出禁止についてはどうなっている?」



「はい、ここのところは何の問題もありません。住民は守ってくれています。ただ、署長に相談があります。昨夜の報告なのですが、誰かは知りませんが、食べ物がなくて歩いていたという男がいたというのです。夜間に店を開いてみてもいいかと?一軒でも店が開いていたなら住民も喜ぶと思いますが?」



「お前は、ここに来て何年になる?バカなことを言うんじゃない。昔に戻してみろ、大変なことになるぞ。それは許可できないし、これからもない。お前のような奴がいるから問題が起きるんだ。後で、署長室に来るように・・・次、刑事課長」と、突然、鬼の形相になっていた。





その言葉で、店の中の空気は一変していた。





その男というのは、もしかしたなら僕ではないのか?



僕の体は小刻みに震えていた。




そして、刑事課長が「特に何もありません。ここ半年は犯罪もありませんし、他の町から手配容疑者が逃げ延びてきたこともありません」



「それでいい。今後も注意してくれ」




そして、他の課長以下の警官とも談笑していた。




こんな店で、こんなことを話すのだろか?僕には理解できない。



理解というよりも、何を言っているのかということさえ分からない。

何とも不思議な街だ。




二時間が経過しようとしていた。副署長らしき男が署長の耳元で何かを囁いた。




僕は、何もすることがないので、厨房の中からただ見ていることしか出来ない。




女将も、テーブルの上の飲み物を出したり、引っ込めたりしていただけだ。



美幸さんも女将と同じことをしていた。





「女将、帰るぞ」と、署長の声。どうやら署に戻るらしい。



「ありがとうございます。また、是非・・・お疲れ様でした」



「副署長、タクシーは呼んであるか?」



「店の前で待っています」



「さっ、行くか・・・」と、席を立ち店を出た。





皆、署長の後に付いて出たが、一人だけ浮かない顔で出て行った、それは、地域課長であった。





署長に叱責されてからは、一言も話していない。そんなに酷いことを言ったとは思えないが?




「さぁ、片付けましょう」と、女将。



「お母さん・・・地域課長は?」



「例のところへ左遷ね。仕方ないわよ」



「仕方ないよね」何だか変な会話をしている。



「あのぅ、左遷って何ですか?」と、僕が尋ねると。












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