■第二章  強引な結婚

■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

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他のカードの客の名前を呼ばれて支払いをしている。現金の客も名前を呼ばれている?


現金の客もカードを出していた。


どうやら、カードにポイントが貯まるシステムのようだ。


店内に大きくポイントを貯めよう・・・みんなのために・・・とポスターがある。


みんなのためのポイント?



その時は何の疑問も持たずに店を出た。



よくあるスーパーのポイント制度なのだろうと思っていた。


初春の朝の爽やかな風が頬を伝う。今日も、あの店の仕事が始まる。

朝食が終えて部屋を出る。駅前から大通りに向かう。



僕の感覚であれば、多数の人が会社や学校に通う光景が普通だ。



しかし、閑散としている。駅前を通ると数人がホームで電車を待っていた。



この街唯一の駅であるが、電車の時刻表には上り下りが七時から九時までに合わせて十本しかない。人口が少ないというのが理由なのかもしれない。

急行電車も止まらない駅だ。




駅の前にはバスの停留所があり数人が待っていた。



そのバスも電車と同じ時間ならば五本しかない、それも隣町へ行くものだけであった。



タクシーもあるのだが三台しか止まっていない。



昨日のことがあったので小冊子を持ち歩くことにした。



その中に人口についての項目があったのを思い出したのだ。




開いてみると、男・五千二百人 女・五千五百人と記載されていた。




一万人以上の人がいるということだ。それならば仕方のないことなのかもしれない。




大通りに入ると何人かの子供が並んで登校している。ランドセルを背負っているので小学生だ。その後ろには灰色の学生服を着た人が歩いていた。中学か高校生だろう。僕は、小冊子を開き、学校の項目に目をやった。



第一小学校、第一中学校、幸福高校、幸福短期大学と記載されている。



短期大学もあるのだ。しかも、街が運営していると追記されていた。

さらに、皆同じ住所の百合町一丁目になっている。



これだけ財政が豊かであれば、これぐらいのことは出来てもおかしくない。



ほどなくして店・幸福屋が見えてきた。外では、女主人が打ち水をしている。



「おはよう。昨日は疲れたでしょう?ゆっくり眠られた?」



「・・・何とか・・・十五日というのは不思議な日なのですね。色々と経験しました。他の街と違うので驚いてしまいましたよ。何も知らないので・・・」



「そう・・・それはいいとして、今日のランチは貸切になるから早く準備してね。警察署の人たちが来るのよ。署長さんも来られるから、粗相のないようにしないといけないの。十三人で予算は一人五千円なのよ。お酒も出るからツマミを作ってね。ご飯とおかずは私が作るから・・・それと、ツマミの豚と鳥肉が足りないかもしれないから娘と一緒に買いに行ってくれる?山田さんなら肉に詳しいでしょ?娘だけだと無理なのよ」



「はい、それでは昨日の片付けをして・・・」



「それは永井さんにお願いしたから・・・早く行ってね」



と、優しい顔で僕を見た。本当に優しい女将だ。




娘も女将に似て可愛らしい。料理は下手のようであるが接客は上手だ。



僕は店内に入り娘の美幸さんに声をかけた。




「美幸さん・・・お肉を買いに行きましょう?」



「はい、ちょっと遠いのですが、山田さんは運転できますか?」



「はい、大丈夫ですよ」



ということで店の車に乗り出かけた。



美幸さんは運転免許を持っていないということだ。



「どうして免許を取らないのですか?」



「母が危ないからと言うのです。それとこの街にいる限り車は必要ないし・・・何かあったならタクシーを使いますから・・不便はないのです」



「タクシー?高いでしょう?」



「高い?この街のタクシーは、どこまで行っても基本料金の五百円だけですよ」



「五百円?それ以上はかからないのですか?」



「そうです。ただし、隣の町に出たなら普通に料金がかかります。でも、この街から他の町へタクシーで行く人はいません」



「タクシーって駅前の三台だけでしょ?」



「いえ、役場と警察署と学校などにあります。全部で五十台はありますよ。だから、電話で呼んだらすぐに来てくれるのです。何の不便もありません」



「そうなんですか、それはいいですね。何も知りませんでした。とうことは車を持っている人は少ないということですか?昨日から普通の車をあまり見ないのですが?」



「それはあると思います。うちも車は必要なかったのですが、父が車好きだったので、この車があるのです。父の思い出の車なのです」



「お父さんは、何かで?」



「えぇ、事故で・・・死にました」と、横顔が曇っていた。













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