■勝汰章の著作刊行本
「笑顔になるための246のことば」
悲しみを乗り越える時に・・・
夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/
2030年までの運勢鑑定付
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「山田さん、生きていますか? 警察と消防ですが?」と、外で大きな声がした。
恐る恐るドアを開けると、そこには警官と消防士が立っていた。
その警官は、さっき踏み切りで会った人であった。
「生きていましたね?いたずらは止めて下さい。また、こんなことがあると逮捕しないといけなくなります。分かりましたか?」
「すいません、電話がどこにも繋がらないので故障したかと思って・・・」
「今夜は無理ですよ。家族団欒の日ですから・・・」
「テレビもラジオも駄目なのですか?」
「当たり前です。小冊子に書いてあります。よく読んでくれないと困ります」
「一つ聞いてもいいですか?」
「また、一つですか?いいですが?・・・」
「テレビやラジオは電波ですよね?だったら?」
「この街は違います。全て役場からのものです。つまり、ケーブルテレビとケーブルラジオです。放送局のアンテナから遠いので役場からしか無理なのです。衛星放送は電磁場の関係で無理です。だから、役場に感謝しなさい。いいですか?」
「電話は?」
「またですか?いいでしょう。電話も同じで役場です。それと、今夜・・・つまり、毎月十五日は家族の日です。電話は必要ないでしょう。小冊子を読んで下さい」
と、不機嫌な顔をして去って行った。
もっと、質問したかったのであるが、警官の態度を見ると、それも出来ない。
すぐに、小冊子を開いた。
さっき、読んだのに、そんなことは書かれていなかったと思う?
すると、小冊子の裏表紙に、テレビ・ラジオ放送や電話について・・・と。
毎月十五日は、家族の日として午後八時から翌日の午前六時までは中止。
電話についても同じ。但し、緊急の電話は関係ありません。
さらに、家族の日の過ごし方・・・
家族が一番です。家族と共に楽しく過ごすことをお願いします。
家族のいない方は、家族を作るように指導しています。
遠慮なく、住民係の家族担当までお問合せ下さい・・・と。
こんなことで空腹感もなくなり今度は睡魔が襲ってきた。
風呂に入ろう。温かい風呂に・・・
ガスは使えるのであるから風呂には入られる。
湯船につかると、一日の疲れ・・・肉体ではなく精神の疲れが消え去る感覚だ。
この街に越して来て良かったという気持ちと、少しの不安が交差していた。
少しというのには理由がある。
生活に困ることはないだろうが、何か不自由さというものを感じないことはない。
気持ちを入れ替えればいいだけのことかもしれない?
不自由というものの裏に楽な生活が存在している。
この街の不自由は、もっと楽な生活をするために仕方のないことだと思い込んだ。
一日が終わり、寝床についた。
翌朝六時にテレビをつけると、いつものようにテレビは映像を流している。
ニュースも見られるし、何の問題もない。
毎月十五日の夜だけを我慢すればいいだけなのだ。
これぐらいの我慢があるから、高給を貰えると思ったならいい。
そういうふうに考えると空腹感が押し寄せてきた。
僕は、部屋を出て近くのスーパーに向かうことにした。朝の七時になっていた。
こんな早くに店は開いているのだろうか?もし、駄目なら仕方ない。
スーパーは開いていた。沢山の人が集まっている。
何故?こんなに早い時間に・・・すると、どうやら早朝割引の垂れ幕がある。
店内は若い人で混雑していた。小さな店であるから仕方ないと思い、いくつかの惣菜と米を買いレジに並んだ。
住民カードで買い物をする人を初めて見た。勿論、現金の人もいる。
僕も住民カードを出し支払いをしようとした時に・・・
「初めてのカードですね?ありがとうございます。三千四百円を引かせていただきます。山田茂様・・・」
このカードで何でも分かるのだ。不思議と名前を呼ばれることの快感があった。
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