(つづき)
「ザザっザザザザザっ」
階段から聞こえる引きずるような音。
それはきっとわずかな時間のできごと。
しんとした丑三つ時のざらつくような薄暗がりの中、
ひとり棒立ちで
手をのばせば触れんばかりの距離に顔を寄せ、
じっと目を凝らしているのに。
どんなに
目をひらいても、
階段に
何かが
ゆっくりと
引きずりおりるような音
しか見えない。
そして、
突然の静寂。
「!!!!!!!!!!」
その階段を足裏に感じないふりをして、
2階に駆け上がり布団にもぐりこんだ。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。
何ガ、
階段ヲ
降リテキタ?
2階二
何ガ
アル?
押し入れの大断捨離で引っ張りだしてきて、
ひとつき以上も虫干しという名の放置をしている
大量の亡き母の着物!!!
その映像が浮かんだ途端に、
思い出した。
母の命日!!!!
日にちをまたいでしまったけど、
前日は母の命日だった。
私はすっかりそのことを忘れてしまっていた。
母の命日だったんだ。
その翌日。
仕事休みの私は、
浅草のオーガニックヴィーガンレストラン「かえもん」さんで
ボランティアで皿洗いの手伝いをしていた。
同じくボランティアで入っていた
榎本セイヤさん(榎本大志さん)が
「ダウジングリーディング」をされるというので、
「かえもん」閉店後にお願いをした。
セイヤさんは振り子(ペンデュラム)を使う。
反応のしかたは使い手によるのだけれど、
セイヤさんの場合はYESなら振り子がぐるぐると回転、
NOならば前後もしくは左右に揺れるだけ
のようだ。
「あの晩、階段を引きずり降りた音は母ですか?」
浄霊もするというセイヤさんは
開始する直前に私を見て開口一番言った。
「ああ、お母様いますね、すぐそばに・・・・」
(つづく)
カフェとプライベートスペースにて
マルセイユタロットリーディングを行うHARUです。
(この格好でリーディングしておりませんので、ご安心ください)
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